インランド・エンパイアを観たよ

リンチ先生本領発揮しすぎwwwそしてすげー楽しかった!
これはもー3時間ずっとデヴィッド・リンチワールド全開な作品だね。ハリウッドを舞台に描いたという意味ではマルホランド・ドライブと共通項があるのかも知れないけど、マルホランド・ドライブが複雑な構造をしてながらもある程度の謎解きや深読みが出来る作品だったのに比べて、今回のはそれがほとんど意味を成さないんだと思う。
でも、この作品を無理やり解釈してみると「47」という未完成のポーランド映画の主演女優(カロリーナ・グルシュツカって人らしい。かわいかったな)と、それをリメイクしたハリウッド版の作品(タイトル失念w)の主演女優のローラ・ダーンが重なり合う話なんだよな。多分。んで、ものすごく簡単に言ってしまうと「ハリウッド版で未完作品『47』のリメイクが完成した事で、ポーランドの女優の霊が成仏した」って事なんじゃないんかな。
裕木奈江の前で血をどばーっと吐いてバッタリ倒れるシーンを撮り終えてクランクアップした後に、朦朧としたローラ・ダーンが47って扉を発見して、そっから混沌とした世界に飛び込む中で、ローラ・ダーンとずっと涙を流してた女(おそらく47の主演女優)がキスをし、今までローラ・ダーンが一緒に過ごす姿が描かれてた「ちょっと田舎な家に住むもうひとつの家族」の元に満面の笑みで戻る。キスのシーンでそれぞれの立場が入れ替わり、それぞれのいるべき場所に戻っていった、って事じゃないないのかな。っていう。
でもあくまでそれは一つの解釈だけどね。ていうかリンチの映画っていろいろあるけど結論は物凄く簡単なんだよな。マルホランド・ドライブなら「ハリウッドに憧れる女の理想と現実」イレイザーヘッドなら「頭から消しゴム作る人」っていう恐ろしくシンプルな主題を、リンチの持ってるセンスをどっかんどっかん爆発させるための土台としてるだけなんだよね。この作品もそう。言いたい事は多分すごくシンプルなんだと思う。で、そのテーマらしきものの上で、カットアップされた映像の連打や、過剰な照明、そしてぐお〜〜〜っていうノイズとそれをぶち破るベックやらニーナ・シモンといったデヴィッド・リンチの作家性を爆発させてるだけなんだよね。そんなやりたいことをやりまくった結果3時間になった、って事なんだと思う。で、それが最高だからタチが悪いんだよなwwあとリンチ先生おっぱい好き過ぎるだろwww俺も好き好きwwww
しかし最後のニーナ・シモンカタルシスといったら。リンチ先生は結局、極論すると、こういうカタルシス丸出しのミュージックビデオが撮りたいんじゃないのかね。それとここで描かれる3時間に渡っていろいろと乗り越えてきたローラ・ダーンの安心しきった笑顔がすごく印象的。????が続く作品にあって、最後の最後に無理やり「あーハッピーエンドだった!!」とか思わせてしまうリンチ先生には感服ですよ。
という訳でもう一回観たくなってきたwww今度は一人で初回に増してニヤニヤ気持ち悪い笑顔を浮かべながら観ちゃいそうだぜ。うひょ。