【レビュー】08年第5節 柏戦@日立台

柏レイソル 0-0 アルビレックス新潟
スタッツ


桜散り
耳毛の秘密も
風と散る
歌丸です。しかし「春眠暁を覚えず」って誰が最初に言い出したんだっけ。あれ天才だよな、考えたヤツ。全くその通りだもんな。昨日帰ってきてからすぐ書こうと思ったのに爆睡。で、今日やっと余裕ができて、さー書こうと思ったらまた爆睡。で、こんな時間。時間が経つと余計なことばっか書きたがる悪癖が出てきちゃうから、今後は早めに書くようにします・・・・・。冒頭の俳句、うまくね?などと自画自賛。不謹慎だっつーの



さて、柏戦。とりあえずやっと連敗を止める事が出来た。引き分けだったとは言え、流れを断ち切れた事は凄く大きい。とりあえず良かった。は〜〜〜。そして何より、まだまだ不完全とは言え、ようやく新潟らしい、新潟がやるべき守備の姿勢が戻り始めたのが、この試合での最大の収穫だろう。
この試合を見れば明らかなように、やっぱり今年の絶不調の最大の原因は守備のマズさである。中盤でのプレスが緩く、センターバックのアタックのポイントも低く、DFラインがズルズルと下がってしまう。その結果、07年アルビレックス新潟の躍進の要因である「高い位置でのアグレッシヴな守備と攻撃」が全く繰り出せなかった事が、ここまでの凄惨な成績に繋がってる。
外国人のフィット具合とか、補強策から見えるフロントの怠慢だとか、そういった事に今年の体たらくの原因を求めるのもその通りなんだけど、やっぱそういう話をする以前の根本的な問題を解決する事が最優先だったと思う。でもこの試合ではその修正が随分なされていたと言っていいだろうね。
開始早々、まず目に付いたのは中盤での積極的なプレス。そしてその結果積極的に高めに設定されるディフェンスライン。先日の鹿島戦で全く観られなかったこの姿勢を見て取る事が出来た。特にアトムと松尾の左サイドは非常に活発で、新潟の中盤のプレスの先陣を切る。今後もこのアトム⇔松尾というラインはしばらく継続していく事になりそうという予感を感じさせてくれるプレーだった。
前半の柏は、主にサイドに展開して太田や茂原を走らせ、そしてそこから2列目が飛び込んでくるという形を取ってきた。その結果時間帯によっては新潟の守備が押し込まれるシーンもあったのだけど、真ん中では守備陣が踏ん張り、柏の攻撃を凌いだ後は今までとは比べ物にならないくらいラインを押し上げる意識が見て取れた。それと、やっと千代らしいセンターにボールが収まるタイミングで一歩前へ入り込んでボール奪取するというシーンを何度か見る事が出来たのは嬉しかった。そうだよ、それだよ。
で、やっぱりこのゲームでまず最優先されるべきは先制点を取る、というよりは前半を失点ゼロで乗り切るということだったと思うのだけど、恐らく淳さんとしてもその意識が高かったのだろう。かなり高い位置を取ってきた石川を見てか、前半途中から貴章を右サイドハーフの位置に置く。そして2トップはダヴィとアレッサンドロ。たまーに淳さんはこういう奇策を唐突にやってくるけど、こういう慎重策としての奇策は殆ど今までなかったのもの。それだけ、これまでの悪い流れを断ち切る事に腐心してたって事なんだろう。
で、その貴章の守備の上手い事ww特にセンターバックの裏のフォローを貴章がやってたのには笑った。もはやリベロ矢野貴章。そういや昔リベロの武田君って漫画あったよね。この試合の貴章はマジであんな感じだな。
で、後半は頭からアレッサンドロ→松下で貴章とちょい下がり目のダヴィの2トップ。恐らく、現時点でのダヴィの使い方としてベストなのはこの位置なんだろう。アトムと松下の両翼が動きまくって試合を動かす中で、前線の基点としてアクセントをつけるという仕事をしっかりこなしていた。こういう役割なら彼のテクニックが生きてくる。この貴章、ダヴィ、松下、アトム、そしてテラの頑張りのおかげで(この試合のテラは出色!今年はサイドハーフでもボランチでもいい仕事。)前に何度も絡んできた木暮という構成は、恐らく練習でもほとんどやっていない形だけに、余りに縦に性急に行き過ぎて落ち着きなくボールロストする事も多かったのだけど、はまった時は非常に可能性のあるシーン見せてくれた。特にそれにサイドバックが絡んできた時は分厚い攻撃が出来ていたけど、この形は今後の一つのヒントになるはずだ。
で、この試合も河原が新潟のブースターとして機能することを証明してくれた。ダヴィに替わって入った河原は彼らしいボールの受け方と動き出しで、残り10分の新潟の攻勢の中心として機能。いいミドルもあったしね。やはり今年の攻撃のキーマンは彼だろう。これまで以上に、「流れを作れる」選手に成長した感じだ。だから目指すはスタメンとして「流れを牽引する」選手に昇格する事だね。がんばれ。
そして後半ロスタイムのアトムのミドル(しかし今年のアトムのミドルは重くてインパクトのあるキック蹴るなー!あれは間違いなく筋力トレーニングの賜物だろうね。あのミドルは今年の大きな武器だ)からの最後のコーナーキック。打開策を必死に模索して悩める守備のエースが、そしてこの試合では本当に頑張っていた守備のエースが、最後にヘッドを叩き込んでいたら、俺はそのサッカーの神様の粋な計らいにたぶん軽く涙していたと思うのだけど、そう甘くはなかったね。現実はなかなか厳しい。
この試合は千代反田充のリハビリとしては非常にいい試合だったと思う。ぶっちゃけてしまえば俺が考える「頑張ってくれないから今年この成績になっちゃってるんだよ」な選手の筆頭はアレッサンドロでもダヴィでもなく、千代なんだ。でもこの試合は彼にとって一つのきっかけになりうるはずだ。きっと千代としてもこの試合にかける所はあったのだろう。試合前のウォームアップでスタメン選手の中で最後までボールを蹴り、芝の感触を確かめていた彼の姿を見ていたら本当にそう思った。まだまだ改善点は多いけど、ようやく失点ゼロという結果を手に入れることが出来た。ここがスタートだ。頑張れ、千代。



これでやっとスタートラインというか、なんつーか「フラット」な位置に戻れた気がする。新潟のサッカーがあるべき姿を取り戻し始めた今こそ、次が重要だ。思い出し始めた新潟らしさを継続できるか、また混沌としてしまうかは、次節のガンバ戦@万博にかかってるだろう。だから、必ずここで勝利を手に入れよう。その為に最高の準備をしよう。こここそが、今年のスタートだ。