【レビュー】第29節 川崎戦＠等々力

川崎フロンターレ 4-3 アルビレックス新潟
あーのど痛てえ。ただでさえ風邪気味だったのに叫びすぎて喉がヤバイ。しかも試合前後で浴びるように酒を飲んだので輪をかけてヤバイ。中村あゆみみたいになってる。まあ俺は翼折れてないけど。しかしそれにしても、この試合は悔しかった。今年の中でもトップクラスの悔しさだ。この試合は最低でも勝ち点1は獲るべき試合だった。勝ち点ゼロじゃ全くダメな試合だった。
この試合でまず最初に注目だったのは川崎が3バックで来るか4バックで来るか、って所だったのだけど、スタートは森がサイドバックとウイングバックの間くらいを上下して、左の伊藤がサイドに流れたり中に絞ったりという変則的な4バック。いや、変則的な3バック？いやどっちでもいいけど、なんとも不思議な守備ラインだった。
で、それに対する新潟の攻撃は右サイドのマルシオ・内田コンビが早速その真価を発揮。伊藤の位置取りを巧みに操って、右サイドで起点を作り出す。久々のこのユニットだったけど、さすがの関係性を見せてくれた。特にこの試合で凄まじい光を放っていたマルシオのプレーは圧巻。ここで川崎を混沌とさせたのが、前半の新潟のリズムを作り出していた。
対する川崎の攻撃は予想通りの裏を狙う形の連発。ただ、そこはセンターバック2枚がしっかりマークに付き、相手のサイドアタックも（川崎が慣れ親しんだ3-5-2じゃなかったのもあるのだろうけど）、殆ど効果的な形を作らせなかった。
ただ、一つだけ問題だったのは中盤のフィルタリングの緩さ。特にシルビーニョと勲が中盤から上がってくる選手を見落とすシーンが散見し、セカンドボールの奪取もあまりできなかった。で、結局川崎の先制点はカウンターで、川崎のトップの後ろから中村憲剛が入ってきたのを掴まえきれなかった事から。このシーンだけ観れば「カウンターで2列目以降の選手を掴めきれないのは仕方ない部分もあるじゃないか。だってしょうがないじゃないか。こんとじょのいこ。ピン子引退しろ」って思うかもしれないけど、試合を通してここのケアが緩かったのが、結局分かり易く体現されてしまった。
ただ、その後この試合を通して活き活きしていた右サイドから同点に追いつく事が出来た。マルシオと内田が右サイドで上手く起点を作る中で、相手の守備の綻びを見逃さずにシルから素晴らしいパス→うっちークロス→エジどーん！！ビューティフル！
そのゴールが生まれてからはマルシオがスタートポジションの右サイドから、川崎の守備陣を巧みに交わすようにセンター、左へと位置を自在に変えることで、川崎の守備陣を混乱させ、その結果相手にファールが増え始める。そしてそのセットプレーもマルシオが本当に嫌らしい危険なボールを蹴り込みまくる。セットプレーの質は、仮にゴールが生まれなくてもゲームの流れを引き寄せる力があると思うのだけど、この試合の前半はまさにその通りだった。
ただ、ただ、た！！だ！！！！そこであの最悪のミスが生まれてしまう。一番慎重にプレーしなくちゃいけない場面で、恐ろしく単純なヘディングのミス。この試合でうっちーは新潟のサイドに活力を与えてくれたし、守備でも相手にサイドの主導権を与える事無くいいプレーだったと思う。ただし、あのミスだけは最悪。猛省を促したい。
で、その後の3失点目が本当に致命的だった。アクシデンタルな失点に浮き足立って集中を切らすという最悪な形で失点。この2つのブサイクな失点が、結局この試合を決定付けてしまった。前半の内容を見れば1-1で折り返すべきだったし、1-2で折り返していてもおかしくなかった。本当に痛かった。
そして後半。前半の新潟のいいリズムをそのまま持ち込んで果敢に攻め立てる。特にマルシオと坂本が奪ってからの速攻の起点となり、川崎の守備陣に呼吸をさせない。その結果再び川崎にファールが増え、川崎のラインはどんどん下がる事になった。
で、その流れの中でセットプレーで残っていた千代の豪壮なヘッド、そして前半から布石を打ちまくっていたマルシオの嫌らしいセットプレーがついに結実して追いつく事に成功した。自らが原因で生み出してしまったブサイクな2失点を、自らの力で取り返した。これは間違いなく素晴らしい事だったと思う。
ただ、だからこそ、この試合は、その70分までの攻勢の流れで勝ち越しを狙うか、もしくはそれが自分達の運動量との関係で無理だと判断したら、勝ち点1を獲りにいくべきだった。まあ、川崎が井川を投入して、途中からいつもの3-5-2に戻してからサイドで選手が余ってしまって、そのケアに行くために対処した結果、全体の運動量を奪われて混沌としてしまったのを観れば、勝ち点1をまず確保する戦い方でも良かったはずだ。それなのに、試合を通して曖昧だった2列目以降の選手のケアを怠り、どかーんとあいたスペースで中村憲剛にミドルをあっけなく打たせて終戦。明らかに危険だったその位置のケアという修正が出来なかったツケが、最後に最悪の形で襲ってきた感じ。もう、何ていうか、俺は病的なオプティミストだから、失点後もヤケクソ気味にチャント叫ぶか、うわぁぁぁっぁぁって沈黙するタイプなんだけど、あの失点を見た瞬間は軽く発狂してしまいした。周りの人すいませんでした。
でも、この試合はよく戦ったのは間違いない。このチームの甘さが顔を出したけど、このチームの自力ははっきり見せた試合だった。自分たちのミスを90分のうちで自分達で取り返すのってそう簡単なことじゃないしね。まあ、だからこそ、勝ち点獲れよっていう話なんだけど、まあ、とりあえず次だ次。
あと5試合。下から複数のチームが追いかけてきてる。でも、上ともそんなに離れてるわけじゃない。だからもう、後は今日のような新潟らしいプレーを、慎重に、大胆にやっていけばいい。最後までもっともっと上を目指し続けよう。必死に上に喰らい付いていけば、気付いたらきっといい位置にいるはずだし。
あー喉いてえええええええええ