「マーダー・ライド・ショー」「クレヨンしんちゃん オタケべ!カスカベ野生王国 」「シークレット・サンシャイン」

俺様採点:2
やべえ、面白くなかった。この次の「デビルズ・リジェクト」が壮絶な大傑作だっただけに、期待値を高くして観たってのもあるけど、それにしても面白くない。
確かロブ・ゾンビはこれが長編デビュー作なんだよね?「悪魔のいけにえ」のフォーマットに、プロモーションビデオ的な絵柄を散りばめただけ、っていうプロモーションビデオ上がりの監督が陥りがちな罠そのまんまだったな。


俺様採点:3
なるほど。この次の作品でしぎのあきらは快作を繰り出してくれるわけだけど、まだこの作品ではテーマの設定と、そこからの派生を散漫にさせないように腐心する努力が実を結んでいない感じだね。それと、きっとこの人の中で「オトナ帝国」は相当大きい存在としてあるんだと思う。2作目でそこから逃げずに、真正面からぶつかった「オラの花嫁」はやはりいい作品だ。


俺様採点:4
典型的な日本人的無神論者(クリスマスも神社も寺もぜーんぶアリ!)な俺が、ちょっと無配慮な発言をしますがご容赦下さい、って事で前置きをして言わせてもらうと、宗教・信仰って結局のところただのレトリックだと思うんだよね。実体が明確に見えない誰かの、言葉の使い方や表現の仕方を、主な拠り所として機能するのが宗教だと思うんだ。(それつまり、まんま相田みつをなんだけど)
この作品はそのレトリックの齟齬や矛盾に真摯に向き合って、迷いもなくザックリ切れ込んで凛として立ち尽くす、そんな映画。その凛とした姿勢は、脚本と演出の妙によって作られてるけど、何よりとにかく素晴らしいチョン・ドヨンの佇まいによるところが大きいよね。素晴らしい女優さんだと思う。
そういやパク・チャヌクの「渇き」なんかもそうだけど、人工の20〜25%を占めるらしい韓国のキリスト教徒と、その批評性ってのはちょっと掘り下げてみたいテーマだな。


で、だ。俺にとって一番強烈だったのは、この映画における「サンシャイン」の役割を担うソン・ガンホ。この映画は結局、「救済はどこにあるのか」って映画。つまり、信仰なのか、ソン・ガンホの存在なのか、それとも別なのか、って言う映画だ。だから、ソン・ガンホがキャスティングされてるって事は、後半に彼が大活躍する展開が用意されてるんじゃないだろうか、って観てたんだけど、最後まで無能。ひたすら無能。彼はサンシャインになってないよ。断言してもいい。だって俺にクリソツだから。へこんでる女を慰めるって名目で食事にやっと誘えたぜウッヒョー!ってなってるあれ、つまり俺。サンシャインになりたくてなりたくて、死力を尽くすけど完成と達成には至らないあの姿。すごく個人的な話に突入しちゃって申し訳ないけど、あれはサンシャインではない。だって俺がサンシャインじゃないから。
監督はラストで、髪を切るチョン・ドヨンと、鏡を持つソン・ガンホ、そして風でたなびく切り落とした髪と陽だまり、っていう暗示的なカットを提示してるけど、あれは変な話ただのミスリードだと思う。じゃあ、救済はどこにあったのか?俺の見解では「ない」。この映画にあるのは明確な批評性と、救いを求める事の意味。それだけだと思う。でもその提示された二つの要素がひたすらヴィヴィッドで強烈だから、この映画は素晴らしい。だけど、すごく個人的な理由で、見終えた後ちょっと眩暈がしたのも事実。

あー!!訳の分からない文章!!だめだー、個人的な眩暈を催す映画はやっぱマトモな文章書けない!