【レビュー】09年第4節 マリノス戦@スワン

アルビレックス新潟 2-1 横浜Fマリノス
スタッツ


えーとまずこれこのエントリーのどっかに入れようと思ってたんだけど、どこで入れたらいいか分かんないから最初に言っちゃうわ。
全国のサポーターの皆さん。もちろん新潟サポもだぜ。皆さん、
東 北 電 力 ビ ッ グ ス ワ ン ス タ ジ ア ム の ビ ー ル の 売 り 子 さ ん の レ ベ ル は 全 国 屈 指 で す
是非ともお越しください。アウェースタジアムに行くたびにそのクオリティを必ず入念にチェックする俺が言うんだから間違いない。文句なしでJリーグの最高峰に位置するぜ。まさかこんなところでも首位に立つとはwww
いやーあのさ、ジャガーさんの16巻にぴよ彦の親父がさ、新しくできたドラッグストアの店員のラインナップが、女子は清楚なヒロインタイプやらおっちょこちょいな妹タイプやらセクシーな女医タイプやら、男子はさわやか系やらワイルド系やら文化系男子系やら揃えてて、「お客様のニーズを意識した抜け目ないラインナップやでー!!!」って狼狽する話あるじゃん。知ってる?知ってなくても話強引に進めるよ。うん、あれ。まさにあれ。
俺のE2層目のシーパスの席は、前が通路だから何度も売り子のおねーさんが行ったり来たりしてたんだけど、メガネ女子が来たと思ったら、次はすらっとした美人系が来て、その後は丸顔のかわいい系が来るとか、これ完全に「お客様のニーズを意識した抜け目ないラインナップやでー!!!」だもの!!何あの充実っぷり!しかも全員新潟女子らしくきめ細やかな色白やで!
しかも衣裳が黒基調にピンクのアクセントという「黒×ピンク=エロかわいい」の黄金律に忠実なナイスな衣装!!恐ろしいで!!ホンマに恐ろしいで!東北電力ビッグスワンスタジアム恐ろしいで!ていうか新潟女子恐ろしいで!!いやー、新潟女子の実力を改めて思い知らされたぜ・・・。だからビール超飲んだぜ・・・・700円はたけーよバカ・・・。つか今読み直したら「700円はたけーよ」の中で「はたけ」がリンクされてるじゃねーか・・・。寂しい夜はゴメンだぜ・・・。もったいないから起きてるぜ・・・。





試合の立ち上がりは完全なマリノスペース。開始いきなり左のウイングバックに入った田中裕介がワイドから中へとランニングしてきて、そこに逆サイドから完璧なパスを通されて貴章が必死に食らいつくも1対1作られそうになった所で、田中がハンドを取られて難を逃れる、ってシーンを作られたけど、この試合を通して左の田中裕介と右のジョン・ドンホウイングバックがすげー怖い動き。特に田中裕介は貴章のあのゴールがなかったから、普通にこの試合のMOMだったんじゃないだろうか、って言うクオリティ。だって序盤の貴章は田中裕介のケアに忙殺されて苦しんでたもんな。
で、そうやってサイドでの起点を作ると同時に、序盤はマリノスの兵藤と小椋のボランチコンビと、前線の3枚のうち特に中盤まで降りてくる狩野の3人が本当に巧みな動きを繰り返して、新潟の中盤にプレス掛けまくる。その結果、新潟の中盤はビックリするくらいパスミスの山を築くことになり、逆にそこからマリノスの前線3枚に流動的に走られてしまって、息が出来ない展開が続くので全くリズムを取り戻すことができない。
なので、(これは勲のコメントを見ると最初から用意してたみたいだけど)オオシ目掛けてロングパスを送るという形も繰り出すのだけど、そこにはマリノスの3バックがガッチリ当たってくるし、そのセカンドボールも絶好調の前述の3人が拾うのでどうしてもリズムが掴めない。
それに加えて、今日の序盤は松尾が大ブレーキ。前に送るちょっとチャレンジングなパスが悉くカットされてしまう。松尾はあれだね、去年の怪我明け一発目の試合もそうだけど、試合勘を取り戻すまで若干時間が掛るタイプなのかもね。もちろん、この試合では兵藤と小椋のコンビもすげーよかったんだけどね。
おまけにジウトンがすげー強烈なバックパスかまして大ピンチになったりともう大変wwwジウトンしっかりしろwww


