男の命

今日ある下町の鄙びたドトールで、アイスコーヒーとか飲みながらエルゴラを黙々と読み耽るという優雅な(もう少し詳しく言うと、怠惰な)時間を過ごしてた時の事。そこは本当に下町の店なので、ビジネス街にあるドトールで散見する齷齪したサラリーマンなんかとは全く客層が違って、余生を過ごしてる感じのおっさんだとか、おばさんだとかがとても多いんだ。
で、俺の隣に座ってたのもそんなおっさん二人組みだったんだけど、話題は今年のジャイアンツがイマイチな理由だとか、家の近所で工事をしてるだとか、そんな他愛の無い話ばかり。これぞ下町のおっさんの会話だよなぁ〜なんて思いながらぼーっと聞き耳を立ててたんだけど、何気なくそのおっさんの腕を見た瞬間、目が釘付けに。
「男の命」
明らかにマジックペンで書かれたその文字。左腕の肘から手首にかけて堂々と力強く書かれた「男の命」何故このおっさんは自分の左腕に「男の命」と書いたのか。いや、書いた内容云々の前に、何で自分の左手にマジックで文字を書くことになったのか。マニック・ストリート・プリーチャーズの失踪した人が「4REAL」ってナイフで自分の腕に刻んだのとかと同じ発想か?などと、考えれば考えるほど意味が分からない。
ただ、一つだけ言えるのは、「男の命」ほどそのおっさんの左腕に書かれるに相応しい言葉はない、って事だ。なんだか本末転倒だけど、それほどまでにこの「男の命」には説得力があった。「男の命」はそこにあるべくしてある文字だった。そして、俺も「男の命」と左手に書いても違和感のない深みを湛えた男になりたいと思ったよ。
貴方は自分の左手に何て書きますか?
俺?俺はねぇ・・・・・・「カモノハシ」かな・・・。だってかわいいじゃん、カモノハシ。こんなオチじゃダメ?じゃあ「レディオヘッド」とかは?そこまで大好きって訳じゃないのにあえて、っていう。・・・・ダメだよな。じゃあ「絶縁体」とかは?ほら、他人との関わり合いに障害を抱えてるっていう暗喩みたいで素敵じゃない。うん、ダメだな。
じゃあ「おpp」、ってこのオチもう卒業しろよ!じゃああれだ、「平野レミ」とかでいいか。平野レミにサイン貰おうとしたけど書いてもらう物が無くて腕に書いてもらった風。これでレミパンを右手に持ってれば完全に平野レミファンじゃん。いいじゃない!これでトライセラトップスとか聴いてれば完全に平野レミファンだぞ!いいじゃないか!何がいいんだ!!もうよくわかんねえ!!
「白魚」「右手」「相撲ファン」「MUGO・ん・・・汁っぽい」「ケンプファー」「馬頭琴」「KKベストセラーズ」「クバルメ」「かぼす」「カボス」「カ☆ボス」「カボス®」「ヵボス」「石野真子」「いしの☆まこ」
俺まだ酔っ払ってるんかな、これ。