【レビュー】10年第4節 湘南戦@平塚

湘南ベルマーレ 2-0 アルビレックス新潟
スタッツ
黒崎久志監督 試合後コメント



まあこの試合は反町監督の試合後コメントが重要なポイントを殆ど捕らえてるので、それ見ればもういいって気もするんだけどw
http://www.jsgoal.jp/news/jsgoal/00098726.html


試合開始からポゼッションする新潟とキッチリポジションを取って守る湘南、が基本となって進む。序盤はうっちーとゴートクの両サイドバックが高い位置を取り、サイドへの斜めの長いボールを使いながら攻め込んでいくのだけど、湘南はこれまで守備の最大の弱点でもあったアンカーの横のスペースをかなりケアしてきているし、過剰に引っ張られる事が多かった坂本と寺川の2枚のセンンターハーフも、バランスを重視しながらスペースを埋めてきていた。やっぱり2試合連続で同じ失敗はしないよね、反町監督のチームなら。
そんな中最初の決定機は16分。左でゴートクと貴章の二人で起点を作り、貴章が縦へのドリブル突破のトライを見せて右足アウトサイドでクロス(貴章は右利きのリバウドと考えることにした。どんな状況でも右足が一番ww)、それに逆サイドから入り込んでいたヨンチョルがニアに入ってボールを受け、落として三門がPA内でフォローして横パス、それを受けたオオシが反転しながらシュート!しかしこれは右へと切れていく。しかもその後ろからはうっちーも走っていたので、そこに流してもまた決定的ってシーン。
これがこの試合で数少ない、サイドからの効果的な攻撃だった。結局、この試合で凡庸極まりない攻撃に終始した最大の原因ってのはこういう連動が見られなかったからだよね。要はサイドに入った時のオートマティズム。これがチームとして設定されていないから、ただのポゼッションに陥ってしまう。
もうちょっと踏み込んでもうこの試合の結論から書いちゃうけど、湘南が見事に決めたようなカウンターが殆ど撃てないのも、守備、特にプレッシングのオートマティズムが設定されてないから。チームとしての約束事が希薄で、個人技に依存しているから。(ここ数試合でのヨンチョルの孤軍奮闘は、ヨンチョルが頑張らないとチームが動かない、って事を逆説的に証明する結果になってる気がする。)これまで新潟が反町〜鈴木淳時代にブラッシュアップしてきた、前からのプレスがものすごく曖昧になってるんだよね。
本当はこれ、もう少し後で言及しようと思ってたんだけど、言っちゃったねwwwというのも、これまでの新潟の課題って夏場や連戦で体力的にしんどくなる時期に全くパフォーマンスが上がらない、って点。クロさんは「勝ちきるチーム」ってのをテーマに挙げていたけど、それはその夏場や連戦を乗り切るってことも含まれてると思うんだよね。だからこそ、その主因である「前からのアグレッシヴなプレスの功罪でもある、体力的な犠牲」を解決するための、ポゼッション力の向上、ってのを標榜してるんだと思うんだよ。なので、このチームのポゼッション向上への取り組みが見えてくるのは、もう少し経ってから・・・と思ってたんだけどガマンできずに4月で言っちゃったとw
結局、冒頭で紹介した反町監督のコメント「強いチームはカウンターができなければいけない」なんだよね。カウンターを繰り出すってのは、選手の個人技に依存する部分がせいぜい20%くらい。残りは間違いなくチームとしての約束事、オートマティズムが生み出すもの。チームとして練習しないと、絶対に繰り出せないものだ。だけどやっぱりそれが見られない。そしてこの試合でもそうだけどサイドへの展開を見せた後に手詰まりになってチームが動かない、ってのはどう考えてもチームとして何をやるかが分かってないからだろう。今の新潟のオートマティズムって、ヨンチョルが中にドリブルを繰り出して空いた右サイドにうっちーやミカが入ってくる、って所くらいだよね。左には全くない。そしてこの湘南戦のようにヨンチョルの中へのドリブルを意図的に切られると、チームが動かなくなる。エルゴラの記者さんはこの得点力不足の原因を「サイドバックのクロスの精度」としていたけど、そういう事じゃねーよ。代えてあの記者。



・・・・またしても言いたい事が終わってしまったwwwガンバ戦もそうだけど、こういう試合は本当に書きづらい。勘弁してくれい。


20分には狙い澄ましていた湘南のカウンターを見事に被弾して失点。湘南の縦への速さとセンターでフリーになる動き、そして中村の斜めの動きという恐らく散々練習した見事な形。
前半はその後シュートを打つまで至らず後半へ。




後半はいきなりマルシオミドルシュートで幕を開ける。しかしその後もとにかく帰陣の速さと真ん中を締める事を念頭に置く湘南の守備の前に、決定的な形は中々作り出せずに時間は進む。
63分、それを見てベンチが動く。ミカに代えてミシェウ投入で勲がアンカー1枚で、その前にミシェウとマルシオが並び、3トップ気味に貴章とヨンチョルが前に開く形へ。その直後、ゴートクのクロスに抜け出してミシェウがヘッドを放つもオフサイド。これで少し試合が動くかな?と期待するも、結果的にマルシオミシェウの2枚が、相手がビッチリ並ぶバイタル〜PAを嫌がって下がる事が多く、中盤でのノッキングが増えてしまい、大きな効果を見せる事が出来なくなってしまった。しかも湘南ベンチが70分にテラに代えて永田を投入して、田村の横に並べることでさらにそのスペースを消しに来たのでさらに状況は苦しくなる。
71分、ヨンチョルに代えて河原。河原は盛んにボールを引き出すべくランニングを繰り返すのだけど、全く湘南の守備がスペースを作らず沈黙してしまう。
その窮屈な空気の中の76分。オオシへのパスをカットした村松から、手際良く阿部、坂本と繋いで、ボールはチャレンジして前へと走り出す村松へ。そしてまたしても斜めに走ってくる中村を誰も捕まえられないままPAへの侵入を許してシュートを食らう。それは東口が素晴らしいセーブを見せるものの、それをフォローした臼井のクロスを永田さんがかぶって、後ろの田原がフリーでヘッドで流し込んで2-0。これでほぼジエンド。


その後はずっと後半の流れでもある、ポゼッションしてサイドにボールを集めて局面を打開しよう腐心する新潟と、とにかく中だけ締めればOK、っていうコンセンサスをはっきり持って明確に守る湘南の構図のまま、試合は進み。特に何もないまま試合終了。



がんばれ、超頑張れ。クロさん超頑張れ。