俺の肩はどれをとっても枕だぜ

昨日の事なんですけどね、席が埋まりきった山手線乗ってたんです。ダニエル・ジョンストンのバイオ本とか読みながら。そしたら、俺の隣に座ってるねーちゃんが物凄い勢いで爆睡してまして。何かもう俺の肩にぐわーっと圧し掛かって寝てる訳ですよ。で、さすがにおねーさんそれ寝すぎ、と思って俺もこう肩を微妙にずらしたり、電車の揺れに乗じて頭を向こうに押しやったりと、色々とやってみたんだけどま〜〜ったく起きる気配無し。仕方ないので新宿に到着する際の揺れを利用して「ねーちゃんごめん!」と頭の中で謝りながら思いっきり頭を押してみたんですよ。でも、さっぱり起きないんだ。
で、俺何かだんだん怖くなってきて「もしかしたらこのねーちゃん死んでんじゃないの?」とか本気で思い始めたんだよ。で、目標の渋谷駅までにどうにかしてこのねーちゃんの生存だけは確認しようと、あの手この手でねーちゃんの頭が乗ってる俺の肩を動かしてみたんだ。
とりあえずもう一度押してみる。やっぱ起きない。じゃあ今度は引いてみる。いやいや、それだと左に俺が倒れそうになるし、起きる気配もない。じゃあ、ちょっと肩をぷるぷる震わせてみる。いや、これ俺ただの気持ち悪い人だ。じゃあ思いっきり肩をぐるんと回してねーちゃんの頭をいなしてみる。いやいや、そしたら今度はねーちゃんの頭が俺の脇を経由して胸元に落ちそうになるじゃねーか!!あぶねぇぇぇぇ!!
んなわけで渋谷駅ももうすぐなので、じゃあもう思い切って席を立っちゃうか。さすがにこれで起きなかったらねーちゃん死んでるんだわ。と思って立ったんですよ。そしたらそのねーちゃんばた〜んと、俺の空けた席に倒れそうになった次の瞬間、嘘みたいなスピードでその体をまた戻したんだよ。もう修飾語としては「機械的な」ってのがピッタリな動き。
そしてやっとその目を開けて一言
「十条?」
だって。十条・・・・じゃないねえ・・・・ここ渋谷だね・・・・・。ていうか埼京線じゃないよねえ・・・・。ていうかどこから寝てたんだ・・・・・?ていうか今の本当に「十条」って言ったのか?もしかして「ジョジョ」じゃね?いや、ジョジョじゃ更に意味わかんねえ・・・・・。じゃあもしかして「10乗」?うん、天文学的な数字だねえ・・・・。でもあなたのさっきの動き「天文学的」って表現も悪くないねえ・・・・・。

ちなみに、そのねーちゃん寺島しのぶに似てました。うん、それだけ。