「SUPER8」「しとやかな獣」「女は二度生まれる」

俺様採点:4
これ実はエイリアンはオマケだよね?この映画の根幹って子供たちの夏休みと、映画制作に関する情熱、そして子供の成長の話だよね。もしエイリアンが軸の話なら、存在を認知するのがあんな後半にはならないだろうし、あれだけの経験をしたのに、出来上がった映画はエイリアンの影響が全くないんだから。だから、散々吹聴されたETや未知との遭遇などの共通項で頭いっぱいになって、エイリアン映画として観てしまうと、とても中途半端な作品になってしまうと思う。
それにだってそもそも、この映画のタイトル、ズバリ「SUPER8」だもの。SUPER8に刻まれた子供たちの一つの夏休みの映画なんだよね。自分たちが練り上げた映画の端々に、彼らが経験してきた事が映り込む、そういう彼らの子ども時代の記憶を刻んだ映画なんだ。そう考えると、エンドロールで流れる彼らの作品であるゾンビ映画は、是枝監督の「奇跡」の新幹線がすれ違うシーンの、あのフラッシュバックのシークエンスとも被る。
だからこの映画のハイライトはエンドロールなんだと思う。しかもその彼らの作品が終わってドカーンと流れる「マイ・シャロ−ナ」の正しさと来たらないね。散々使いまわされたこの曲の、最も効果的な使い方を観ることが出来た気がする。

  • 114 しとやかな獣

俺様採点:5
もう今更何を言うまでもなく、とんでもない傑作。この時期に見ると、思わず画面から物凄い湿気が噴出してくる気がするくらい生々しい。

  • 115 女は二度生まれる

俺様採点:4
何と言ってもラスト!!男から男へひらひらと舞い続けて、最後まで自分の居場所を確定できない、いや、「しないことを選択した」主人公の佇まいと、唐突にぶち切られる「終」の文字。鳥肌。岡本喜八版「大菩薩峠」や「デス・プルーフ」に匹敵するくらいのナイス「終」!