【レビュー】08年第28節 マリノス戦@スワン

アルビレックス新潟 0-0 横浜Fマリノス
スタッツ
うがー風邪だるい。文章がおかしくても突っ込まないでね。38度超えてるんだから!しかし前に進む為にはずっと書いてなかったマリノス戦のレビューを書かねばならないのである。つーか千葉戦の前にしっかりやることはやらねば。と言う事でもうみんな忘れてるだろうけどマリノス戦のレビューだこの野郎!


まず、この試合はプレビューでも言及したけど、どうやって1点を取るかって事が最大の焦点になる試合だった。なぜならそれなりの盾と貧弱な矛を持つ両チームの戦いだから。だからその1点を生む色んな不確定な要素がどれくらい存在したか、って事でこの試合の結果は左右されると思うのだけど、結論から言うとその不確定要素は多く起きなかった。というか、互いに起こさせなかった。まあその辺がリーグの得点数でワースト1位と2位の対決らしさなんだろうけどね。


この試合の立ち上がりに目立ったのはマリノスの前線。1トップ2シャドーみたいな形はこれまでどおりなのだけど、そのメンツが坂田を頂点に後ろに狩野と兵藤が並ぶというもの。んでウイングバックが左が山瀬弟、右が小宮山という形。なんじゃその並びはw
しかしこの形に少しだけ新潟が戸惑ったのは事実だと思う。前半の最初の頃はガンガン突っ込んでくる坂田に手を焼き、新潟のDFラインとボランチの間が空いてきてそこで2シャドーの選手に上手く入り込まれてフリーでボールをも持たれるシーンがチラホラ目に付く。しかしそれもDFライン、特に永田さんと慶治(てかこのコンビ初じゃね?サテでもなかったんじゃ?)のCB2人がばっちりアジャストして坂田と後ろの3人のケアを明確にするとそんな危険なシーンも見られなくなる。てか慶治がいい。淳さんがここ数試合でクローザーとして慶治を投入して上手く試運転させたのも良かったのだろう。ベテランらしく的確なプレーの選択を繰り返す。まあ、一回「おっしゃディレイさせた!後はじっくり相手のボールを奪うだけ!」ってシーンでいきなりファウルかまして狩野が一番蹴りやすい位置でのFKを与えたのはズコー!ってなったけどw


そうなるとその後試合は膠着する。互いの守備の意図がはっきり見えてくるし(新潟はマリノスの前線3人をスペースを埋めて潰し、両ワイドはサイドバックサイドハーフがしっかり見て、貴章が相手のボランチにプレスを掛け捲る!さすが貴章!っていう守備。で、マリノスは新潟のボランチの周りを、中盤に配置された選手達がとにかく徹底的に囲んでスペースを与えない。あとウイングバックは3バックの横をケアするのを最優先、って守備。)、守備の面ではなるへそ〜、と見所も多いのだけど、攻撃面ではお粗末。
この試合のスタッツ見てると12分まで互いにシュートなかったんだな。そこからも分かるように中々攻撃面で手が打てないと言う状況が続いた。新潟に関して言うと、明らかにサイドを狙っていくという意図は見えるのだけど、それが(これは得点力のないチームが陥りがちな罠なのだろうけど)「サイド攻撃の為のサイド攻撃」に終始してしまっていた印象。例えばうっちーが右サイドをオーバーラップしてくる。んで、そこに中盤からボールが入る。で誰もが予想した通りマルシオがそこをフォローしてサイドに走る。で、そこにボールが出る。クロス。これだけ。
正直言ってこれではマリノスみたいに個々の守備力の高さは間違いない選手が揃ってるチームには太刀打ちできないだろう。中で待ってるのが全盛期のオリバー・ビアホフだったら別だけどwあとやたら得点を決めまくってた頃のジャルデウとかw
例えば神戸戦ではサイドから見事なゴールが生まれたけど、あれってサイドを使う為に何人もの選手と色んな要素が絡んだ結果のサイドアタックで生まれたゴールなんだよね。2点目なんかその典型だけど、マルシオとうっちーで右のアタッキングサードに入ったばかりくらいの位置でつんつんとパス交換して、ずっとサイドのフォローしてたボランチをくいくい誘き出したところで、すかさず左から右に位置を変えていたわんちゃんがサイドに走って、そこにパスが通り、クロス入り、ゴール。このように何人も連動して絡まないと得点にならないんだよね。サイド攻撃のセオリーを壊す「不確定」な要素というか。
そういう意味では、マルシオはこの試合ではあんまり良くなかったけど、その一因って途中から一人だけサイド攻撃のセオリーを崩しに行った所なんじゃないかと思うんだよね。特にサイドのスペースに走るんじゃなくて、スリーバックの間に走って局面を打開しようとするシーンが目立ったけど、あれはマルシオの良い判断でもあり、同時にチームの攻撃を混乱させる悪い判断でもあるんだろうね。まぁ結局、それが奏功せずマルシオ自身もリズム失っちゃってたし、後者って事になるんだろうけど。
そういや前半でセットプレー意外での最大のチャンスって、松尾が中を向いて切れ込んだ結果の浮き玉をわんちゃんがボレーを放ったシーンだと思うんだけど、あれはまさにセオリーを壊したプレーだよね。セオリー通りならきっとわんちゃんはあんな中じゃなくてサイドに張ってただろうし。
あとは磐田戦でもそうだけどボランチ、特に勲がサイドへの展開をもっと意図的に早くしないと攻撃の形は作れないね。マリノスボランチを狙っていたのは明らかだけど、それをいなしてこその本間勲でしょ!そこが数秒速くなるだけで全く違うはず。名古屋戦@スワンとか超速かったじゃん。あれだよあれ。



とまぁこんな感じで得点なく後半へ。しかしまぁ、基本的には前半と同じ。この辺が実に書きづらいw
新潟の決定的なチャンスはマルシオの素晴らしいロビングのパスからアレが抜け出してギリギリで触ったシーンくらいか。あ、あとヒロシが慶治に替わってすぐに貴章への素晴らしいフィード→貴章ワントラップしてその空中のボールをそのまんまシャペウかまして抜け出して(!!!)ゴールに迫るものの、すかさず中澤がすげースピードでフォローに入って、ゴールへの軌道を瞬時に描いていたであろう貴章もそれを見てサイドに逃げざるを得なくなり、次のコンタクトで中澤が貴章にスクリーンかけてゴールキックにして、中澤勝利。ってのは萌えたな!あれがこの試合のハイライトかもしれん。超ハイレベル。
とまぁそこに言及しなくてはならないくらい攻撃面で見る事なしな後半w
次第に運動量が落ちてきて長いボールのケアが怪しくなった所をマリノスに突かれそうになったりもしたけど、大事には至らずだし、マリノスベンチが攻撃のオプションを遮二無二投入してきたのに対して、新潟ベンチは事故とかの「不確定要素」を増やす事を避けて、そのまま試合を進める事を選択した、ってのもありそのまま試合終了。
理想的かつ現実的に欲しかったのは勝ち点3。ただ手に入れたのはひどく現実的に欲しかった勝ち点1。そういう結果の試合だった。


しかしここで程よい中断を手に入れられたのだ。マルシオ欠場を乗り越えるための最低限の時間もあった。だから次。てか明日w
もう勝つしかないよ。それだけだよ。