記憶はあった方がやっぱいい

  • 45 激突!

やっぱスピルバーグ先生の映画って、着想の時点でごくごくシンプルなんだよね。「宇宙人攻めてきたら面白くね?」「宇宙人が友達になったら面白くね?」ってね。この映画は「でかいトラックにひたすら追われたら面白くね?」だよね。
もうそのアイデアに肉付けして強度を高める事しか考えてない。そこには登場人物のバックボーンとか、意味を与える伏線とか、そういうものが付け入る隙なんて一切なし。スピルバーグ先生の最大の武器はただひたすら「潔い」所だと改めて思う。


これは見事。これアカデミー賞脚本賞を穫ったらしいけど、ミシェル・ゴンドリーの最も得意とする不条理な映像の造形を活かす為に逆算されたという視点からも、誰もが抱える「失恋の記憶」というテーマに真っ向から挑んだという視点からも、その受賞は妥当な評価なんじゃないかな。
でも何度観てもケイト・ウィンスレットはブスだな。本当にブスだ。


最後の方、車の中で盗聴せずに近くに待機して、来たのが明らかな別人だったら「誰だおまえー!」で良かったんじゃね?…なドジっ子音効技師の話かと思ったら、最後で変態音効技師の話だったという。あんなに偏執狂な男だったなんて。
花火とアンニュイなトラボルタが妙に美しい。