EUROグループリーグを振り返る&トーナメント展望

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さて、やっぱユーロおもしれええ!!最初はユーロを全試合レビュっちゃおうかとも思ったんだけど、途中でめんどくなってやめちゃいましたw
でも今んところほぼ全ての試合を観てます。という訳でグループリーグをちょっと振り返ってみようかと思うんだけど、今回は「いいチーム」がことごとく予選リーグを突破してる印象だね。


グループAはポルトガルは前評判通りのクオリティだし、トルコは屈強なセンターバックを中心とした良く組織された守備と、ニハトやカズムといったスピード豊かなアタッカーを揃えた好チーム。
それに比べるとチェコはやっぱり中盤の構成力が落ちててシオンコの孤軍奮闘が目立つし、スイスはフレイが壊れたら全てが終わってしまった。それにマニャンやバルネッタといった06年W杯で中心となった選手たちがイマイチだったしね。


グループBはドイツはビックリするくらいメッツェルダーメルテザッカーセンターバックコンビが脆弱でマリオ・ゴメスも大ブレーキだけど、全体的にはやっぱり強豪らしいクオリティだし、チェルシーでいいシーズンを過ごしたバラックの存在感も素晴らしいし、クロアチアは後で言及するけど優勝候補に上げてもおかしくないくらいの好チーム。
それに比べてオーストリアはアタッカーの駒不足と実力不足は悲惨だし、ポーランドもサイドアタックをうまく使うという意識はいいんだけど怖さがないし。


グループCに関しては、唯一「いいチーム」が上がれなかった感じかな。まずオランダは文句なし。前線の選手の特長を最大限に活かすサッカーを淀みなく展開すればそりゃ攻撃爆発するわな。ここはもう一つの「いいチーム」はルーマニアだったと思うんだよな。タマシュの存在感は抜群だったし、ニクラエを真ん中にニコリツァとムトゥの両ワイドって形も良かった。でも、最後の嫌らしさを欠いてしまった感じだね。
イタリアは正直言って守備、中盤、そして前線が乖離してしまってる印象が拭えない。スペインとの対戦はすげー苦労するだろう。フランスはぶっちゃけ、今大会最低クラスだろう。3試合とも何がしたいのか分からなかった。


グループDはスペインの2トップという選択が完璧にはまった感じ。4-1-3-2というシステムはこれからのトレンドになるかもしれないね。それとロシア!!ここも後で言及するけど、すっげーいいチーム。スペイン戦の反省を残り2試合で完璧に消化した。やっぱヒディンクはすげーよ。
それに比べるとスウェーデンは武器の少なさがいかんともしがたかった。ズラタンは怪我で本調子じゃなかったし、ここ最近のスウェーデンサッカーらしい速攻も質が高いとは言いがたかった。ギリシャはまあ、こんなもんでしょう。今回は運がついて回らなかったな。



で、そんな中で特にいいチームだなあと思ったのはオランダ、クロアチア、そしてロシアの3チーム。
まずオランダはもう言うまでもないでしょう。散々語りつくされてるから今更俺が言うまでもないけど、とりあえず個人的に大好きなファン・ブロンクホルストがすげー頑張ってるのがいいね。あの走力は尋常じゃないよマジで。
続いてクロアチア。これが本当にまあいいチーム!!トルコ戦をいい形で乗り切れば勢いで優勝しちゃっても何の不思議もないと思う。まずチームとして恐ろしく組織が完成されてる。誰がここで走ったら、それに連動して誰がどうやって走るか、って事が本当にうまく整理されてるね。
選手個人の話をするとまず目立つのはトップのオリッチ。これがもうよく走る走る。彼が走ることでクロアチアの守備も攻撃も始まる、ってくらい素晴らしい活躍だと思う。そして彼が走るのをフォローする中盤のスルナ、クラニチャール、ラキティッチ。2トップなら隣にペトリッチ。この中盤の前の選手たちの連動性がとにかく素晴らしい。06年は散漫な印象しかなかったスルナやクラニチャールが、ビリッチ監督という素晴らしい指導者を得てイキイキしてる感じだ。
そしてその後ろを支えるニコ・コバチモドリッチ。この2枚の安定感こそがクロアチアの躍進の中心だといえるだろうね。ニコ・コバチの「気の利き」っぷりはもはや異常だし、モドリッチって今大会でスターになるだろうな。こいつ天才だよ。
それともう一つこのチームの核といえるのが両サイドバック。右のチョルルカ。左のプラニッチ。前述の通り、トップが走った時に連想する動きこそがクロアチアの最大の武器だけど、それにサイドバックが絡んでくるシーンがホントに多い。特に左のプラニッチには是非注目してもらいたい。アップダウンの運動量、上がるタイミング、ビルドアップのセンス、クロスの質。どれをとってもイイ。今のところロシアのジルコフ、スペインのカプテビラ、オランダのファン・ブロンクホルストに並んで今大会のベスト左サイドバックだと思う。
しかしビリッチって選手としても一流だったけど、監督としても相当だな。てかベンチが監督・ビリッチ、コーチ・プロシネツキってたまんないよなww


