【レビュー】08年第10節 大分戦＠九石ドーム
この試合を分けたのは、ジリジリする展開の中でどっちに大きなミスが起きたか否か、って事だったと思う。
前半立ち上がり早々は、ある程度予想できた「引く大分と、ポゼッションする新潟」の構図。新潟がパス交換する中で、木暮が前線へ飛び出したり、うっちーが上がってサイドで基点を作ろうとする意図が見える攻撃を展開する。
ただ、やっぱり大分のセンターはがっちょり守っているので、ポゼッションはするのだけど決定的な勝負パスがなかなか出せない。恐らくこれは相手のカウンターに対しての警戒もあったと思うんだけど、この試合に関してはもっとこの勝負パスを繰り出すべきだったと思う。試合終了間際の攻撃でもそうだけど、今日の大分の守備は決してクロスに対しての対応がよかったわけじゃない。あれを見極められるか否かが、強豪チームになれるか否かの分岐点なんだろう。
で、いい流れで来ていた試合の流れを、根本と金崎が一変させる。プレッシャーの緩かった根元からの一発のパスに、この試合で初めて裏へと飛び出した金崎を捕まえきれずに失点。警戒していたはずの「縦への一発」を被弾してしまった。
そこからの流れは互いにポゼッションをしながら相手の出足を伺う展開。その中でアクセントになっていたのが金崎。彼が動き出す事で大分の攻撃は動きを見せるようになる。
恐らく、その対策なんだと思うんだけど、前半の途中から松下をセンターに入れて3ボランチ気味にしてその前にダヴィを置くという中盤の構成に変更。（テレビ中継でも「3ボランチ！」って声が飛んでたみたいだしね。）
こうやって守備に関して万全の体制を取ったはずの新潟だったのだけど、ここでミスが生まれてしまう。相手の攻撃を跳ね返してビルドアップに行きかけた所で、不用意なボールロスト→あっという間の縦への展開で松橋弟ゴール。非常にしんどい2点のビハインドを前半から背負う事になってしまった。
で、後半。なんと頭から木暮に変えて長谷部彩翔の登場。おお、淳さん英断だな。彩翔投入で色んな形が考えられたのだけど、デビュー戦はボランチとしてそのまんま木暮の位置に入る事に。
ただ、彼にとってはほろ苦いデビューになってしまったと言えるだろう。後半仕切りなおしたかった52分、中盤の低い位置で彩翔が危険なボールロストをすると、小林に持ち込まれてあれよあれよとこぼれ玉を押し込まれてしまう。3-0。これから！の姿勢で入っていったチームにとっては非常にキツイ1点だった。恐らく、彩翔にとっては忘れられないプレーになると思う。この経験を今後どうやって活かしていくか。ここからが重要なんだぜ。頑張れ、彩翔。
3-0になった後はどちらも決定打を出せないクローズな展開になる。そこで新潟が選んだカードはテラに変えて永田を投入して、千葉ちゃんと彩翔のボランチの構成に変えるというもの。これで、彩翔が前線へ絡んでいくシーンが増やすという意図もあったのだろう。この交代は最初こそ機能しなかったものの、明らかに落ちてきた大分の運動量もあって次第に新潟のポゼッションと攻撃のダイナミズムが生まれ始める。
するとようやくサイドを攻略してどフリーの松下がクロス→貴章ヘッドで一点返す。そうだよ、そのシンプリシティだよ。この試合ではあまりにもセンターへの選択が多すぎた。もっとじっくりとサイドを引き剥がすプレーをすべきだった。
で、その流れを見てセンターで悪戦苦闘してボールロストしまくってたダヴィに替えて、川又堅碁もデビュー。今日の淳さんは大盤振る舞いだなｗ
で、前線に貴章とケンゴを並べて、河原が近い位置で絡む形で残り時間で二点というキツいミッションに挑む事に。で、PA内には何度か侵入できたのだけど、最後で踏ん張れずに弾き返されてジエンド。貴章が高さで勝てるんだから、もっとシンプルに早くパワープレイに移行しても良かったと思うんだけど、その辺はこのチームの甘さだろうね。あとケンゴはまつげなげーな。関係ないけどｗ
まぁ今日は冒頭に記した通り、均衡する中で決定的なミスを犯してしまったチームがその罰を受けたっていう、変な話「正しく、至極真っ当な」試合だったと言えると思う。
重要なのはこの後。キツい連戦の最後のひとつ、三日後の清水戦をどう戦うかだ。疲労はきっとかなりのものだろうけど、もう一踏ん張りだ。絶対に、勝とうぜ。
こっからは余談。今日は久々のテレビ観戦だったんだけど、スカパーの地方局制作の方向ってどうなのよ。つーか今回の大分地方局のセットさ、大分ローカルならいいけど、スカパーという全国向けの有料放送であれはどうなのよ。とりあえず新潟のチャンスになるといきなり黙り込む実況は何なのあれｗｗｗ顎おじさんも大分の話しかしねーし。まぁいいけどさぁ、スカパーはもう少し配慮して欲しいよ。だってアウェイサポこそスカパー観るんだぜ？ちっとは頭使ってくれ。
あー大分行きたかった。
