【レビュー】08年第17節 ちば戦@スワン

アルビレックス新潟 2-2 ジェフユナイテッド千葉
スタッツ
ぽーにょぽーにょぽにょリアリスト♪ 夢や希望じゃ飯は食えない♪
うーい、だいぶ体調良くなったけどまだしんどいですわい。今日が試合じゃなくて良かった。てかやっぱり頭からポニョが離れない。マジで殺される、って思ってたらわんちゃんがブログで「今このメロディが頭から離れません(^_^;)」って言ってるじゃん。だよなー!さすが分かってる男だぜわんちゃん。
それではやっとマトモに文章書ける状態になったので、病床の布団の中から無理やりキーボードに手を伸ばしてお送りします。あたまいてー。



さて。俺この試合観てる途中で失敗したなーって思ったんだよ。というのもこの試合はいつものバックスタンド2層目じゃなくて、ゴール裏にいたんだ。で、この試合って「憎悪」って要素が付加されたスワンがどうなるかってのが一つ注目点だったんだけど、それって爆心地にいると完璧にはわかんねーんだよな。
でも一つだけ分かったのは「なーんだこんなもんか」って事なんだよね。そりゃそうだよな。あいつがボール持った時にブーイングしただけでそんなに劇的に変わるわけないし。あいつがボール持った回数って何回あった?って事考えたら当たり前の話なんだよな。賭けてもいいけど、例えばナビスコの準決勝のアウェー戦で1点をどちらが獲るかで天国と地獄が分かれる、とかそういう状況になったらこんな雰囲気どころじゃないだろうしね。
ただ同時に、その「憎悪」を新潟の選手の推進力として昇華できなかったのも事実なんだよね。だって「なーんだこんなもんか」としか思わなかったって事は、マイナスもなければプラスもなかったって事だからね。その辺はこのケーススタディを今後のため活かさないといけないだろう。せっかくいい勉強できたんだから。
だからこの引き分けと言う結果の理由を、スタジアムの雰囲気云々を主因として考えるのって違うと思うんだよな。てかそういう曖昧な理由に求めちゃったら、このチームに成長はないよ。というのも、この試合は凄くロジカルに勝てなかった理由を(特に前半は)説明できるし、前節マリノス戦で見せた「ズレ」が失点と言う形で結実してしまったから。


この試合のスタメン、新潟は松下→寺川以外はこれまでと同様のメンバー。それに対して千葉のアレックス・ミラーが選んだのは、いつもの4バックに、中盤以降が下村、益山、工藤、根本、谷澤、巻というメンバー。このスタメン確認した時点で「どういうシステムだ?ってか益山って誰だっけw」と軽く狼狽する俺。で、「益山司」で携帯からググってみたらwikiによると「容姿端麗で学生時代は女子生徒からとても人気があった。」との事。俺の中で新たな「憎悪」が個人的に発動www
で、そのメンバーを見ると4-4-1-1も4-4-2も4-2-3-1も4-1-4-1も、あるいは4-3-3もありえる形だったのだけど、試合が始まってみるとどうやら下村がアンカーで右から谷澤、工藤、益山、根本で、1トップ巻という4-1-4-1であることが分かる。
で、淳さんが試合後のインタビューでも言ってるけど、新潟のベンチとしてもこのシステムに対しての事前準備が出来ておらず、試合が始まってから確認せざるを得ないという事に。その証拠として、開始早々でいきなり左の根本が空いて、そこからのクロスに巻が完全にフリーで新潟のセンターバックの間を縫って飛び出してきてあわや失点、と言う形を作られるなど、不安定な立ち上がり。
特にその千葉のシステムにアジャストするまで問題だったのは、千葉のサイドの根本と谷澤が何度も空いてしまうと言う点と、益山と工藤の2枚が新潟のバイタルエリアに上手く侵入してくるのをしっかり潰せなかったと言う点。
サイドの問題で言うと特に谷澤が新潟の左サイドの松尾と寺川の間のスペースに上手く入り込んでそこで基点を作りまくる。この辺は新潟の最近の流れを作っていた「松尾⇔松下」というユニットが崩れた部分を上手く突かれたって所だったと思う。
それと、益山と工藤の2枚のバイタルへの侵入の影響を最も色濃く受けたのが勲と千葉ちゃんのボランチコンビ。前半の早い時間帯でそれぞれにミスが生まれ、そこからのカウンターを受けるというシーンが2〜3回あってから(そのうちの一回はポスト→工藤のシュートミスに助けられると言うもの。あれはやばかった!てかそれも「サイドが空く」って所が原因なんだよね)、その影響もあったのか前へのパスが影を潜め、バックパスが増える結果になる。

