戻って参りました

新幹線が好きだ。あと高速バスも大好きだ。あの窮屈な感じと何とも言えない匂いが好きだ。大抵新幹線やバスに乗っている時は、寝ているか、もしくは外を眺めている。僕の実家へ向かう電車は山奥から海へと猛進する電車なのだけど、山から平野へ至る風景の移ろいをじっくり堪能できるから好きだ。「風光明媚」なんて言葉が頭を過ぎる。根本にこびり付いたしぶとく残っている薄汚れた雪の塊と、まだ少しだけ花が残った桜のコントラストなんて本当に美しい。そして何といっても川の美しさだ。山から海へと変遷する水の豪壮さも、繊細さも見えてくる。以前名古屋から中津川に向かう中央本線でも感じた事だけど、川沿いを走る電車は本当に魅力的。
あとは生活圏や職業や年齢に関係なく、色んな人が集まる場所であるのも魅力だ。今日一つ席を挟んで座っていたのは、20代後半から30台半ばと思わしき女性だった。短めのレースがアクセントのスカート。黒のノースリーブ。タイトなデニムのジャケット。トイレに立つ度に僕の目の前には彼女のキレイな2本の足が横切るから、僕は平静を装うために流行通信を読み耽り、たまにタバコをふかした。
カバンの中に入っていた週間プレイボーイ、エルゴラッソ流行通信の中から流行通信を選んだのは、もちろん見栄からだった。the killsのメンバーがモデルになったA.P.Cの広告とか、フォトジェニックなCOCOROSIEのインタビューページとか、ギィ・ブルダンが手がけたシャルル・ジョルダンのコマーシャルフォトとか、そのお姉さんにふと見られても虚勢を張れる様に。本当はプレイボーイの青木りんの袋とじが見たかったんだけど。(ただ、ギィ・ブルダンは素直に面白かったが)
彼女はなぜか携帯を二つ持っていた。僕の貧弱で軽薄な経験から言って、携帯を二つ持っているセクシーな女性を見るとどうしても、夜に一番盛り上がるお仕事をされている人なのかな、などと都合のいいバカ男丸出しの想像をしてしまう。そんな事を栗山千明×デニムがコンセプトのフォトをペラペラめくりながら考えていると、彼女の携帯が鳴り響いた。
「だ〜からお〜ねがい〜 き〜み〜のそ〜ばに〜」
なんだっけ、HYの結構売れた曲だ。また微妙に古い曲だなあ、と思っていたら今度はMISIAが流れ出した。んーなんだっけな、タイトルは忘れたけど富田恵一が大きな仕事をやらかした「everything」で大御所歌手然とする前夜の曲。これも微妙に古い曲だ。何となく、数年前に今の仕事を始めた頃に設定した曲がそのままになっているのかなあ、などと考える。きっと仕事と割り切った携帯なら、その辺に対しての執着もないだろう。
そんな事を考えているうちに東京へ到着。そそくさと席の周りの忘れ物を確認して、カバンを掴んでドアの前に立つ。お姉さんもキャリーバッグを重そうに運びながらドアへ向かう。
その刹那、彼女は突然思い出し笑いをする。それが軽く鼻で笑うわけでなく、口の緩みを必死に隠さなければならないほどの笑い。
なんだか僕は、ドキドキして、同時にちょっと落ち込んだ。




・・・・・・・・・・・・とまあ、深夜である事と、流行通信の体言止めや固有名詞のオンパレードな文章を読み耽って完全にゲロゲロに酔った影響で、ちょっとスノッブな匂いの文章(しかも推敲なんで皆無の支離滅裂な文章)を書き連ねてしまいましたけど、俺はスノッブな人間か、そうでないかといったら、どう考えても後者なのでこっからはいつもの調子で行きますね。

とりあえず青木りん上手くやったな!これからは体のエロさは完璧だけど顔がちょっとアレな人材は、断固として見せちゃいけないところは見せないスタンスでファンを獲得して、その後で一挙大放出、の方向でいったらどうだ?
やっぱエロって「境遇」に大きく左右されるよな。だって青木りんが最初から全部開放してたらここまで話題にならなかっただろうし。エロビジネスの新たな商法の先駆者と言えるのではないかね。まあ、俺は中古で見つけたら買ってもいいかな、ってくらいだけど。スキャットマンジョンやシャンプーやSNOWやME&MYのCD並に大量放出されると見込んでいるんですが。

ところで、菅谷梨沙子は「春は始まりの季節。最高のスタートを切ります!」って言ってたけど、俺の場合「春は欲情の季節。最多のちょめちょめが×××」ってな感じになってます。春の芽吹きの季節って精神を病んだ人が発狂しやすい時期なんだってね。分かる気がします。
そういや菊地成孔は1日に5回射精するらしいけど、アレは本当ですか。