【プレビュー】09年第6節 広島戦@スワン

上位に踏みとどまるために絶対に必要なことは何か?これはいっくらでも挙げられるけど、そのうちの一つが「連敗をしない」って事だと思う。07年なんかは、後半連敗しちゃったりってきつい時期もあったけど、シーズンの中盤過ぎまでは1度も連敗をせずにポイントを稼いだのが最終的な成績に反映された。
となれば、この試合は前節の今シーズン初の負けを受けて、絶対に落としてはならない試合、いや、勝たなく手はならない試合だろうね。前節は負けたけど、明らかにこのチームの勢いを削ぐような負け方じゃなかったんだし、絶対にこの試合は勝とう。



さて、今年の広島だ。もうね、こういうチームが1チームあるだけでリーグが華やぐよな。こういう、色々と残念な部分もあるけどとにかく何はともあれ「志だけは超高い!」ってチームは一つくらいあっていい。なんつーのかなあ、これ物凄くニッチな例えだと思うんだけど、俺は今年のサンフレッチェ広島を「土屋礼央サッカー」と名付けてるんだよねwwww「色々とアレなところもあるけど、志だけは超高い!!」っていうね。わかるかなー、わっかんねーだろうなー。イェー。



で、今年の広島のサッカーとはどんなもんじゃ?って所なんだけど、まずシステムは3-4-2-1。寿人の1トップの後ろに柏木“うんこ物語”陽介と高柳が配置され、ウイングバックは左にもちろん服部、右にミキッチボランチは青山と森崎兄。3バックはセンターにストヤノフ、左に槙野、右に多分森脇が戻ってくるだろう、っていう形が一応の基本の配置。
・・・なんだけど、このチームで一番すげーのはそのシステムの中で3バックの両端の槙野と森脇が尋常じゃないくらい上がるって所。もうこの二人が攻撃時には4バックのチームにおける超攻撃的サイドバックみたいな役割で、しかも同時に上がる。で、そのフォローはボランチの森崎兄がDFラインまで降りてきて、ストヤノフの2センターバックを作る、って形で戦ってるんだよね。このCBのはっじこ二人の今シーズンのシュート数が槙野が12本、森脇が5本、で寿人が11本というとんでもない数字になってるあたりからも分かるけど。
ていうか、この「CBにも攻撃を求める」ってのはペトロビッチ監督が就任してから、ず〜〜っと前から言ってたことなんだよね。よーく覚えてるよ。だから07年なんかはCBに本来攻撃的な選手ばっかり起用してたもんな。まあ、それが無謀過ぎてJ2降格の憂き目にあったんだけど。
でもその信念を曲げずに、J2というある意味ではチームの育成には最適な場所でそれをブラッシュアップしてきたんだよね。それが今のサッカーに繋がってる。うーむ。やっぱ志だけは超高いチームだw

それとこのチームの最大の特徴と言えるのは、とにかくDFライン、いやGKからのパスワークとビルドアップを徹底的かつ能動的にやってくるって所。相手云々よりも、自分たちのパスワークを発揮するために選手が動いてパスを回し、とにかく多くのチャンスを作り出すって事に主眼を置いてるチームだ。


ただ、やっぱりそれは大きなリスクも孕んでいる。それを何よりも如実に表してるのは得点と失点の数。得点は5試合で13点と圧倒的であるものの、失点数は10。やるかやられるか、それが広島のサッカーだ。



