横道世之介

http://www.hkiff.org.hk/eng/film/detail/37152-a-story-of-yonosuke.html
今日は↑この香港の映画祭で、「横道世之介」観てきました。結論から言います。人生ベスト10級に好きな映画になりました。だけど、「歴史的名作!」とか「人生ベスト級!」とか大騒ぎするテンションにならないんだよね。味わい深くて、愛おしくて、ただただ抱きしめたくなる映画。例えるなら毎日朝に飲んでる番茶みたいな映画だと思う。人生ベストに美味しい物じゃないけど、人生に不可欠なものであるとか、そんな感じ。もう160分間ずっと幸福な空間が広がっていて、それは何故だろうって考えたら、実はすごくテクニカルな部分で優れているんだけど(提示された情報が一つも無駄にならずに結論へと収斂していく脚本の見事さだとか、笑わせるためのタイミングや構図とか)、それがいやらしさにならなくて、心の底から笑えるし、心の底から泣けるんです。
以前どこかで読んだレビューで好きなレビューがあって、それは「まぼろしの市街戦」に対して「この世には2種類の人間しかいない。この映画を知らない人間と、この映画を好きな人間だ。」というものなんだけど、なんだかこの映画に関してはまさにそんな感じ。是非とも多くの人に観て欲しい、そんな本当にステキな映画でした。日本では掛かってる映画館も少なくなってきてるみたいだし、ダッシュで劇場へ向かいましょう。


そうそう、それで今回は香港人で埋まった会場で観たわけだけど、これがまあ驚くほどドッカンドッカン受けてたんですよ。映画祭の独特の雰囲気、何でも肯定的に観てくれる雰囲気を差し引いても、あれは見事に観客に「ハマった」と思います。多分この映画はどの国へ持って行っても受けると思うよ。本当にステキな、日本の映画です。繰り返しますが、皆さんも是非。