【プレビュー】09年第15節 名古屋戦@スワン

ガンバを見事に粉砕した。そして今2位につけている。だからこそ、この試合で必要なのは勝ち点3。本気で大きな目標を達成したいのならば、今後必要不可欠なのは2つ。一つは連勝すること。連勝なしでは上は望めない。そしてもう一つは最終的に上位に食い込んで思われるライバルチームとの直接対決を落とさないことだ。つまり、この試合はその二つに見事合致してる試合って事。勝つしかねーでしょ!!


今年の名古屋はハッキリ言ってしまうとすごく微妙だ。一事で言ってしまえば、「去年出来ていた事が今年は出来ていない」って事に尽きると思う。じゃあ去年の名古屋がどんなサッカーしてたか。答えは「執拗なまでのサイドアタックの応酬」
で、今年なぜこれが出来ていないかっていうと、一つは主力選手の怪我。最近で言えばマギヌンと小川の欠場は大きな影響が影響があったと思う。名古屋のサイドアタックはアーセナルのそれに様に、サイドハーフ自身がサイドアッタカーになるだけでなく、中盤の連携で中に絞ったりしてサイドバックの上がりを誘発するっていう点を凄く重視してるんだけど、マギヌンや小川の代わりとして起用された本来アタッカータイプの津田や杉本はそういうプレーをするには、ちょっと毛色が違っていた。


だけど、結局最大の問題はそしてシーズン開幕前からの最大の懸念であった「ヨンセンを放出してそこにダヴィを補強する」って選手構成の歪さだろう。去年の名古屋が上手く回っている時はヨンセンが的確なタイミングで降りてきてボールを受けることで、それ以外の選手がしっかり前を向いて、左右どちらへも展開できる選択肢を持つことが出来ていた。かつ、ヨンセンというプライマリーターゲットがいる事で、玉田が自由に動いてボールを受けて時にドリブル、時にシンプルに叩く、っていうリズムを作り出せていた。例えれば、ヨンセンが電源で、玉田が各所のスイッチをOFFからONに切り替えるスイッチャー。その二人の良好な関係が名古屋のサイドアタックを牽引していたと言えると思う。


ただ、ダヴィはやっぱりそういうタイプじゃない。彼は爆発力と個人技と決定力に関してはヨンセンよりも上だけど、チームを機能させるファンクションとしての機能性はヨンセンよりかなり劣る。けが人もなく、また各チームの分析がまだ行き届いていなかったシーズン当初こそ、周りのサポートもあって順調にチームは回っていた。だけど、怪我人が出てメンバーが変わった所に順応する能力、分析されて自分の突破を封じられた時にチームのリズムを崩さないためにはどうすればいいのか、という判断力の2つに関してまだ未完成なところが多いダヴィをトップに備えているという事実が、名古屋がビミョーな感じになっている大きな理由だろう。今年の名古屋はこれまでダヴィが9得点を挙げてるけど、それ以外に複数得点を挙げた選手がいないって事実は、これに大きく影響されてると思う。
その結果、今年の名古屋は去年と比べて攻撃時にボールロスト、つまりターンオーバーするシーンがかなり多い。その結果、そこからカウンターの餌食になることが多くなってしまっているのだ。
この前のACLの水原戦なんてまさにその典型。あの試合は玉田と小川という特異な個性による見事な得点二つと、水原のあまりに稚拙なフィニッシュに助けられて2-1で勝ったけど、試合内容を見れば、名古屋が何度も半端なボールロストから水原のカウンターを食らい、試合を通して全くリズムがつかめない、というかなり厳しいものだった。


となれば、新潟が狙うのはまさにここ。そう、新潟が最も得意とするカウンターの形を出来るだけ何度も繰り出すのだ。オオシ、ペドロ、貴章、マルシオ、松下のアタッカー陣は、水原のエドゥー、ペ・キジョン、イ・サンホ、ホン・スンハといったアタッカー陣よりはるかに上だ。まちがいない。水原はカウンターの形を作りながらも信じられないくらいお粗末なフィニッシュの山を築いてしまったけど、新潟のアタッカーなら絶対にやってくれるはずだ。


あと狙い目としては名古屋のサイドバックへのプレシャーだろう。前述の通り名古屋はサイドバックの攻撃参加をベースとしたサイドアタックを重要視してるけど、今年はチーム全体の機能性の低下もあって、サイドバックの位置でのボールロストが多い印象がある。特にハユマはまだなじめていない感じがぬぐえない。なので、鹿島を仕留めた時のように、ウイングが相手のサイドバックに執拗にプレッシャーを与えるようにしていきたい。それが出来れば、必ず90分間で少なくとも1回は決定的なボールロストを誘発できるはずだ。そのワンチャンスを、決めてしまえばいい。



ということで絶対に勝ちたいこのゲーム。この際、ホームでの名古屋戦の相性の良さは置いておこう。とにかく愚直にハードワークして自分たちのサッカーを貫くことだ。自らのフィロソフィーを体現出来た方が勝利する。そういうゲームなのだ。ぜってー勝って鹿島追随するぞおらあああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!