そしてロシア!!俺今大会の最大の推しチームにする事にしたわ。すっげーいいチームだよマジで。初戦でスペインに4-1で惨敗したけど、あのゲームでもロシアのいい所ってしっかり出てたんだよな。それは、アタッキングサードに入った時の攻撃の厚み。
今回のロシアの特徴はなんと言ってもここだと思う。基本は4-1-4-1か4-1-3-2のシステムなんだけど、1ボランチの前の5枚が攻撃に転じた時に一気に前線へとなだれ込む。それに加えてサイドバックが本当にうまく絡んでくるので、攻撃時にはあっという間にPA内に選手が揃うんだよな。あの勇気溢れる速攻時の動きは実に見事だと思う。しかもそれに加えて基本的に「1」のアンカーとして守備しまくるキャプテンのセマクが絡むことも結構あるってのがすげー。
選手に目を向けるとまず目立つのは、トップでボールを受けまくるパブリュチェンコ。正直今大会で俺が最も恋をしちゃった選手かもしれない。で、彼の特徴は色々あるんだけど物凄くシンプルかつ明確に言っちゃうと「ロシアの矢野貴章」なんだなww
まず、でかい。そしてすげー走る。攻撃的なMFを揃えてサイドバックを上げて中盤を厚くするロシアにあって、ほぼ一人で全てのボールを受けまくってる。で、潰されてファウルを良く貰う。それとこれまで2ゴール上げてるけど、チャンスを結構良く外す。押し込むだけのボールを蹴り損なったりする。で、顔が結構かわいい。ね?貴章でしょwww
それとスウェーデン戦から復帰したアルシャフィン。こいつマジで天才。彼が戻った事でパブリュチェンコとの2トップ気味になったんだけど、これまで「人数をかけて分厚い攻めを見せる」事は出来ていたんだけど、どうも怖さに欠けていたロシアの攻撃に、最後の要素である「殺傷能力」をもたらしてくれてると思う。確かにロシア最大のスターっての分かるわ。一発のテクニックもスピードもあるし、本当に怖い選手。マジで天才。
それと中盤では主に右サイドを担当してるズイリヤノフ。彼もすごくいい選手。カウンターの先陣を切ることも多いんだけど、確実なテクニックと的確な判断でロシアの攻撃をリードしてる印象だね。
そして!このチームの最大の核と言ってもいいのは左サイドバックジルコフ!もー惚れた。こいつマジですげーよ。登録がMFだし、元々攻撃的な選手なんだけど、その攻撃的なセンスをこのロシアという鋭く、分厚い速攻を武器とするチームの中で見事に発揮してる。バックラインから一気に前線に駆け上がって左サイドを制圧する彼の存在は本当に大きいね。
あとロシアの課題はスペイン戦みたいにその速攻の後に、強烈な個性を持った選手に走られた後の対応だろうね。ギリシャ戦、スウェーデン戦ではそこまでの強烈な選手がいなかったけど、オランダはそんなんばっかだ。ここをどう乗り切るか。



という事で長々と書いてきたけど、纏めると決勝トーナメントで最も面白い試合になりそうなのはロシア×オランダ。今大会で最も分厚い速攻を仕掛けられる両チームな上に、監督がオランダ人同士だし。
で、俺の希望する決勝はクロアチアとロシア。って事でよろしく。
それと注目選手は(有名選手はあえてここでは割愛して)クロアチアのオリッチ、プラニッチ。ロシアのパブリュチェンコ、アルシャフィン、ジルコフ、ズィリヤノフ。それとトルコのセルベト。このあたりですかね。
とりあえずロシアがんばれ!寝る!