【プレビュー】09年第18節 マリノス戦@日産スタ

09年シーズン前半を終えて、9勝5分3敗の勝ち点32。得点30、失点17で得失点差+13。順位は3位。
素晴らしい。
ただし、もはやこのチームはこんなことで満足してはいけない所まで来ていると思う。佐藤藍子乙しちゃうと、俺は07年途中からず〜〜〜っと言い続けてきた。このチームはもっともっと上を目指すべきだと。このチームはタイトルを現実的な目標に設定すべきだと。「ずっと残留争いしてたチームが次のシーズン、最終節のロスタイムまで1位だった事がある」Jリーグというリーグにおいては、何が起きても不思議ではないのだから常にトップを目指すべきだと。
今まではそういった目標に対して、冷笑的だったり、リアリティが薄いものだと言う意識が根強かったと思う。だけど、今やこのチームはそんな疑念や諦めを吹っ飛ばすクオリティを見せ続けてくれている。だったら、それを最後まで継続しよう。ていうか継続させよう。前節の引き分けは、さらに上に行く為の教材だったと捉えよう。だからまずはこの試合勝つぜ。あの悔しすぎる引き分けの次の1勝の価値は、絶対に大きいはずだ。





さてマリノスだ。最近対戦するたびにいつも思うんだけど、このチームは弱いのか強いのかどっちなのかww山形にころっと負けるのが本物なのか、ガンバに完璧な試合をしてのけるのが本物なのか。ん〜、わかんね!!
ただ、間違いなく言えることは、マリノスと対戦するときは中盤の主導権争いで負けたら苦しい試合になるって事だ。今年のマリノスは1トップに2シャドーの3-4-2-1でスタートして、現在は4-3-2-1、もしくは4-2-3-1と言う形で戦っている。つまり、1トップにしてその後ろの中盤を分厚くして、そこでの主導権を握って攻撃を仕掛けていくと言う基本的なコンセプトはずっと一貫していると言うこと。
となるとまずはここをどう戦うかが重要になる。思えば今年ここまで2試合マリノスと対戦したけど、その時も中盤の主導権争いが試合の流れを大きく左右していたしね・・・ということで、たまには以前の試合からの引用を使ってみるwwせっかくデータベース的に前の試合の記録揃えているんだしなww

まずはナビスコ予選から

この試合の最初はほぼ互角の争い。マリノスは4-3-3と言っても、小椋と兵藤が中盤の底で並んで、その前にトップ下のように狩野が前線3枚に対してタクトを振るうような形(無理やり表記すれば4-2-1-3ってところかな)。それに対して新潟は、3トップの両端にはサイドバック、トップにはセンターバック、そして狩野には勲とセンターバックの一人がマークを受け渡しながら付くという基本的な約束事を設定し、まずはマリノスの前線4枚の自由を奪っていく。
そしてこの試合の序盤でキモだったのは、マルシオとヨンチョルのセンターハーフ二人が、マリノスの兵藤と小椋の中盤の底二人に対して次第にいい形でプレスをかける事に成功して、どんどん相手を押し込む形が出来たっていう点。
こうなると新潟らしい、高い位置でボールを奪って速攻に繋げていくという理想的な形が出始める。マルシオやヨンチョルが奪って一気に前を向くと、オオシが本当に上手い形で顔を出して、そのボールを的確に捌いてアトムと松下の両ウイングが前を向いて攻めるというこれぞ新潟!な形が頻発。

続いてリーグ第4節目。

で、そうやってサイドでの起点を作ると同時に、序盤はマリノスの兵藤と小椋のボランチコンビと、前線の3枚のうち特に中盤まで降りてくる狩野の3人が本当に巧みな動きを繰り返して、新潟の中盤にプレス掛けまくる。その結果、新潟の中盤はビックリするくらいパスミスの山を築くことになり、逆にそこからマリノスの前線3枚に流動的に走られてしまって、息が出来ない展開が続くので全くリズムを取り戻すことができない。



とまあ、こういう試合内容からも分かるとおり、やっぱり中盤で勝つって事が何よりも重要になる。てかこの方法便利だなww今後も使っていくかw
となると、やっぱりまず重要なのはマルシオ不在をどう埋めるか。どうやらヨンチョルがまだ怪我みたいなので(これは本当に痛いと思う。前節の川崎戦の引き分けも、彼がいたら別の結果になっていた可能性は高いしね。)、淳さんのこれまでの起用の優先度から考えるとゴートクがそこに入ることになると思う。
今シーズン、ゴートクがこの位置で起用された試合と言うとナビスコの大分戦が思い出されるけど、あの試合、とてもいいプレーしてたんだよね。特に、後半の「相手の中盤に的確にプレスをかけてそっから一気に切り替えて前へとボールを進めていく」ってプレーの精度は素晴らしかった。で、この仕事ってまさにマルシオが任されてる仕事の中で特に大きいものなんだよね。つまり新潟の守備→攻撃のスイッチの切替ポイントとしての機能。この重要なタスクをどれだけ精度高く出来るかで、この試合における「脱・マルシオ依存」の達成度は随分と変わってくると思う。頑張れゴートク。