しかしその流れを次第に新潟に引き戻していったのも松尾。試合にアジャストして行って彼がだんだん前に顔を出すことが増えると、これまで死んでいた右サイドでの起点が次第に作れるようになっていく。
特に印象的なのはPA前で26分にオオシが倒されて絶好の位置でFKをゲットするまでの一連の流れ。貴章が真ん中からのオオシのポストを受けると、その外を相変わらず死ぬほどよく走る松下が追い越してパスを受け、貴章にリターン戻して、貴章のクロスがはじかれた所を中に絞っていた松尾が猛然と駆け上がってシュート→弾かれるもプレスかけて最終的にオオシがファウルゲット、だったんだけど、やっぱこうやってタイミング良く上がってくる松尾の攻撃的センスは、うっちーが怪我で離脱中のチームにあって本当に貴重。
で、そのFKは壁に弾かれるものの、明らかにそのあたりから流れが変わっていく。松尾が上がることで右サイドでの起点が一枚増え、その結果貴章が相手と1対1を挑めるシチュエーションや、マルシオやペドロが3バックとウイングバックの間のギャップを突く、っていうシーンが作れるようになる。
で、なんとなーくいい感じなってきた36分試合が動く。永田さんの素晴らしいフィードが高い位置を取っていた松尾にピタリと合い、そこから貴章への縦パス→中澤との1対1のマッチアップからクロス→弾かれるものの松下がセカンドボールをフォローして、その右サイドでの流れで稼いだ時間を利用して上がってきたジウトンに流す→ジウトンのクロスからオオシに釣られた中澤の裏でフリーになっていたマルシオがヘッド→あとはスワンの長めの芝と雨ありがとう、で榎本の脇をすり抜けてゴール。いいね〜!こういうワイドな揺さぶりを仕掛けたから生まれたゴール。こういう形のゴールが取れるチームってのは強いよ。
その後前半終了までは新潟ペースのまま試合が進む。マリノスも前線へのロングボールを使いながらリズムを作ろうとするのだけど、そこは新潟のセンターバックと、今日も素晴らしいバランス感覚でバイタルを潰してた勲がしっかりフォローするし、パスを繋いでいく攻撃に出ても、中盤の構成とリズムを取り戻した新潟はしっかりそれにプレスをかけて奪い取ってカウンターに繋げていく。
特に前半ロスタイムのカウンターは凄かった。松下が自陣でスライディングでパスカットして、それを拾った貴章が真ん中を突っ走って左のペドロ→それを外から追い越したジウトンに流してクロス→さっきまでスライディングで寝そべってた松下が逆サイドまで走っててクロスを受けようとするもクリアされる。これぞ「ハードワークしてボールを奪って、素早く攻守を切り替えて早く攻める」っていう新潟の基本が出たシーンだった。



後半。マリノスは途中から消えてた坂田に変えてキム・クナン。立ち上がりこそマルシオのキープとヒールパスから松尾がゴールライン際を走ってチャンスを作るものの(松尾さんかっけー!!)、その後は基本的に「攻めるマリノス」と「耐えて虎視眈々とカウンターを狙う新潟」の構図。
キム・クナンの投入自体はそれほど効果を発揮しなかった印象があるけど、とにかく序盤同様、両ウイングバックと狩野と兵藤がとにかく前!前!の意識を研ぎ澄まして新潟の中盤を押し込んでいく。ていうか何でこれだけ明確に前への意識をもち直した途端にペースを握ることが出来るチームが未勝利なんだろう。謎だ。
その結果セットプレーが連発する事に。で、そのCKの崩れからクロスを上げられて最後は栗原に体ごと押し込まれて失点。1-1。
しかしその後の新潟の守備の集中度と、絶対にカウンターの脅威をちらつかせる事だけは忘れない攻撃陣が、このゲームを決定づけたと言っていいだろうね。この試合、ずっと耐え続けてて新潟は単発のカウンターしか繰り出せないって事から不満を持つ人もいると思うんだけど、あれはあれで「アリ」だと思うんだよね。
08年の一番の収穫って「我慢すべき時間では我慢できるんだぜ、俺達」っていう自信を持ったことだと思うんだよね。だってそこで我慢して最低1ポイントは獲る、ってゲームが出来なかったら降格してたシーズンだったんだし。その地獄を乗り越えたチームだからこそ、ああやってリトリートするけど、真ん中だけは絶対に譲らないっていう守備が出来るんだよね。伊達に地獄見てないよ、ウチのセンター陣は。それに今年の北野はなんか一皮むけちゃた感じですげー安定してるし。(この試合の難しいピッチコンディションの中、相手の数多いミドルを前にこぼすことなく処理した北野は本当に素晴らしい。完璧だった。)
そして何より、今年は去年とは180度、いや1980度くらい違ってるのは、そこから一気にカウンターにつなげた時の殺傷能力。手前味噌だけど分厚いカウンターさせたら今のところリーグナンバーワンでしょ、今年のチーム。なので、時間によってはそれに特化するってのはアリだと思うんだよね。実際、ジウトンが一枚交わしてそこからマルシオ→オオシに繋がってあわやのシーンを作った54分のシーンとか、貴章が完全に右サイドの裏をぶち抜いた60分のシーンとか、マルシオがカット→貴章→マルシオからクロス→相手がCKに逃げた66分のシーンとか、カウンターから波状攻撃仕掛けた68分のシーンとか、いい形は確実に作れるんだよね。
もちろん、これってリトリートしたところで事故が起きたら即終了なんだけど、一つの方法論としては間違ってないと思うんだよね。これをパーフェクトに近づけられるようなチームになれば、それを状況によって正しく運用できるチームなら、もっと強くなれるはずだよ。

