【プレビュー】第22節 清水戦＠スワン

さーついに今年最も過酷な日程の始まりです。今日から1週間で3試合。中2日×2。まあ、移動が、新潟→甲府→新潟、と比較的楽なのが救いだけどね。あとホーム2試合だし。そしてここをどんな成績で乗り越えられるかが、今年の最終順位を占う上で、ある程度の指標になるんじゃないかと思う。あの磐石だったガンバの現状を見れば、どこか冷笑的に構えてた「優勝争い」という題目もここでの勝ち点の上積みで現実味を増してくるし（だってあれだけ離れてたガンバとの勝ち点差、明日勝ち点3を積み上げたらたったの4だよ？）、逆に下からジワジワと追い上げてきた中位〜上位グループに飲み込まれる可能性だって大いにある。そんな非常にスリリングな状況で、まずはその中位〜上位グループの一つ、清水エスパルスを迎えることとなりました。
今の清水は、一言で言えば絶賛攻撃陣爆発中。守備に関しては脆弱な部分が目立つけど、そこを補って余りある攻撃陣の好調さがあるといえるだろうね。特にフェルナンジーニョの好調さは特筆もの。これまでアクセントとしてしっかり機能すると同時に、時にブレーキにもなっていた彼だけど、ここ数試合は清水の攻撃のダイナミズムを増幅させるブースターとして、ほぼ完璧に機能しているといって良いだろうね。特にチョ・ジェジン、矢島の2トップとの関係が凄く良好。ジェジンも矢島も、サイドに流れて起点になるのが非常に上手い選手だけど、彼らがそこで起点を作ったときにフェルナンジーニョがするすると美味しい位置に入り込んでくる、という関係性は見事だ。
なので、新潟としてはまずこの前線3人に対してのケアを徹底しなければならないだろうね。今回は千代反田が出場停止なので、千葉と永田のCBコンビ、ボランチが勲とシルビーニョになりそうだけど、CBとボランチのセンターラインでまずは2トップに起点を作らせないようにマークを厳しく行くこと、そしてバイタルを蹂躙しまくるフェルナンジーニョを（これは恐らく勲の大きな仕事になるだろうけど）絶対に離さない事。川崎戦で神出鬼没のマギヌンを封印した時のような、読みとポジショニング、そしてDFとの連携をここで見せて欲しい。
それと清水の構成を見ると、中盤がダイアモンド型の4-4-2が基本形なのだけど、実際はセンターの伊東と左右の兵藤と藤本が3ボランチ気味になる時間も多い。前節の川崎戦の立ち上がりで清水が完全に川崎に圧倒されたのは、このボランチの位置が曖昧になっていたのが最大の原因だったと思う。伊東の1ボランチの構造上の問題とも言えると思うのだけど、バイタルでCBとボランチの間にスペースがぽんぽん生まれて、そこをジュニーニョとチョン・テセに突かれまくっていた。ただ、その後兵藤と藤本がしっかりそのセンターをケアするポジショニングに修正した事で、川崎の攻撃は停滞し、そこから清水の前線へのボール配給が円滑になり、結果的に完勝となった。
そこで、新潟としてはサイドで起点を作ってその組織を拡張させたい所。川崎がその清水の構成を切り崩せなかった最大の原因は、重厚なサイドアタックが仕掛けられなかったところにあると思う。川崎のサイドアタックがウイングバックの個人的な突破に頼っていたので、清水の両サイドバックがそこを封じ込めればOKという状況だったため、、清水のセンターは混沌とする事無く試合が進んでいった。そうならないために、右のうっちー＆マルシオ・リシャルデスだけでなく、ここ数試合で鋭さを増しつつある松尾＆坂本の左も、積極的に押し上げていくべきだろうね。
恐らく、この試合でキーになるのは新潟の左サイドの攻撃の質だと思う。というのも清水の右サイドの絶対的な存在である市川が出場停止だから。清水の攻撃の30％くらいは彼のクロスといっても良いくらい、彼のオーバーラップは清水の攻撃の核だ。そこがこの試合はいない。そこの代替として、守備なら計算できる岩下と、未知数だけどとりあえずスタミナとスピードは間違いない戸田の2つの選択肢がある中で、どうやら岩下が選ばれそうな感じだけど、そこを狡猾に突いて行くべきだろうね。これまで殆ど知見のないDFラインの構成である清水はきっとその右サイドに注意を払い続ける事になるはず。そういう状況で生まれるであろう綻びを新潟の攻撃陣が突く事ができるか。
それと清水のDFラインは縦への性急なボールに脆弱な部分を見せることが結構ある。川崎戦ならジュニーニョ、大分戦なら高松に、びっくりするくらい簡単にボールが通ってしまうシーンが散見した。なのである程度曖昧でもいいので、エジと貴章の2トップにバシバシボールを通してみるのも良いと思う。もちろん、その後のセカンドボールへの意識を尖らせてね。

この試合を仮に落とす事になれば、得失点差でずっと守ってきた4位以上から陥落する事になる。ただし、勝てれば前述の通り2位のガンバに勝ち点差4と肉薄する事になる。そんな震えるようなスリリングな状況で迎える、好調同士の対決。そしてこれから始まる地獄の3連戦をどんな形で乗り切れるか、って点においても非常に重要な試合だ。だから絶対勝ち点3手に入れて鹿島とガンバ追いかけるぞおらぁぁっぁぁぁぁ！！！！浦和もちょっと時間かかるけど待ってろよおらぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁっぁっぁぁ！！！！！！！！