それともう一つ、中盤の争いを制するためにポイントなのは、実は相手のサイドバックに対する対処。これ、3バックだった4節の試合でもそうなんだけど、マリノスの中盤の機能の原動力ってサイドの選手だと思うんだよね。実際、4節でマリノスに試合を支配されてた序盤ってのは田中裕介に対して、貴章がかなり引っ張られてしまっていたのが大きな原因だったし、その流れを引き戻したのは松尾が高い位置を取ってサイドを制圧する事に成功したことからだったからね。それは4バックになった今でも同じで、サイドバックをとにかく前に前に動かしていくサッカーが基本。そうやって高い位置でサイドへのボールへの展開を引き出すことで、パスコースの幅を広げ、相手の守備組織にエラーを起こさせる、ってのが今のマリノスのサッカーだ。
そもそも、何でコーキチが3バックから4バックに替えたのかってのを考えたときに、恐らく小宮山と田中裕介っていう極めて能力の高いサイドバックを抱えているってがあったと思うんだけどね。個人的に、この二人は代表に絡んでこなくちゃいけない人材だと思う。この試合以外では頑張れ、二人。あ、だけど小宮山は出場停止だったんだ。ラッキーだな。となるいと天野か金井が起用されると思う。うん、ラッキーだw
となると、最も重要なのは・・・・もう言うまでもないよね。何度も言うように、今年新潟が強さを発揮してるのは「ペドロと貴章というバケモノウイングが常に相手のサイドバックにプレッシャーを与えているから」って事に他ならない。前半で鹿島を粉砕した唯一のチームになれたのは、間違いなくこの二人のモンスター級の活躍があったからだしね。
だからこの試合でも、そのキーポイントとなるサイドバックに圧力をかけて前でのプレーを許さないってタスクを徹底したい。そしてそういう形を作らせるために、これまで以上に中盤とサイドバックはハードワークする必要があるだろう。このチームの後ろが頑張れば、絶対に両翼の二人は最高の仕事してくれるはずだ。これまでもそうだったようにね。



それと一昨日のナビスコカップのガンバ戦でマリノスが見せたサッカーを受けて一つ気をつけなくてはならないと思うのは、マリノスがそのガンバ戦で成功した「とにかく引いてブロックを作ってそこから効率よくカウンターを仕掛ける」ってゲームプランをこの試合でも徹底してきたときの対処。
ハッキリ言ってしまうと、今年の新潟は清水戦しかり、京都戦しかり、こうやって戦ってくるチームをとにかく苦手にしている。もっとも、それでも前述の通り「中盤での攻守の切り替えのスピードを上げること」と、「サイドバックへの激しいプレッシャーの徹底」を持ってすれば試合は制圧できるだろうし、チャンスも作れるとは思うのだけど、それでもこの形で戦ってこられてしまったら、こっちのスコアが凍りついたまま試合が進むことも十分にあり得ると思う。
そこで重要なのはやっぱりセットプレー。マリノスは山形戦でゾーンでセットプレーの守備をする弱点を見事突かれて失点してるし、ガンバ戦でも同様にセットプレーで失点している。じゃあゾーンを破るにはどういうボ−ルかと言えば、そのゾーンの隙間を縫う速いボールだ。そう、つまり松下が一番得意としているアレである。なので、この試合では松下のプレースキックの精度ってのは凄く重要になるだろう。一発いいボールが入れば、試合を優位に動かすための1点が見えてくるはずだ。


それとそういう展開になった時こそ重要なのはマリノスの「21失点中、10失点が後半残り30分のもの」という事実である。今年のマリノスは、とにかく我慢できないチームという印象がある。踏ん張ってスコアを動かさないようにすべき、ってタイミングで失点して試合を難しくしてしまうことが多いのだ。まあ、これはコーキチの謎采配の影響もあるんだけどねw
しかもこの糞暑い日の試合である。多分、相当に我慢を強いられるゲームなるだろう。だから、終盤で勝負を決める得点を手に入れる事が出来るように、集中を切らして相手のカウンター一発に沈んだりしないように、ずっと集中力を高めてしっかりとリスクマネージメントしながら、かつ積極的に前へのプレッシャーを仕掛けることが重要になるだろう。そこで我慢しきれなかった方が負け。そういうゲームになると思う。


という訳で素晴らしい前半戦を後半戦に繋げていくための一歩目であり、前節の悔しすぎる引き分けの経験を昇華すべき試合でもある。勝つぜ。絶対に勝つぜ!!!!マリノス叩いてもっと上行くぞおっらああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!