最近観た映画とりあえず整理!!

俺の持論に「エロは口に含んでナンボ」ってのがあるんですよ。エロって相手の何を口に含むのを許すかによって、その深さが変わってくると思うんだ。最初のフェイズはそれこそ相手が使ったストローとか、飲んだコップとかの所謂間接キスとか、一緒の鍋を囲んだり、焼肉を突っついたりとかに始まり、手の甲へのキス、唇へのキス、うなじへのキス、乳首へのキスと愛撫、そして性器への口での愛撫、って。
で、この映画で中心的に描かれるエロティシズムってその「口に何が入るか」の描写で表現されてると思うんだ。例えば樹木希林は旦那にウナギの肝を食べさせる事でその愛情を表現するし、同様に大谷直子はちぎりこんにゃくを、周子の妹はたらの子を、大切な人に食べさせようとする。そしてその「口に含む」っていうエロティシズムを描いてきたからこそ、大楠道代が桃を食べる象徴的なシーンの妖艶さが爆発するし、唇でも、乳首でも、ペニスでもなく原田芳雄 の「目」を舐めるって映像が本当にスケベに映るんだよな。その辺のエロの描き方が素晴らしく艶っぽくて本当にドキドキした。
原田芳雄の「女の肉を楽しみ続けてきた結果、女の骨を愛するようになった」に代表される極北のエロティシズムの羅列も強烈だし、錯綜する人間関係と移り変わる愛憎の混沌とした世界観も強烈だし、色彩感覚も凄まじいし、とにかく刺激の強い作品。144分と言う長尺の映画ながら、少しも退屈する事無く最後までどっぷり浸かってしまった。これは凄い。めちゃくちゃ面白かった。シュールレアリスムって自己満足であると同時に、それを享受する人間の感性を攻め込まなくちゃ話にならないと思うんだけど、そういう意味ではこの作品は完璧だと思う。
あと麿赤児演ずる門付けがもぐら叩きの如く頭をポヨーン!バイ〜ン!って殴るシーンは腹抱えて爆笑したwwwなんじゃあれwww

  • 「殺しの烙印」鈴木清順 @レンタル 22/100

いやー変な映画だったww観始めて最初はクールでスタイリッシュな映画かと思ったんだけど、飯の炊ける匂いが好きって言う設定に軽くずっこけて、その後ご丁寧に宍戸錠が釜から出る湯気を嗅ぐシーンが挿入された時点で「ああ、これは笑っていいんだ。なるほどww」ってなったもんな。
やっぱりよく言われることだけど、鈴木清順という人は基本的にエンターテインメント性をしっかり表現できる人なんだよな。いいね。

ヤギラ・ユーヤ!
これタランティーノがカンヌで主演男優賞の柳楽優弥の名前を読んだ瞬間のモノマネなんだけど、分かるかな?俺未だにこのモノマネだまにやってるくらい好きなモノマネなんだけど。まあ、それは置いておいて俺は柳楽優弥のファンなんですよ。で、ファンなのに彼の出演作で最も重要なコレ観てなかったんで、やっと観たんだ。
で、結論。柳楽優弥最高!!!エマニュエル・ベアールが「カンヌでは審査員の誰もがヤギラにひとめぼれして、心奪われた。女性として母として、彼を抱きしめたい」って言ってたらしいけど、その気持ち凄く良く分かる。
社会的な問題提起とか、どんなに残酷な母親でもその愛情から逃げられないと言うジレンマとか、周りの人間が「誰も知らない」と言うよりは「知らない事にしてた」って言う問題点とか、考えるべき・評価すべき色んな要素はあるけど、兎にも角にも柳楽優弥だよ。もう彼の表情を見てるだけで、この作品を語るには十分だ。
ヤギラ・ユーヤ!!!!

これ基礎知識としてエド・ウッドの作品を観てからじゃないと本当に楽しめないよね?エドウッドの作品を未見でも、一つの話としては良く出来てるから楽しめそうだけど、ベラ・ルゴシがタコの着ぐるみと水中で格闘するシーンを見て、笑い泣けるのはあの原作のダメダメっぷりを知ってないとダメだよなぁ。
それに「プラン9・フロム・アウター・スペース」はエド・ウッドオーソン・ウェルズの「自分の夢を撮れ!」っていう助言に後押しされて作った彼の理想的な作品だった、って事で描かれるけど「で、その結果があれ?ww」ってツッコミが自分の中で成立しないと、このダメ監督への愛おしさってのが生まれてこない気がする。まあ俺は素直に楽しめたけどね。
あとベラ・ルゴシも、ヴァンパイラも、ロボ役のデカイ人もすげー似てたのにビックリ。特にロボの人凄いわ。本人かと思ったもんな、アレ。

奇跡の海」も「イディオッツ」も「ダンサー・イン・ザ・ダーク」も「ドッグヴィル」も本当に大好きなんだ。つまりどうやらこのラース・フォン・トリアーというドSの変態の映画は俺にとってジャストらしいのだけど、この「キングダム」はちっとも何が面白いのか分からなかった。
手持ちカメラの映像とか、全体的な雰囲気はいかにもトリアーらしくていい感じなんだけどね。第2章を観れば印象は変わるのかもしれないけど、2章はとりあえずいいや。それより未見の「マンダレイ」観なきゃ。

惜しいなあ。実に惜しい。前半部分のホラー的な展開と、春日部山を目指して逃避するあたりまでは素晴らしいと思うんだ。実は悪名高きムトウユージ作品を初めて見たんだけど、「なんだおもしろいじゃん!」なんて最初は思ったんだ。
でもラストにかけて、今回の悪の元凶が登場したあたりから、「なぜこんにゃくなのか」「なぜ人々を踊らせるのか」「悪の元凶とジャッキーの過去」っていう一連のネタが全く話として昇華されてない。多分、その辺のプロットが纏まらないまま、製作に入らなくちゃいけなかったんだろう。クレしんの劇場版って〆切キツイって聞くもんな。でもほぼ同じ条件で「ヘンダーランド」「ブタのヒヅメ」「大人帝国」「戦国大合戦」という傑作を生み出し続けた原恵一と、ムトウユージの差は大きいといわざるを得ないね。
なんでもこの次の「ケツだけ爆弾」もとても惜しい作品らしいんだけど、結局惜しいまま、次の作品では本郷みつるが復帰だってね。まあ、そっちの方がいいだろうな。

数人が集まって過去を振り返る、という導入部分(「タロットカード〜」「メリンダとメリンダ」あたりもそうだね)、エンターテインメント業界で奮闘する人間を描くというテーマ、そしてドタバタの逃亡劇、などなど、これぞウディ・アレンって感じの作品だね。最高!って大騒ぎする程じゃないけど、こういうウディ節全開の作品は例外なく好き。

江頭2:50様ご推薦ww
これいいよ!うん!すごくいい!途中のロードムービー的な展開は若干薄い気もするけど、スピードがガンガン上がってくハイライトシーンの盛り上がりは素晴らしい。俺今回実家に帰ったらもうすぐ定年のウチのオヤジにこれ薦めてあげよう。
しかしアンソニー・ホプキンス本当に上手い。俺が今更言うまでもないけどさ。なんせサー・アンソニー・ホプキンスだもんな。
あとこの映画のアンソニー・ホプキンスイビチャ・オシムに見えて仕方なかった。「危険が人生に味を付ける」って台詞が、オシムの「リスクを冒して攻める。その方がいい人生だとは思いませんか?」って言葉とリンクしちゃってなおさらね。