ジャンルにとらわれることなく

よく「ジャンルにとらわれることのない音楽」とか言うよね。だけど大抵そういう音楽はジャズを演奏出来ない訳じゃないか。その時点でジャズが不可侵なアジールになっちゃって、「ジャズ以外」っていう縛りが出来てしまう訳だよね。そしたらジャンルにとらわれる事になってしまうと思うんだ。
ジャンルって結構蔑ろにされる事が多い概念だけど、情報を正確に伝えるツールだと思うし、そして実は大いに創作活動に役立つ物だと思うんだよな。創作というのはとどのつまり、蓄積の整理の事。蓄積をそのまま使うのか、壊して再構築するのか、それを選択していく作業。そこで必要なのがそれをカチッとはめ込む為のフレーム。そのフレームの一つがジャンルなのだと思います。

という事を、ディアフーフやアニマル・コレクティヴを聴いてるとよく思います。ジャンルミュージックとは程遠い彼らの、混沌としているけど理路整然として、何よりポップミュージックとしての体裁を崩さない音を聴いているとそう思うんです。