じゃあ新潟がどうすべきか。ってか、ぶっちゃけ広島って新潟にとっては一番やりやすい相手なのは間違いないんだよね。ただ、構造上の問題点を考えたときに広島のサッカーが逆にハマるかもしれないという可能性も同時にある。
つーことでまず「新潟がやりやすい」って部分から。前述の通り、今年の広島はとにかくパスワークでビルドアップしてくるのが武器。逆に言えば、そこでミスを起こさせたりして上手く奪ってしまえば、あっという間にそれがこっちの格好の武器にもなる。言うまでもなく、新潟はそうやって相手がビルドアップする途中でプレスを仕掛けて、出来るだけ高い位置で奪って速攻、ってのを最も得意とするチーム。しかもその攻守の切り替えの王様であるマルシオが戻ってくるしね。じゃあ、そのスウィートスポットはどこか?
これはもう間違いなくストヤノフの所だと思う。データは手元にないので正確な数字は分からないんだけど、恐らくこのチームでももっとパスの出し手となってるのは最後尾に構えるストヤノフじゃないだろうか。前述の通り広島は後ろからのビルドアップを重視するチームだけど、彼がそのパスの最初の経由地になることが殆どだ。実際に彼はパスセンスあるので、ショートパスも、一気に寿人に当てるロングボールも、両ウイングバックを走らせるロングパスも、どれも見事だと思う。
ただ、その出所であるストヤノフを抑えて、彼のパスコースを限定すれば、広島のサッカーの機能美に狂いが生じるのも事実。そして何より、そこでボールを奪えば一気に大チャンスだ。いい例が2節の広島×大宮の市川のゴール。あれは石原が最高列でボールを受けたストヤノフに対して素早くプレスに行ったことで、彼がパスコースを失い、半端に供給されたボールを市川が奪い取ってカウンターに繋げて奪ったゴールだったけど、要はあれをやればいいのだ。
となれば、相手のセンターバックにプレスを仕掛ける役割であるオオシ、マルシオ、松下の3人はとにかく運動量を増やしてストヤノフの自由を奪う事をアグレッシヴに実行したい。あとはそうやって機能不全に落とした広島からボールを出来るだけいい形で奪って、広島が一番リスクを冒してくるサイドのスペースを狙って速攻を仕掛ければいい。この試合は恐らく「得点をより多く取った方が勝ち」ってゲームになると思う。「しっかり守れた方が勝ち」じゃなくてね。だとすれば、やっぱりセンターが頑張ってプレスを仕掛け、より多くのチャンスを作り出すことに寄与してほしい。



で、新潟側から見た守備について。これは本当に厄介な問題だ。広島は本当にいろいろな攻撃パターンがあるしね。ただ、特に絶対に気をつけないくてはならない点は2つだと思う。
1つ目は寿人、“プリンス・オブ・テイルズ・オブ・シット”柏木、高柳で構成する三角形に対する対応。寿人はまず絶対にセンターバックのどちらかがはっきりとマークの受け渡しをしながら潰さなくてはならない。ポストするにしても、裏に抜けるにしても、クロスを受けるにしても、彼が広島の攻撃のプライマリーターゲットだからね。
で、問題はその後ろの2シャドー。4-3-3の構造上、このバイタルエリアに複数人が入ったり出られたりするのは凄く危険な状態。実際、マリノス戦の最序盤では狩野あたりにこの仕事をうまくやられて新潟は機能不全に陥ったしね。となれば解決法はそのマリノス戦から学ぼう。あの試合、新潟の流れに引き戻せた大きな原因はサイドバックが高い位置を取って、相手に積極的にプレスを仕掛け、同時に新潟の攻撃時の起点にもなることが出来たから。その結果、勲の前の松下とマルシオも相手の中盤に対して数的優位を作りながら、相手の攻撃側の選手にプレスを仕掛け自由を奪うことができた。
この試合ではうっちーが久々に右サイドバックの位置に入りそうだけど、ジウトン共々、高い位置を取って相手の中盤にプレスを仕掛けるってプレーはアグレッシヴにやってほしいと思う。
で、サイドバックの動きの話をしたけど、次の2つ目の広島の脅威もサイドバックが絡んでくる話。それは広島の両ウイングバック。特に右のミキッチ。仮にここまでのリーグのベスト11を決めるとすれば、右サイドに彼の名前は当然挙がってくるだろう。それほど、物凄く厄介な選手。なので、新潟の左サイドの支配者であるペドロは、マリノス戦で貴章が田中裕介をピッチリ見たような、ああいうプレーをしっかりやってほしいと思う。前述の通り、サイドバックは相手の中盤にプレスを仕掛けるという役割を担ってる。その仕事をこなしながら対面のウイングバックと対戦するのは明らかにキツイ。なので、ウイングがしっかり下がって守備することだけは忘れてはならないだろう。
しかもサイドの守備で優位に立てれば、一番狙いたい広島の守備のスキマであるサイドを攻撃しやすくなるって事だ。いい守備があるから、いい攻撃が生まれる。繰り返すけど、この試合は攻撃のチャンスをより多く作り、それを多く決めた方が勝つゲームだ。だったらちゃんと守って、ガンガン攻めようぜ。



つーことで、俺がどっちサポじゃないニュートラルな1サポでもきっと楽しみにしちゃうであろうこの試合。きっと楽しいゲームになるはず。でももちろん勝つのは新潟だ。最後に勝つから楽しいんだ(仙道の言葉を借りたwww)。さあ、広島から勝ち点3奪ってもっと上目指すぞおらあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!