【レビュー】08年第25節 名古屋戦@瑞穂

名古屋グランパス 2-0 アルビレックス新潟
スタッツ
うーむ・・・・この試合はどこで勝負をかけて、どこでゲームを動かしていくかって言うタイミングを見極めた方が勝ち、の試合だったのだと思う。結論から言えば、それを先に掴んだのが名古屋で、後手を踏んだのが新潟だったって事。それがこのスコアに如実に現れたんだろう。


この試合の立ち上がりに目立ったのは新潟の積極的なプレス。前節の柏戦で見せたような(そしてこれが出来れば新潟は強いって事を証明した)プレスを最初から飛ばしまくる。19:00なのに気温27度・湿度78%という数字を見ると不安になるようなプレスっぷり。それと、これはコメントを見ると意図してやっていたわけではないみたいなのだけど、奪ったら一気に前線に送るという形を何度も見せていた。
その結果、名古屋のDFラインはどんどん下がる事になる。なんせプレスを嫌がるDFラインはボールを横か後ろに下げるしかないし、執拗に繰り返されるロングボールに対応するにはラインを下げるしかないからだ。その結果、プレビューでも言及したような名古屋で最もまずい状態である「3つのラインが間延びする」という状態になる。前半、名古屋がビルドアップする際にちょこちょこミスが出ていたけど、あれはこういう間延びした状態が一番の原因だったのだろう。
という訳で前半の流れは新潟。ただ、シュートが打てない。縦へのロングボールで相手のDFラインを下げさせるのは曖昧なボールでもいいけど、チャンスを作るには意図のあるボールでなくてはならない。ただ、それが出せないのでチャンスに中々ならなかった。
それと今日の新潟の中盤の構成でブレーキになってしまっていたのがフミヤ。チームは全体としてシンプルに繋ぐというプレーをまず選択していたけど、フミヤだけはその中でアクセントをつけようとして悪戦苦闘。その迷いによってボールが相手のプレスに引っかかってボールロストをするシーンが散見した。コメントを読むと「前線へ飛び出して攻撃をフォローする」というタスクを与えられていたようだけど、なるほどその意識が空回りしてしまったのもあるのだろう。後半の頭から替えられちゃうかな?の予想を上回り前半の残り数分でテラと交代。淳さんはこのはこの辺本当にドラスティックだよな。これを乗り越えて大きくなってくれよ〜フミヤ。
で、前半のその新潟ペースの流れを変えたのは一つのアクシデントから。前半途中で負傷したマギヌンに変わって、杉本がいつもより随分と早く登場してサイドハーフに入る。で、このスピードギュンギュンの鉄砲弾は停滞する名古屋の流れを、そのスピードで無理やり動かし始めた。やはりこういうスピードのある選手がサイドでボールを持ってボールを突付いてキープするプレーってのは流れを作るんだよな。彼が入ってからようやく名古屋もサイドの突破口を見つけてクロスが入り始め、ちょっとずつ名古屋がペースを取り戻し始める。
しかし杉本を先発で使えばいいのにとはいつも思うけど、こういうのを見ちゃうと流れを変えるにはやっぱり最高の選手なんだなーと思う。本当にいいオプションだ。
で、その頃になると新潟のプレスは早くも陰りを見せ始めたこともあり、名古屋の流れのまま前半終了。


そして後半。互いに完全に停滞した前半(なんせ新潟の前半のシュートはゼロ!)を受けて、あとはどこでギアを上げて勝負に出るかって事に焦点が当てられたのだけど、結論から言えばそれは完全に名古屋の後塵を拝する事になった。
後半開始早々の48分。それまで殆どゴールへ向かうプレーを見せてこなかった小川が、この試合初めて左から中へと切り込んでくると、玉田とのワンツーで抜け出し丁寧に流し込んで先制。「どこで、だれが、どうやって」試合を動かしていくかという題目にじっくり臨んで行くぞ、という矢先にいきなりこの試合の分水嶺となるであろう先制攻撃を被弾する事になってしまった。
その後数分は一気に流れが動き出す名古屋。前半はある意味「試合を動かさない」事に終始した新潟は面食らってしまうことになった。ただ次第に、相手が一気に試合を動かしてきたという状況は新潟の流れにも影響を及ぼす事になり、それまでは殆ど自重していたサイドバックの上がりも出てきて、ようやく過剰な慎重さを捨てて「互いに攻め合う展開」になった。
そこからはトレーニング通りのサイドアタックを何度も見せる事になった。それとゾーンで守る名古屋の守備がかな〜〜〜り怪しいこともあって、セットプレーでいい形は作る事も出来たのだけど、どうしてもその1点が取れない。
で、そうなると新潟はどんどん前がかりになってくる。残り10分で河原が投入されて総攻撃を仕掛ける形になってくるとさらにそれは顕著になるのだけど、そこでもずっと新潟の守備の綻びを狙っていたのは杉本。あー本当に嫌な奴!
1点を狙って一挙果敢に攻め立てた新潟の裏をカウンターで突いて89分、その彼に決定的な2点目を決められてしまう。北野の飛び出しも非常に中途半端。是非修正を。


想像するに、この試合は前半を終えた時点で相手がシフトアップしてくるのを予想し、しっかりと集中して後半に臨んでいたら別の結果になったのではないかと思う。その辺がウチの甘さであり、今首位にいるチームとの差という事なのだろう。
同時に、ウチの最大の武器は前線からのプレスであるという事も改めて証明した試合だった。だから残り9試合。その基本をしっかりと認識し、もう一度自分達を信じられるかだ。特にこれからはポイント3を狙わなければ話にならない試合が続く。走って走って走れ!!



んじゃこれから神戸戦プレビュー書きますぅぅっぅ!!この勢いでいくぞおっらー!!