スタジアムの誇り

「来年は、このスタジアムの誇りを取り戻す戦いを」

うっちーの挨拶より。けだし名言。


で、それ聞いて今年ずっと感じてた事を書いてみる。


というのも、俺が陣取ってるE2層目の拍手の音量がとてつもなく減ったんたよね、今年。

多分そのピークは06、07年あたりだったんじゃないかな。あの頃が一番、プレーにヴィヴィッドに反応した拍手が自然発生してたように思う。特に少し無理してプレスに走ったりするハードワークに対しての拍手ね。あれが少しずつ作られた「新潟らしさ」の象徴だなぁ、なんて思ったもんだよ。

これは想像だけど、あの頃ってスワン黎明期のサッカーを全く知らない人の集まりから、サッカーを知るようになった観客への成長の最初のピークだったんだと思うんだよね。


だけど今年、信じられない程それが減った。ゾッとするくらいに。一つ一つのプレーに対して、ひんやりとした無感動を感じるほどなんだよ、今年。

その結果目立つのが、ため息と汚ねぇ罵声と的外れのヤジ。相変わらず縦に早く行く事だけが美徳だと信じてやまない人の、それ以外のプレーの選択をしたときの「遅いんだよ!」のステレオタイプなヤジはあちらこちらで聞こえてくるしね。あの化石、絶滅してなかったんだよ。拍手が小さくなった事で目立って来ちゃった。

そう、拍手が減るって事は、そういう馬鹿が幅を利かせるって事なんだよね。こんなじゃスタジアムの雰囲気が良くなる訳ないんだよ。


これ、何故こうなってしまったのかずっと考えてるんだけど、結局分からなかったんだ。ある程度観客の見方が飽和してきて、変な方向に達観しちゃったのかなぁ、とも考えたんだけど、それもちょっと腑に落ちない。

観客減の影響も考えたけど、E2層目自体はそんなに極端に減ってないし、そもそもこの拍手の減り方は、観客が減った分との比例で考えても異常なレベルで下がってるから、明らかに「一人一人の拍手の音量が減った」としか考えられない。

なぜなのか?


ただ間違いなく言える事は、「スタジアムの誇りを取り戻す戦い」をするならばこれは絶対にどうにかしなくちゃいけないって事。俺が陣取ってるE2層目以外の事情は分からないけど、全ての場所で、もっと向上する努力を欠かしてはならないと思う。

今年ホームでなかなか勝てなかった理由は、いくつでも挙げられるけど、その一つは間違いなく、スタジアムの雰囲気が、ホームアドバンテージを発揮するまでに至っていなかったからだ。断言できる。


「ホームでなんで勝てないんだ」って疑問を感じるって事はホームアドバンテージの存在を信じてるって事だよね。
そう疑問に思っているうちにどうにかしなくちゃいけないと思う。「ホームで勝てないから何?」になったらオシマイ。このスタジアムが死んだら、つまりクラブが死ぬって事だ。


来年は08年なんて比べものにならないくらい厳しいシーズンになる可能性がある。今年みたいにアウェイでしたたかに勝ち点を重ねる戦力を保持できるかも分からない。そんなチームを救うのはホームしかねーでしょ。



このスタジアムは今日、最後の最後によりによって松尾にゴールを穫らせた。大丈夫、まだこのスタジアムの魔法は死んではいない。

戦え、このスタジアムの誇りの為に。矜持を取り戻せ。