GUY BOURDINの写真展観てきました。

今日は凄いよ。めちゃくちゃアクティヴだよ。だって映画見た後恵比寿行ってギィ・ブルダン展@東京都写真美術館行ってきたんだよ。なんてアクティヴなんだ俺は。どうしたんだ俺。
まーこのギイ・ブルダンって方はマドンナがPVでこの人の映像作品をがっちょりパクったって事で知ったんですけど、この間買った流行通信で写真展やってる事を知りまして、物凄く気になったんで行ってみる事にしたんですよ。ま、行く前は「うっわ、俺ってばスノッブぅ!」とかちょっと自分に対して何故か冷笑的な感じになってた部分もあったんだけど(なんせツンデレだし)行ってみたらもうそんな事まったくどうでもよくなってしまった。本当にめちゃくちゃ面白かった。
何でもマグリットとかのシュールレアリスムの絵画に影響受けてるらしいんだけど、なるほど確かにそんな感じ。写真や絵画の知識はゼロに近いので素人意見なんだけど、シュールレアリスムの絵画とかでよく見るように一つの作品を2or4分割した時にそれぞれ独立した感じになるって言うのかな。左は白い壁、右では赤毛の女の裸体とかね。割とそういう感じで1枚の全体としての表現より、1枚の中の数個の要素のエッジがビキビキ立ってるというか。そういう構造の美しさがコマーシャル・フォトという分野で評価された理由なのかな、などとふと考えたりしましたよ。
あとそのコマーシャル・フォトって話をすると、この人CHARLES JOURDANの広告でその名を知らしめた人らしいんだけど、靴というアイテムをさっきの数個の要素のどの中に嵌め込むかって事で、作品全体の印象とか結論が決まってるって印象。何て言うのかな、1枚の中にホント色んな要素が詰まってるんだけど、その中で「ハイヒール」という明確なキーワードがあるので、そこを中心にして写真全体の解釈が出来るって言うのかな。逆算して捉える事が出来るとでも言うか。まーもちろんそれはこっちの解釈なんで、本人がどのように作品を構築して行ったかは知るべくもないんだけどね。
あとはこの人のフェチ丸出しっぷり、最高だわ。俺だったらきっとくびれのないウエストばっかり撮りまくると思いますけど、この人の場合は靴のコマーシャル・フォトって事もあってとにかく脚フェチなんですね。たしかシャルル・ジョルダンじゃなくてVOGUEに載った写真だったと思うけど、女がベッドで寝てる向こうにぎっしり鏡が敷き詰めてあって、その鏡が色んな角度からその女の脚を投影してる、って作品があったんだけどそのフェチっぷりには思わず笑っちゃった。そして同時にああーそれ分かる!みたいな一方的な連帯感も感じたりね。しかもその内の2〜3枚はスカートの奥をギリギリで映し出しそうになってんの。フェティシズムチラリズムか!「エロい」と感じる要素は少なくともこの30年くらいは変わりないようだね。素晴らしい事だ。
あ、あと例のマドンナがパクった映像作品も見ることが出来ました。PVを作る事があったらパクりたい要素いっぱいでした。って俺も同じ轍を踏むつもりか!ばかちん!
まーともかく本当に面白かったなー。写真集買おうかと思ったんだけど4000円もするんで断念して、ポスター買ってきました。ベリーズ工房のポスターの横に貼ったら左右の差異が面白いだろなあ、と思って。
んで今、目の前にその2枚が並んでるわけだけど、真っ赤な床にオレンジ1色の壁、そこに空いた穴から伸びる網タイツの脚2本と黒のハイヒール。その隣には笑顔の7人。そのギィ・ブルダンのちょっと死臭のする写真と並んでるのが、7人の壮絶な美少女の笑顔だから普通に考えれば当初思ってたような差異が生まれるはずだったんだけど、その7人の笑顔が向けられる先には、死臭ならぬヲタ臭満載のドロドロとした山のようなヲタ共が居るって現実と、両者に共通するコマーシャリズムという要素を考えると、実はそんなに差が無いんじゃないのかなあ、なーんて思ったり。
まあ俺は、ベリーズに「夏わかめ」って名曲があるんですけど、その曲のラストのギターがコントーションズみたいだ!なんて思ってる日本で恐らく唯一の男なんで、またいつもの拡大解釈&妄想か、って言われたら返す言葉も無いんですけどね。ていうか今日暑すぎ。この暑さのせい、って事にしといてよ。よろしく。