ボーイズ・オン・ザ・ラン

前に江頭2:50御大が「恋をするって事は、狂うって事なんだ」って言ってたんだけど、それはまさにこの映画のことだ。「500日のサマー」同様、「こんな女を見限って次に進めば全て解決するのに、それに依存したまま動けない」男の話だけど、この映画はその先に「でもお前がここに留まると決めたのなら、とことん狂え。お前が出来るのはそれだけだ」っていう続きがあるんだよね。参った。スマートで無駄のない画作りと、芯がぶっといドラマ。とてもいい映画だと思う。
それとこの作品で見事だと思うのは、ここぞの場所に用意された笑いのスイッチが、全くを持ってスベリ知らずな所。もちろん、この映画の笑いのスイッチは万人に受けるネタばっかじゃないのは当然だけど、少なくとも俺にはほぼ全部ヒット。多分、俺みたいなヤツなら、田西を見て過去の記憶をグリグリされる俺みたいなヤツなら、きっとすんなり入ってきてガッチリと笑えるスイッチだと思うw


そしてキャスト陣のすんばらしい事。峯田や松田龍太は、彼ら以外には考えられないような素晴らしいキャスティングだと思うし、何と言っても黒川芽以!!ホント素晴らしい。なんかもう、この人がこういう女優になったのは実に喜ばしい事だと思うね。いつまでたっても人畜無害な役しかやらない「国民的女優」宮崎あおいなんかを、後方の遥か彼方に置き去りにして突っ走ってる黒川芽以。いいと思うなあ。



それにしても「500日のサマー」と「ボーイズ・オン・ザ・ラン」が同時期にかかっている、って言う事実は、とても暗示的な思いがする。神様は俺(というか、俺みたいな奴、かww)のケツを叩こうとしてるんじゃないだろうか。狂うしかないね、これは。