「抵抗」「息もできない」

  • 81 抵抗 死刑囚の手記より

俺様採点:4
人生べスト級に好きなジャック・ベッケルの「穴」と同じく、掘る「音」にギラギラとした集中力を傾けてしまう作品。そして全編に張りつめる緊張感からは嘘のような、あのあっけないラスト。素晴らしいね。
それにしてもフランソワ・ルテリエはものすごいかっこいいな。

  • 82 息もできない

俺様採点:5
文句なしの大傑作。もう全編本気汁がドバドバ出ちゃってる。何でもこの映画、超インディー作品だから製作費がなくて、折り合いの悪い(そしてそれがこの作品を作るモチベーションになってるのは明白なんだけど)両親から借りたり、終いには自分の家を抵当に入れて撮ったんだと。もうそのギリギリの状態が続きながら撮った、その張り詰めるテンションがスクリーンから溢れてくる、そんな映画。
これ、「所属」の映画だと思うんだよね。親がどんな存在でも、その家族と言う所属からはずっと逃げ出せない。暴力の連鎖に所属したら、ずっとそこから抜け出せない。どんなに幸せのしっぽを掴んでも、自分の所属の歴史は消える事はない。だからこそ、この作品のキャチコピーでもある「二人でいる時だけ、泣けた」のあのシーンに胸を打たれるんだよね。あの空間だけは、その自分にこびりついた所属からの逸脱だったんだよな。やべえ、また泣きそうになって来た。


それとヒロインのキム・コッピが超カワイイ。ペ・ドゥナと同じく、「基本ぶちゃいくなんだけど、やっぱ超カワイイ」の系譜だな。まあ、途中でジュビロパク・チュホに似てるって気付いてちょっと萎えたけどw

あとやっぱヤクザってああいう服着ないとだめだよね。特に下っ端のファンギュの超絶ダサイセーター(ニット、なんて言わないぞ!セーターだ!)は素晴らしい。北野武作品でもああいうの出てくるけど、ヤクザの下っ端はダサイセーターを着てナンボだな。