マッチポイント

昨日の夜、半分寝ぼけながらトイレへ。なんとなく癖でiPhoneを手に持っていた。


便座を上げて、用を足そうとしたそのとき、手からiPhoneが滑り落ちた。



落下したiPhoneは便器の淵にぶち当たり、シリコンのケースのせいもあってか、一度上に跳ねた。



こっちに落ちて来い!!



俺はその瞬間それしか考えられなかった。
向こうに落ちたら、水が張った便器に落ちたら、全てが終わる。



その願いは通じた。


iPhoneは便器のこちら側の淵を軽く擦りながら落下し、足元に転がっていった。



人生は運。


真上に跳ねたら、こっちに落ちるかあっちに落ちるかだけの事。そしてそれを左右するのは運だけ。


本当にそうだろうか?



そう言い切るまでの覚悟も経験も持ち合わせていないけど、このときだけは運に助けられた。