【レビュー】08年第11節 清水戦@スワン

アルビレックス新潟 3-0 清水エスパルス
スタッツ
YES!!久々、って言うか今年初めてのファインゲーム。これこそ新潟がやるべき試合の一つのモデルケースだろうね。
この試合は千代のコメントからも読み取れるように、「前半は覚悟を決めて失点ゼロで抑える」って事をチームとして意思統一してたんだと思う。これは淳さんの言うように、最近イマイチ調子の出ない攻撃陣を鑑みると、まずはゼロで抑えようという意図が働いたんだと思うし、それに前節の反省もあったのだろう。
そして今日はその守備の意識を更に確固たるものにしてくれる先制点が、願ってもない形で早々に生まれたのも大きかった。松下のコメントを読むとああいったセットプレーの形は前日から用意していたようだけど、その準備してきた形が完璧に発揮されたのは、選手にも大きな勇気を与えただろう。素晴らしい松下のキックだった。
で、その先制点はチームの出足も後押しして、試合開始早々は貴章を筆頭とする前線からのプレスも活性化。そうそう、それだよ。これが新潟がやるべきサッカーなのだ。特に今日は2トップに連動して、松下・アトムの両サイドハーフが積極的に守備に参加していたのが大きかった。その前線の選手が全体で行うプレスが、相手の構成に対してピンポイントで掛かるので、清水の攻撃が停滞しまくる。
で、そのプレスの嵐が終息し始めた前半半ば過ぎ、今度はある程度覚悟を決めてラインを下げて一発のカウンターを狙う形に移行し始める。こうなるとフェルナンジーニョの飛び出しという武器がまず消えて、彼が中盤に下がってパスを捌くシーンが増える。しかも今日は千葉ちゃんが彼をガッチリマーク。そうなると清水の攻撃は決定打を出せなくなる。それに新潟のセンターバック=久々のW充も相手の2トップを完璧に潰しまくって清水にチャンスを作らせない。
で、その覚悟のディフェンスで前半をゼロで抑えるというミッションを完遂。今年の新潟はこういう意図を持った守備が出来るチームになりつつあるようだ。


そして後半。今度は前半終盤のディフェンスとは打って変わって、再び前線からの積極的守備の復活。そうするとまたしても松下とアトムの両サイドハーフが躍動し始める。特に守備面でのアトムの働きは出色で、松尾の前で確実にフィルターになり清水の左サイドをボール奪取のスウィートスポットにする。そしてそこからの縦への速い展開の中心の一人として機能。やっぱり新潟のサイドハーフはここの守備が出来ないとダメなんだよな。
そして完全に後半のペースを握った新潟の流れをそのまま汲むように、交代で清水が流れを変えようとした矢先、再び松下のFKからアレの頭を経由して2-0。またしても素晴らしいボール。あの距離であの位置にあのスピードで飛んでくるプレースキックはなかなか出来ないぜ。絶好調だなワンちゃん。てか、今年新潟が上げた10得点のうち、ワンちゃんのアシスト4つだもんなぁ。素晴らしい。
で、次第に運動量が落ち、交代策もイマイチ機能しない清水を尻目に、アトムに替えてマルシオ投入でトドメを刺しにかかる新潟ベンチ。このタイミングでの交代は実に効果的で、相変わらず厳しい新潟のチェックに悪戦苦闘してバタバタする清水の守備陣をマルシオが蹂躙しまくる。
で、絶好調ワンちゃんからの完璧なスルーパスを受けたマルシオがDFを交わしてこぼれたボールを「はい、どーも〜!」と難なくプッシュしてアレッサンドロ二点目。3-0。勝負あり。
とまあ、先制→前半はガッチリ守備→相手が前掛かりになったタイミングで追加点→相手が疲弊したらジョーカー投入でトドメ、と流れを見ても完璧な試合の進め方だったと思う。それに勲の試運転もバッチリできたしね。お帰り。待ってたよ。しかし素晴らしいタイミングで戻ってきたなw
で、去年もそうなんだけど新潟のファインゲームって、永田&千代のCBと千葉ちゃんのボランチのトライアングルが守備で完璧に機能した試合なんだよな。やっとこの試合で去年の新潟のベースが戻って来た気がする。いや、単純な数字で見たら今の所は去年より優秀って言えるかもしれない。というのも、去年シーズンを通して完封が8試合だったのに比べ、今年は11試合を終えて完封が5試合。まぁ去年は失点しても得点が取れるという安心感があったのもあったのだろうし、今年は守らないと負ける!って危機感もあるんだろうけどw、何にせよこの数字は素晴らしいと思う。失点ゼロで乗り越えるのは並大抵の事じゃないし、少なくとも偶然では到底できない事。
だから今はまず、今日見せたような積極的な守備と、高い位置で奪ってからの早い攻撃、という新潟の攻めの基本中の基本の精度を上げることに腐心して欲しいと思う。この試合が大きなヒントになったはずだし。その基本がブレない時の新潟は強いのだ。


さー、そうなるとこの勢いのまま磐田を叩くしかないだろ!!何だかおとといは恨めしかった「中三日」という日程が急に愛おしくなってきたぞwとりあえずこの流れを途切れさせる事なく、磐田から勝利をもぎ取ろう。しかもホームだしね。
ここからの反撃を、軽いジャブで済ませるなんてダメだ。狙うは特大のアッパーカットのみだぜ。勝つぞ!