そしてやっと前半の半ば以降、千葉のシステムに慣れて相手の攻撃に対応できるようになると、今度は千葉が4-1-4-1のシステムの利点を生かすように、しっかりとしたそれぞれのラインを敷いてブロックを作るようになる。丁度、ミラーが就任した最初の数試合で見せていたような形だ。だからこの試合はマジックミラーじゃなくて、れっきとしたミラーマジックだったのだ。
で、そうなると前述のようなボランチの前への展開が消極的になってたのと、サイドチェンジを繰り出すようなパス交換の狙いもなかったのもあって、クローズな展開に持ち込まれる事になる。新潟にとってポジティヴな要素は、この日絶好調のマルシオがその持ち前の圧倒的なテクニックで右サイドでアクセントをつけてたくらいか。左は松下不在の影響と、谷澤を気にして松尾が中々上がれないせいでほとんど死んでいたしね。

しかしそんな中で28分、前半唯一の新潟の決定機と言えるチャンスが到来。この試合通してフィジカルの強さとスピードで見せ場を作っていた貴章が下村との競り合いに勝利してハーフウェーラインからカウンターの先陣を切る事に成功。で、溜めて溜めて満を持してアレにラストパス。しかしその決定的なシーンをGK岡本に当ててしまい、その後繋いで放った貴章のヘッドも防がれ絶好機を逸する。するとそのカウンターで、戻りきれなかった新潟の守備を掻い潜ってまたしても谷澤がフリーになって易々とクロス。それが不安定な体勢で受けざるを得なかった永田さんと千代をすり抜けて巻の胸に当たってゴール。アレックス・ミラーの術中に見事はめられた失点だった。

その後もクローズな展開が続き、そのまま前半が終わるかと思ったロスタイム。うっちーのさすがとしか言いようのない絶妙な浮き玉のパスを受けようとしたアレをPA内で池田が倒してPKゲット。PKの判定自体はビミョーだったけど、アレの斜めに走るセンスとそこを見逃さないうっちーのコンビが生んだプレーだったといえる。やっぱりここは新潟の大きな武器だ。
てか余談になるけど、よく「司令塔」って言葉がサッカーで使われるけど、新潟にとっての司令塔って間違いなくうっちーだよな。彼が基点を作って前線へと送られるパスこそが新潟の攻撃を活性化させる最大の武器だと思う。だからホント、うっちーの後継者探しって困難を極めると思うよ。
で、そのPKをアレが「そこに蹴ったらレフ・ヤシンでも止めるの無理!」なキックで決めて新潟同点。凄く苦しい前半だったけど、なんとか同点で折り返すことに成功した。


で、後半は千葉のシステムにすっかり慣れたこともあって新潟が押し込む展開。特に貴章、マルシオ、うっちーの3人で攻め込む右サイドは破壊力抜群で、千葉のDFをぐんぐん下げさせる。で、この流れからPA内でうっちーのパスを受けたマルシオが、アウトサイドキックでボスナーの股をちょこんと抜くという華麗なテクニックでかわして右足ドカン!!かっちょええええええええええええ!!!
そして鬱憤を吹き飛ばすようなダイバスター。やっぱこのチャントは上がるなー。マルシオもっともっと決めちゃっていいのよ、そういうの。
あーんでこれ本当にどうでもいいんだけどさ、さっきそのシーンの録画見直したんだけど、ゴールの後に貴章がわーい!ってボールをゴールに蹴りこもうとしておもっくそポストに当ててるなww腹抱えて大爆笑しちゃったっつーの。これなんでJAGSの平畠のコーナーで取り上げなかったんだろう。格好のネタだろこれ。

