【プレビュー】09年第12節 神戸戦@スワン


12節1日目を終えて、鹿島の結果以外はほぼ理想通り。ここで勝てば3位であるという以上に、下との差をぐっと放して、そろそろ「リーグの階層」を形成し、その階層のトップグループに参加する事に成功できそうな感じになってる。となればもう勝つしかねーでしょ!前節の山形戦をすごくいい形で勝てた今こそ、もっともっと上へ!連勝なしでは、トップへの道は絶対に見えてこないからね。


さて神戸。言わずもがなのお得意さんではあるけど、今年の神戸はこれまでのイメージで考えるのはダメだろう。なんせ監督が違う。正直、カイオ・ジュニオールのサッカーってのがいまいちまだつかみきれてない部分は多いので、何とも言えないんだけど、ただ一つ言えるのはカイオは「相手のスカウティング」を何よりも重視してくる監督であるということ。
例えばガンバ戦では遠藤にアラン・バイーアを、川崎戦では中村ケンゴにキム・ナミルをそれぞれマンマークにつかせてきたけど、こういうスカウティングから導いた結論を超ドラスティックにやってくる監督であることは間違いない。つーことで、この試合、カイオが新潟相手にどんな策を練ってくるか、ってのを読むのが重要になると思う。
普通に考えれば、マルシオやペドロをぶっ潰しにくるか?と思うけど、恐らくカイオが狙ってくるのはサイドバックだろう。ここまで新潟が一番脆弱な姿を曝してしまった京都戦や広島戦に共通してるのは、サイドバックの上がりを徹底的に抑え込むために、サイドの選手を積極的にサイドバックにぶつけて来られたって所。なので、スカウティング大好きなカイオがこれを見逃すことはまず考えられないと思う。
んじゃどうするか?主に新潟のサイドバックが攻撃で顔を出すのは遅攻のビルドアップ時だけど、その時にいつも以上に中盤から前の選手が降りてきてボールを受けてパスコースを増やすというタスクをしっかり遂行すると同時に、磐田戦の前半で特にヨンチョルが良く見せていたような、サイドハーフが中盤のサイドに開いて起点を作るというタスクをしっかり見せていきたい。
というか、松下でなくヨンチョルが山形戦で選ばれたのは一つの要因は、このプレーが出来るからだと思うんだよね。タイミングよくサイドでボールを受け、時に捌き、そして時に一歩前へと相手をいなしながら局面を打開するドリブルでのチャレンジを見せる。サイドで局面を打開するってプレーが、今まではサイドバックとウイングに頼りっぱなしだった所で、そこをフォローできる選手の存在は、新潟がさらに一歩上に行くためには不可欠な存在だしね。

しかも、今の神戸で最大の武器は右サイドのパク・カンジョと石櫃のユニットであるという事を考えると、左サイドバックがまだ誰になるか(ヒロシかジウトンか松尾か)分からないけど、左のペドロやヨンチョルを含めて、このサイドでのプレッシャーに屈しないように我慢する必要があるだろう。しかしイシビツっていい選手だよなあ。去年も良かったけど、今年はさらに輪をかけていい選手になってるわ。代表呼ぶべきだろうあれは。つーかイシビツはアタッカーだ。サイドバックじゃない。神戸の右サイドはアタッカーを二枚並べてるようなもの、っていう認識は忘れてはいけないだろう。



対して攻撃面で狙いたいのは、今年の神戸の弱点である攻守の切り替えの遅さと、ラインブレイクのタイミングの拙さ。今年の神戸はとにかくボールロストした後の対応のまずさが目立つ。これまでの神戸って、ボールロストした時にまず誰が最初に当たりに行くかってのが整理されてた印象があるんだけど、カイオ率いるチームではその意識がずいぶん希薄。
で、これってカイオの守備組織ってのもあると思うんだけど、宮本が入った功罪ってのもあると思うんだよね。今年の神戸は宮本の一番やりやすい守備の形であるラインブレイクして4バックの一枚がアタックに行ったり、積極的なラインコントロールを仕掛けてきたりするんだけど、それがガッチリハマれば、ガンバ戦や山形戦みたいなファインゲームが出来るんだけど、そこを狡猾にいなされて前線にそのスキマを狙えるアタッカーを並べるチーム相手だと、マリノス戦や磐田戦みたいな大惨敗を喫してしまうっていう、危うさを内包したチームだと思う。磐田戦なんて、攻守の切り替えが全く上手くいかずに、スペースにロングボールを送られて大ピンチ、ってシーンがあまりに多かったからね。
じゃあ新潟がその後者のパターンに追い込むにはどうすればいいか。まずは何といっても攻守の切り替えのスピードを相手よりも早くするって事。これはもう今さら言うまでもないよね。最近は貴章とペドロという希代のドリブラーの局面打開を中心とした遅攻が随分と上手くいってるけど、言うまでもなく新潟の伝家の宝刀は「攻守の切り替えを素早く行ってのカウンター」である。神戸からボールを奪った時に、相手の脆弱な部分を素早く読み取ってダイレクトプレーで一気にゴールに迫るという基本をまずはしっかりと表現すること。
そして、神戸の守備のいいところでもあり悪いところでもある、「積極的な前への守備」を引き出すために相手のバイタルでしっかりとキープしたり、侵入を繰り返したりするっていう真ん中の選手のプレーの質を高めるって事。千葉戦・山形戦のように、オオシを頂点に中盤でボールを早く動かして、相手をいなし、そして守備を釣りだし、その隙間を狙って前線のアタッカーが飛び込んでいくっていうプレーを繰り返すこと。そうやって絶対に攻撃的な意識の手綱を緩めないことが重要だ。
だってここまでアウェイで1分4敗のチームにとって、そうやって攻撃的な姿勢を絶えずに表現してくるチームってのはいやなものだからね。「ここで失点したら、また今日も試合が難しくなる」っていう意識がどうしても全てのプレーを消極的にしてしまうものだし。うん、だってその辺はシーズンでアウェイ2勝しかできない某チームのサポーターである俺には死ぬほどよく分かるよwwwww



ということでもっともっと上を目指すためには落とせないゲーム。連戦をまずまずの成績で終われた今こそ、次が重要になるのだ。その次が続かなければ絶対に上へ行くことはできない。神戸倒して勝ち点3ゲットだおっらあああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!