【レビュー】08年第22節 京都戦@西京極

京都サンガ 1-0 アルビレックス新潟
スタッツ

遅くなったけどばばーんといきます。


しかしまあ勝てない。てか点が取れない。21得点っていつの間にか下から2番目だぜ。うひょー。


この試合の注目点は京都が3バックか4バックかという点。結論から言うと(正直、現地では西京極のクソスタっぷりも手伝って分かりにくかったんだけどw)3バックだった。手島、水本、まっすぅの3バック。右に角田、左に中谷、1ボランチ気味のシジクレイにちょい前目の佐藤勇人。それに1トップっぽい感じで動き回る柳沢を頂点に渡邊大剛とフェルナンジーニョ
京都にとって最大のクセモノはこの3トップ気味の布陣だと思うのだけど、この日の京都は純粋な3トップと言うより、1トップに2シャドウといった趣。しかしこの試合での新潟の守備陣はセンターバックボランチの関係が中々良好。柳沢をDFラインが上手く受け渡しながらケアし、その後ろからフォローしてくる選手を勲とテラのコンビが渋ーく潰す。そういう意味ではヴェルディ戦のようなノープランでの試合の入り方とはまるで違う、「この試合に向けての準備」が垣間見えるようなプレーだった。それと相手の両ワイドの上がりに関しても(特に右の角田がグイグイ来てたんだけど)サイドバックサイドハーフの関係で上手く潰していく、といった形。
また、攻撃面でははっきりと相手の3バックのサイドのスペースを突いていくという意識があったのだろう。この日ずっとガララーガの西京極から聞こえてくる蚊が鳴くようなブーイングに晒されていた貴章は、「攻撃時にはまずはサイドに展開」という狙いがはっきり見て取れていたんだけど、特に左に流れて起点になり、右ではマルシオとうっちーのコンビが相手のサイドのスペースを虎視眈々と狙いつづける。
それに前述の通りDFから中盤への守備の連携が中々良好だった事により、いつも以上にボランチ(特にテラ)がその前線と連動して攻撃に絡むシーンも多く、相手に脅威を与えるようなポゼッションをちょこちょこ見せるようになる。
ただ、うっちー曰く「ここだけミスが生まれてしまった」28分。相手がセカンドボールを拾って左サイドへ展開するとなぜか全体がずるずると左へとスライドしてしまい、渡邊ダイゴのクロスをどフリーの柳沢がヘッドで失点。1-0。ついでに言うと柳沢の後ろの(中谷かな?)へのマークも散漫になっていたという、集中力を欠いた非常にマズい守備でリードを奪われてしまった。
正直、負けが続いて負の流れが継続してるときってこういうもんだよね。この試合に向けて、新潟がやってきた守備に関する準備って悪くなかった、っていうか凄く正しかったと思うし、実際しっかりそれがこなせていたんだけど、そういった準備の良さを全て反故にしてしまうのが、連敗中のチームに漂う、凄く曖昧で掴み辛い「負の流れ」ってヤツなんだろう。
その後数分間の流れは京都。柳沢に対するマークはしっかり付いていたので大事には至らないものの、シュートを許す形まで持ち込まれてしまい、どうしてもリズムを掴めない。しかし、こういう状況をちょっとづつ打開したのはやはりサイド。特にマルシオとうっちーのコンビはシュートまでは行けないものの、相手の左サイドのスペースをグリグリとえぐり始める事に成功し、ちょっとずつ可能性を見せて前半終了。


そして後半。やっと目の前に来て判り易くなった京都の守備陣は、なんとまーほぼ5バック。まっすぅ、水本、手島の3バックに、左がダイゴと右角田がかなり低い位置をスタートポジションとする。で、中盤の左サイドに中谷が、なんていうんだろう。バスケのボックスワンみたいな形でサイドのケアをするという、5バックな上にもう一枚サイドに蓋!という形。加藤CUEは予想以上に新潟の右サイドを嫌がったのだろう。
ただ、正直言ってそれは決して完璧に奏効していたとは言い難いだろう。前半に引き続きサイドの展開を狙いつづけていた新潟の意図はそのまんまで、後半は特に松尾がグイグイ攻撃参加してきたので、左の攻撃も見せるようになり、左からのクロスを貴章がヘッドで狙ってあわやのシーンを作るなど、やっと得点の匂いがするシーンを作るのだけど、どうしても単発に終わり、攻撃に厚みが出てこない。
すると62分。何と貴章に替えてアウグスト。おおー何だこの交代は。怪我か?でも特に怪我をしている様子は無かったので、これは戦術的なモノなんだろう。
で、2トップがアレとアウになったのだけど、アウは入っていきなり左サイドを単純なスピードだけで抜け出してラブリーなクロス→アレギリギリ触るも大きく枠外、という形を作る。いいよいいよ。
しかし、そこでもそうなんだけど、この試合で一つはっきりしたのは新潟の攻撃はクロスに対する入り方がとてもヘタだと言う事だ。この試合では(特に終盤で)サイドからクロスを上げるシーンが何度もあったんだけど、新潟の選手はクロスに対しての入り方に工夫が無い。判り易く言えば横に並ぶだけで、相手のマークを外す為のギャップ作りがとても下手だ。あと貴章とアレが揃っていた時に顕著だったのだけど(そして大分戦でもそうだったんだけど)、被るんだよ。クロスに対して被ったらそりゃチャンスにならんよ。
この試合で見せたサイドへの意識、特にうっちーボランチ松下右サイドバック(!!!)という形になった時間帯のサイドへの展開は非常に危険な香りを漂わせていたし、方向はあれでいいと思う。ただ、クロスを上げるのが到達点じゃなくて、ゴールを決めるのが到達点なわけだから、中の動きは大いに改善の余地があるだろう。

という訳で3連敗。次は等々力での川崎戦。次もサイドの勝負が死ぬほど重要になる。この試合で新潟が見せたサイドを如何にして使い、如何にして守るか、という姿勢をまずは忘れないこと。そして、勝負を決めるのはその後の本当にディティールの部分だって事を肝に銘じて欲しいと思う。
ここで踏ん張んなかったら、いつ踏ん張るんだよ。