メアリー&マックス

俺様採点:5
人類は人間をウン千年、ウン万年やってるくせに、未だに心の中に闇を作ってしまう病の決定的な原因の追求も、解決法の発見も達成できていない訳だ。
だけど確実に言える事は、人間と人間のかかわり合いの中で生まれる色んな摩擦だったり、ちょっとした突起物が、その原因の一つであるという事。些細な事が大きな原因を作ってしまうという、とても脆弱で危険なものであるという事だ。
だけど一方で、実はそれを治癒させるのも、人間と人間のかかわり合いの中で生まれるものなんだよね。原因にもなる事が、表裏一体で解決法にもなってしまう。これが、人類がウン千年、ウン万年研究しても結論が出ない理由なんだろう。
この作品はどこにもぶれることなく、2人の手紙のやり取りを通してそれをただひたすら真摯に描く。そうなんだよね。人が歩く道はみんな違って、人によってはヒビもあればゴミも落ちてる。そこに誰かの道が横切れば、その道は渡れなくなってしまう事もあるし、その横切られた跡から、また新たな道を辿る事も出来る。劇中に出てくる「誰でも持つ欠点は選べないけど、友人は選べる」ってのはこういう事だよね。
そのぶっといテーマをクレイアニメというファンタジックな描写で構築し、ラストシーンの「Faces」のノートのシーンに代表されるような本・演出の圧倒的な上手さで饒舌に語る。そんな非常に完成度の高い名作。素晴らしかった。涙が止まらないっつーの!!