で、その後マリノスジョン・ドンホに替えて水沼ジュニア、渡辺に替えて斎藤学。そして対する新潟はペドロに替えてヨンチョル投入。これまではオオシに替えてヨンチョルが多かったけど、この試合ではペドロに替えてヨンチョル。淳さんこの試合のラスト10分をオオシとヨンチョルに賭ける。

で、ラスト10分はこれまでのマリノスペースから随分とフラットな位置に戻って互いに攻めあう展開。この試合で何度となく攻め上がりを見せた松尾がこの時間ではクロスやら、ファウルゲットやら大活躍。試合勘を試合中にしっかり取り戻すあたりはさすがの経験値。
で、そのFKの崩れから、ジウトンのクロス→貴章が嘘みたいなカンフーキック気味の折り返しからオオシダイビングヘッド!もその前の貴章が戻りオフサイドでノーゴール、ってシーンを作る。あれオフサイドじゃなかったら最高にかっこいいゴールだったのにね。
あの時間で、あのシチュエーションで、幻のゴールが生まれたチームが思うのは二つしかないと思うんだ。心が折れるか、ゴールの予感を倍増させるか。幸いなことに、アルビレックス新潟は後者だったんだけどね。



で、後半ロスタイムの表示は3分。俺の腕時計のストップウォッチは47分を過ぎてる。でも、ずっと予感はあったんだよね。何故ってチーム全体が、スタジアムが、明らかにゴールを、勝ち点3を嘱望してたから。
で、スローインからオオシが落として松下がボールを受けてヨンチョルが走り出した時点で、「あ!きた!!!!」って思ったんだよね。明らかにその瞬間、松下とヨンチョルの意識が繋がったのがはっきり分かったし。
となると、後は中でそのボールを受ける選手。誰かいるか?!!って視線を中に移したら、そこに試合を通して死ぬほど走り回ってた貴章が、誰よりも早く先頭を突っ走ってるじゃん!!!!!!!!!!
もうこの時点で鳥肌ぶっわー。去年の名古屋戦の松下のゴールで、うっちーのクロスが放たれた瞬間みたいに、ボールがゴールに飛び込む前に鳥肌。そして、貴章がそれをゴールに流し込んでゴール。2-1。俺発狂。

俺さ、今年のシーパスBC2かB2かで迷ったんだよね。で、B2の方が真ん中の席取れそうだからB2にしたんだけどあれ大正解。俺ボールがゴールに飛び込んだのを確認した次の瞬間、なぜか席じゃなくてその前の通路でガッツポーズしながら絶叫してたんだよね。うん、あれBC2だったら死んでますwwww
いやーもう訳わかんない。訳わかんないけど、とりあえず俺が言えるのは貴章愛してる。超愛してる、ってそれだけだよ。


で、あのシーンに関してのコメントでさ、
松下「大島さんから出たボールをつなぐとき、自分を呼ぶ声が聞こえて、前を向いたらオレンジが見えたのでボールを出した」
ヨンチョル「最後の得点の前、松下さんからスペースにボールが出て、首を振ったら矢野さんがフリーになっていたので、後はパスを出すだけだった」
貴章「ヨンチョルからボールが来ると信じていた」
って素晴らしいよね。これぞチームだ。




試合後のヒーローインタビューで貴章が「明日誕生日なんで自分で祝いました(テヘ」とボケたのに呼応して、機転利かせてハッピーバースデーイ貴章〜♪と歌い出す東北電力ビッグスワンスタジアム。首位をキープするために最後まで勝ち点3を求め続けた東北電力ビッグスワンスタジアム。ビールの売り子のレベルが首位の東北電力ビッグスワンスタジアム。いいね。最高だ。



さあ、立ち止まってる暇はないよ。今はただ次の試合で勝ち点3を手に入れる準備をするだけ。とりあえず俺はこれから四条河原町レコード店のリサーチと、夢を語れの営業時間のチェックと、西京極で勝ち点3手に入れるのを見届けてから高速バスが京都駅を出発する24時までの間に天天有に並んで食らうだけの時間があるかのリサーチをするよ。
さあ、もっともっと上目指そうぜ。