坂本慎太郎の「幻とのつきあい方」はとてつもない名盤です

幻とのつきあい方(初回限定盤)

幻とのつきあい方(初回限定盤)


もちろん期待はしていた。先行で発表されてた「幽霊の気分で」もいい曲だったし、ある程度の水準は必ず超える作品になるとは当然思っていた。


すいませんでした。そんなレベルじゃなく、文句なしの正真正銘の名盤でした!!!



このアルバムは、あの空前絶後の歴史的名盤であり、ゆらゆら帝国という最強のバンドを終わらせてしまった「空洞です」の、あの多幸感の続きであると同時に、70年代のSSWの傑作のような、そんな「心地よい収まりの良さ」みたいな佇まいも同時に持ってる。
「空洞です」がもはや終わりのない宇宙をさまよってるのに対して、「幻とのつきあい方」は、例えばトッド・ラングレンの「Something/Anything」やトニー・コジネクの「Bad Girl Songs」の様な、どっしり構えた安定感と、何より一つずつ音を重ねて馥郁たる音楽をじっくり作って行くその作業過程の手触りみたいな物を感じるんだよね。正真正銘のグッドミュージック。これを坂本慎太郎という人が、1枚目として持ってきたという事実。ホント素敵だと思う。



そう言えば坂本さん、このアルバム発売に寄せて「音楽は役に立たない。役に立たないから音楽は素晴らしい。役に立たないものが存在できない世界は恐ろしい。」という言葉を残しているけど、そのスタンスが如実に出た、本当に豊潤で幸せなアルバムだと思う。最高です。みんな聴いてください。






このビデオ、坂本さん自信が全てディレクションしたんだって。これまた素晴らしい仕事。