アデュー・フィリピーヌ

ヌーヴェルヴァーグの歴史の中で重要な作品であるにもかかわらず、数年前まで日本で上映されてなかった」という情報はあったものの、俺はそれほどヌーヴェルヴァーグ云々に関して興味がないってのが正直なところなんだよね。だからこれは古いフランス映画を観に行く、というモチベーションだけで行ったんだけど、これが中々良い。
フランス人のギャグって大抵つまらないじゃん。俺はヌーヴェルヴァーグの作品で笑う経験なんてなんてほとんどない記憶があるのだけど、この作品の笑いは凄くこっちに浸透してきた。この映画のギャグセンスって何となくドリフに通ずるものがあるんだと思うんだよね。つまりユニバーサルな笑い。ドリフはユニバーサルな笑いだからね。クストリッツァの映画で笑えるのはドリフ魂に溢れてるからだし。
だからこれ見て、なんで俺がヌーヴェルヴァーグの作品で笑えないか分かったんだよ。要はフランス人の身の回りで完結するドメスティックな笑いしかないからなんだ。すげー単純な事だけど、今更分かった気がする。ああ、そういう意味で言えばルイ・マルの笑いの要素はユニバーサルな方に振れてると思う。「地下鉄のザジ」とか、あれ完全にドリフだもんな。



うーむ、こりゃ都合をつけて他の作品も観に行った方がいいかもな。時間あるかなあ。