お隣さん

今日昼に渋谷のインド料理屋に行ったんです。そこはランチにはビュッフェ形式になってて結構な混みよう。でも中々旨いんでたまーに渋谷に行った時は良く行くんですよ。
で、今日座ったテーブルの隣がどうやら専門学生と思わしき女の子2人組。女の子が二人ならそりゃかしましで色々喋りまくりだったんで、何気なく聞き耳を立ててました。話の内容は「これからどうするか」。卒業を前にして、二人とも就職がまだ決まってない様子。それに金がないし、テストもまだ山の様にあるし。で、その女の子の一人が「どーしよう!」を連呼しまくるんですよ。「ど〜〜しよう!どうしよう!何がどうって訳じゃなくて全てに対してどーうしよう!どうしようって思うものが多すぎてどうーしよう!!」
もうさ、俺これ聞いて小池徹平になっちゃったね。フレーム厚めのメガネかけて、ボタンダウンのボタンを上まで留めて、カーディガン着て、ギター弾きながら「わかーるわかるよ君の気持ち〜♪」ってヤツですよ。え?あんたなんか徹平君に似ても似つかないって?ほら、似てる所あるじゃん。性別とか。あと目のでかさとか。まあ、それはいいや。
何かさ、俺も大学の頃いっつもこの感じだったのを思い出しちゃったよ。今も「どーしよう!」の羅列なんだけど、あの頃の焦燥感とは比べ物にならないもんな。本当にあの頃の俺は何だったんだって思うもんね。そんなことをその隣の彼女の話を聞きながら思い出してました。
で、そういう子を見ると俺の胸キュンモードがふつふつと沸いてくるわけですよ。カレーを取りに行く時にちらっとその子の顔を観たんだけど、全然アリ。俺が横山剣ならイーネ!って言っちゃうレベル。いや、その後別に何をするって訳じゃないんだけど、何となくいいじゃない。分かるでしょ?なーんて考えながら旨いカレーとナンを食ってたんですよ。
で、最初は話に聞き耳を立てていたので気にしてなかったんだけど、ちょっと落ち着いてふと気付いたんです。「あれ?隣の二人めちゃくちゃ食ってね?」って。俺よりずっと前にこの店に入ってたはずなんだけど、何度も何度もチキン、マトン、ベジタブル、豆、魚、のカレーやら、ライスやら、タンドリーチキンやらを取りに行ってバカバカ食いまくりなんですよ。30分で2〜3回カレーを取りに行ってる俺がもう腹一杯なのに、そんなペーストはかけ離れたペースでガンガン食いまくってるんです。俺はめちゃくちゃ良く食う女の子が大好きなので、さらにイーネ!感が高まってきたんです。こりゃパーティ抜けださないっちゃう?なんて思うくらいに。
で、その店はウエイターさんが焼きたてのナンを大きいバケットに入れてテーブルを回り、何枚ですか?って聞きながらサーブして行くんだけど、その隣の席の女の子のその質問に対する答えは「あ、全部で」
全部?あれ、今全部って言ったよね?ていうかこのバケットの中のナンって相当の量あるよね・・・・・?それ、マジで全部食うの・・・・・?
俺さ、「全部」じゃなくて「臀部」って言ったんだと本気で考えたんだよ。ていうか臀部って事にしようよ、っていう。いや、ナン何枚?って聞かれて「臀部!」じゃおかしいのは分かってるんだけどさ、ナン何枚?「んじゃケツで!!!」ていうの何度考えてもおかしいんだけどさ、ナン何枚?「全部で」の異常さに比べたらまだマシ、って言うくらいのナンの山盛りだったんですよ。
そっからはそのバカバカ食いまくる女の子に対しての心の中の視線は、「父性を含んだ愛しさを込めた視線」から完全に「好奇の目」に変わっちゃいました。俺は40分ほどでその店を出たんだけど、彼女達はきっとあの後もずっと長居してたんだろうね。で、どーしよう!を連呼しながら、大量のナンを胃袋に納めていたんだろうね。
おねーさん、今度一緒に食べ放題でも行きましょうか。そのくらい奢りますよ。得体の知れない男と飯を食うという不安感と、それに反目する食欲、どちらが勝つかこの目で見てみたいよ。・・・・・・という形の変な欲望も俺は持ち合わせているんだな、と気がついた金曜の昼下がりでした。
それにしても、渋谷は人が多すぎる。早く吉祥寺に帰ろう。