板尾創路の脱獄王

これは素晴らしいよ。凄くいいと思う。素晴らしい理由を書いていくと思わずネタバレしちゃいそうだから、最初に賞賛しちゃう。
この作品って、映画人・板尾創路の面と芸人・板尾創路の面が、物凄く整理されて作られてるのが成功した一番の理由だと思うんだよね。90%以上は映画人としての顔だけど、その残り10%の芸人の顔があるからこそ、この作品は完成してる。どちらかがなかったら成立しないもんな。その幸福な補完関係。いいと思うなあ。
あと映画を通して「どうやって/なぜ、脱獄するのか」って図太い軸をぶっ刺して、その軸から離れる事なく、終結まで突き進んだのも大成功だったと思う。監督作品一作目だという気負いもなけりゃ、空回りする過剰なアイディアもない。画の強さと、演技だけで話を構築していくのみ。口から流れる血を鉄柵に擦り付けるシーンは、あまりにセクシーでドキドキしちゃったもの。一発目でこの潔さと強さはダテじゃないね。板尾さんすげーよ。
だから、今は早くも次回作が観たい。ぶっとい軸から動かなかったからこそ成功した作品の後に、その軸から離れまくった作品をどう描くかが観たい。あーこれ興行的にも成功するといいなあ。そうしないと板尾さん2本目撮れないもの。つーことで観てください。是非。


あ、あとこれネタバレじゃないから良いと思うんで書くんだけど、エンドロールが流れてる所で、脱獄王のキャラクターがちょこちょこ走り回るんだ。で、下から流れてるエンドロールを上手く避けていくんだけど、「よしもとクリエイティブ・エージェンシー」の文字だけ避けきれずに、連れて行かれちゃうんだよwwwあれは笑った。御覧の際は是非注目を。