バウスシアター、閉館

ショックすぎる。本当に俺これ、ここ1年で一番悲しい出来事かもしれない。俺の人生における映画館体験の1/3はここだと思うんだよ。回数的にね。それほどまでに重要な映画館なのに。
かかる映画の選択も、会員はいつでも全て1000円という素晴らしすぎる価格設定も、それぞれ個性がある3つのスクリーンも、本当に好きだった。映画館で踊るという経験は後にも先も、ここでしか経験したことがない。デートにも使った。ふられたけど。3.11が起きた後、映画をまるで観る気も起きなかった中で、それじゃいかんと真っ先に向かったのはバウス2でかかってた「ゴダール・ソシアリスム」だった。人生ベスト映画の一つである「8 1/2」を初めて観たのもバウスだった。
ジム・オルークのライヴを観た。毎回ジャームッシュの新作がかかるたびに、なんとなく観に行ってた(なのに今回行かなかった!!!こういうことだから閉めちゃうんだよな。すいません。)。普段は割とのんびりとした映画館なのに、爆音映画祭の時とエヴァの初日だけ人でごった返すお祭り感が好きだった。大林宣彦の「ハウス」の爆音上映の時の入り口のでっかい口のオブジェが面白かった。
数年前までバウスの下に入ってた黒人がやってるヒップホップ感満載の服屋の違和感が好きだった。その後に出来たカフェのカフェラテがすっごい不味かった。いや、今でも不味いんだけど。MCAの追悼を、爆音上映の「撮られっぱなし天国」のエンドロールで大写りになったMCAへの、あの日のバウスにいた観客みんなの歓声と拍手で出来てよかった。爆音映画祭ゆらゆら帝国の時に、入場待ちで初めてバウスの屋上へ行った時のあの非日常感が楽しかった。バウス2は映画が終わる数分前にスタッフの人が映写室に入っていくので、その音でこの映画がもうすぐ終わるっていう軽いネタバレに毎回なるのがうぜーなと思ってたけど、つまんない映画の時は逆にアレが福音みたいになってた。
ああ!!!とにかく好きな映画館だったんだ!!!
とても悲しいし、心にポッカリと穴が空いているけど、とりあえず出来る限りはバウスへ通うことにします。ああ。悲しいよ。