で、その後もしばらく新潟のペース。これを観てミラー監督も益山に替えて中島を投入するものの大勢は変わらず。その時間帯だとようやくアレがサイドに走り出したりとワイドな展開が出せるようになっていいリズムになってくる。しかしその流れの中で次の得点を奪うまでには至らず。
そんな中で千葉がPAちょっと左でFKを得る。で、そのFKをあっけなく、本当にあっけなく青木良太に決められて同点。ずっといい感じで来ていた後半の流れをバッサリと断ち切られてしまった。
で、このセットプレーの守備なんだけど、これはもう集中力を欠いていたとしか言いようのないモノだと思う。新潟って今シーズンここまでセットプレーで3失点しかしてない。FC東京戦の石川のショートコーナー→こぼれをカボレ、川崎戦の我那覇スペシャルボレー、名古屋戦の巨人増川の頭に当たっただけのボールが吸い込まれるラッキーゴール。これだけ。つまり「普通に放り込まれたボールをヘッドどかん!」ってのが一つもないのだ。これは誇っていいことだと思う。
で、何でそれだけセットプレーの守備が堅いかっていったら、貴章がフリーマンとして入ってきたボールを一人ゾーンで守って跳ね返すと言う形を取って、残りの選手がマンツーでしっかりとマークに付く、と言う形を徹底してきたからだ。で、そのマンツーが完璧に機能して相手選手に触らせなかったからここまで3失点しかないって事になる。だから、貴章がセットプレーでボールを跳ね返すシーンが多いのって偶然なんかじゃないんだよな。そういう守りを徹底してるからなんだよ。
なのに今回の失点では、難しい位置でのFKというイレギュラーな形でのセットプレーの守備だったとは言え、ファーで相手が4枚いるのに対して、新潟は3枚しかいない。で、一番手前で千代が巻と一緒に潰れて完全に青木良太がフリーになってしまったのだ。これは恐らくうっちーがマークを外して最初に跳ね返す役割に行った所で、その頭を越されてマークに付くべき青木が空いちゃったからだと思うんだけど、その辺の意思統一のズレが失点を生んでしまった。
今年の新潟は守るべき所でチーム全体が集中してガッチリ守れる体制が出来たからこそ、ここまでの順位まで駆け上る事に成功した。それはその辺の意思統一がまるで出来ていなかった結果「開幕4連敗で合計10失点」という惨状を受けて、チームとして皆が考え、すり合わせ、集中した結果だったと思うんだよね。あの惨状があったからこそ、今の堅い守備があるんだと思うんだ。
ただ、これがちょっと切れかけてるような気がしてならない。前節のマリノス戦は引いても「要所はしっかり締める」という全体の意識の基本がズレてピンチを招いていたけど、今回の失点も原因を辿ればそこだったと思う。
これはこの時期の暑さもあるだろうし、もしかすると一度固めたはずの危機感が薄れつつあるのかもしれない。勝手なこと言うようだけどさ。

だからそこだけは、とにかくもう一度確認して引き締めてもらいたい。今年のチームから「チーム全体の意識を統一した堅守」と言う要素を抜いたら間違いなく瓦解してしまうからだ。そこが生命線なんだ。


で、その同点で新潟の流れがプッツリ途切れてしまってからは互いに決定打を出せないクローズな展開に終始する事になった。新潟も永田さんとアトムを替えて千葉ちゃんをセンターバック、テラをボランチ、アトムを左サイドという形にするという手を打ったけど、全体の運動量が落ちて展開力も期待できないクローズな展開を動かすまでには至らず。せっかく裏に飛び出してそこにパスが来て、きっちりトラップすればチャンス!ってシーンであっけなくトラップミスしちゃうなど、結局15分間試合に入れないままだった。
で、テラに替えて投入された河原もこの展開で5分間しかない中で出来る事はほとんどなく、それに加えて「ちょっとコンタクトしたらほぼファウル」な松尾一の糞ジャッジもあってリズムが全く生まれずそのまま試合終了。てか松尾一の吹く試合を観るとほぼ100%糞ジャッジな気がするんだけど。すげーよなあの人。
とまあ、これだけ互いに疲労困憊で試合を動かす出来ない中で、ベンチに決定的な武器を持っていないって事を考えれば「2-2は妥当なスコアだった」という淳さんの言葉は至極真っ当だと思う。ああ!アウグストはまだか!!わんちゃん早く戻ってきてーーー!!ぽーにょぽーにょぽにょアウグスト♪それとわんちゃんはやくもどってきてぇぇぇっぇぇ♪



とまあ、すっごく足りない試合。不満足な試合。でも負けたわけじゃない。7戦で5勝2分の負けなしという流れで、勝ち点2の損失だけで色々な反省材料を手に入れられたって事でよしとするしかないね。次だよ次。
で、次といえばマルシオがカード貰わなくて本当に良かった!!松尾一だったからヒヤヒヤしてたんだけど、それだけは本当に安心した。というのも、清水戦のキーポイントは、一にも二にもセットプレーだからだ。今の新潟で全幅の信頼を置けるプレースキッカーってマルシオと松下だけだからね。松下が使えない今、マルシオの右足に賭けるしかないんだよな。だから本当に良かった。

という訳でこの試合キレキレだったマルシオというキッカーを携えていざ日本平!!連戦でキツイけど、今こそが稼ぎ時なのだ。今はもう貪欲に勝ち点3を狙うのみ。絶対に勝つぞ。

頭いてええええええええ!!寝る!!