Night on the Planet


武蔵野市制60周年って事で色んな所でイルミネーションの演出してるみたい。今日もいつものようにふらふらと夜の街をうろついてたら、こんなギラギラしたイルミネーションが飛び込んで来たんでびっくりしちゃったよ。
で、これを観て「うわーすげー」って思った直後に「で、これ何の意味があるんだろう」とか思っちゃうこのシニシズムを矯正できれば、俺はもう少しハッピーになれるんだろうか。
土曜の夜は人が本当に多くて、いつものルートが歩けないから、ちょっとイライラしてる俺の余裕のなさを矯正できれば、もっとハッピーになれるんだろうか。
レンタルビデオを返して、また何本か借りて、店を出た俺の目に飛び込んできた、一人の女の子。俺の好みど真ん中の女の子。人とぶつかりそうになって、弱弱しく謝る女の子。一人で誰かを待ってるのか、それとも暇を持て余してるのか、そのビルの地下のゲーセンを10秒くらいうろついてすぐ出てきちゃう女の子。そして人ごみに消えていった女の子。あの子の暇潰しに付き合える勇気があれば、俺はもっとハッピーになれるんだろうか。


そしてインドカレーを食べて帰る道すがら、外国人3人組の旅芸人がいたんだ。

世界中を旅して演奏活動をしてるんだって。クラリネットいいなぁ。俺も練習しようかな。ふと見ると随分と多くのギャラリーも集まって、中々の盛り上がり。いいね。音楽はいいね。楽器と歌だけでどうにでもなるもんね。でもそんな宴もこの人の登場でお開き。

警察官のおでまし。さすがだぜ国家権力。とりあえず400円置いて帰りました。400円あれば3人で隣の駅までいけるでしょ?
彼らはまたどこかに移動して、演奏するんだろう。俺が部屋で一人ワイン飲みながらギターの弦を張り替えてる間、彼らは誰かを楽しませてるんだろう。俺がベッドで頭を掻きながら惰眠を貪ってる間、さっき見た彼女は本でも読んでるんだろう。俺が夜の街を虚ろな目で歩いてる間、どこかの夫婦は子供の将来を憂いてるんだろう。俺がこんな思いを抱えてる時、最愛のあの人は何を考えているんだろう。
多分20キロもないこの距離を縮められるだけの気概と幸運を。お願い。