【レビュー】11年第7節 磐田戦@スワン

アルビレックス新潟 1-1 ジュビロ磐田
スタッツ

黒崎久志監督 試合後コメント

4 / 3.66 = +0.34

サクッと行きます。

試合開始は新潟ペース。初っ端から最前線のブルーノ・ロペスを起点の中心として縦パスがバシバシ入り、相手を押し込むと同時に、それで出来たスペースにミカ、ミシェウ、ヨンチョル、そして勲あたりが顔を出す。その結果ボールがテンポよく左右に回る事となり、一気にペースを握る事に成功。ブルーノに関して言えば、開幕戦はどこでボールを受けるのか戸惑っていた印象だったけど、中断期間を経てかなりその辺が整理された感じだったね。ボールを受けた時の身体の使い方、テクニックも上々だし、もっともっと良くなるんじゃないかね。頑張れ。
そしてその時間特に目についたのが、ミシェウとヨンチョルが横にスライドしながら、うまい事DFラインと中盤の間のスペースで浮くシーンの多さ。これは良いぞチャンスだぞって思ってたら、見事にその二人から試合が動く。6分、左に流れたミシェウが相手をガッツリ釣りだし、その結果ぽっかり出来たDFラインの隙間に、するするっと入り込んだヨンチョルへ勝負パス。PA内に入った所で、スライディングに行った藤田の足がヨンチョルに引っかかりPKゲット。なんかミシェウが蹴るのかヨンチョルが蹴るのかごたごたしたけど、これをヨンチョルが左上にビシッと決めて先制に成功。ペースを握ってすぐに先制するという理想の展開。

そのいい流れのまま9分、ゴートクが真ん中へのドリブルで1枚外して右のセイヤにサイドチェンジ。そこから三門がクロス→ブルーノバイシクル空振り→左のヨンチョルが折り返して、PA内にフリーで入ってきたミシェウがシュート、も阻まれるという1点モノの決定的なシーンを作り出す。
直後の10分にはセンターライン付近でボールを受けた勲が、ブルーノが左に囮となって走って出来たスペースに勝負の縦パス。走り込んだミカが純正のアタッカーでぴたっとトラップが出来てたら、これまた完全に1点モノというチャンスを連続で作り出す事に成功。
とまあこの時間帯は縦パスの威力を後ろ盾に、組織をコンパクトにしたまま相手を押し込む事でペースを握る事に成功していたのだけど、ジュビロも左サイドの山田&パク・チュホのコンビによる起点と、前田と山崎の走り出しからの裏へのロングボールでペースを戻すトライを開始する。
だけどこの試合を通して、東口が相手のクロス対応、裏へと流れるロングボールの処理、共に非常に冷静でいいプレーをしてくれていたので、ここで大きな破綻には至らず、こういう部分で流れを簡単には渡さなかったと思う。往々にしてGKとDFの連携のゴタゴタから流れが移ったりするからね。
その後、磐田がシュートまでの過程を作り出したりして流れはイーブンへと戻っていくのだけど、基本的にはラインをコンパクトに維持する事が出来ていて、ブルーノも踏ん張ってチェイスしてくれるのでポゼッションでは優位に立つ。

26分、左に流れた山田が素晴らしいテクニックでセイヤとミカの間を縫ってPAに侵入し、シュートを放つ決定的なシーンも枠外。
28分には大きなサイドチェンジを受けた山田が、これまた新潟の右サイドで起点を作ってパクチュホを経由して、真ん中の山崎がドリブルで突進、こぼれを山田がシュート、と連続でチャンスを作り出す。
対する新潟も31分、東口からのキックを見事に収めてコントロールして前を向いて起点となったブルーノから、慶行、ゴートク、ヨンチョル、ミシェウから右へのセイヤへと繋がり、セイヤが縦に仕掛けてクロスから、最後はブルーノがヘッドで合わせるも枠の上、というシーンを作り出して反撃。しかしセイヤはこの縦にギュンと抜けてズバーンとクロスを上げるプレーは上手い。確かにこれだけは実に上手い。
続く33分には横パスをカットしたヨンチョルから一気に前のミシェウへ。そこからバイタルでブルーノが縦パスを受け、踏ん張ってキープしたこぼれ球をミシェウがフォローしてヨンチョル、ゴートクが絡んで最後はミシェウがきわどいミドルを放つも左へ外れる。
更に36分はバイタル右寄りでボールを受けたブルーノが反転して左足でミドルのトライ。ステキ!
ここで連続でチャンスを作り出した事で、磐田をジリジリ押し込む事に成功すると、ここから40分くらいまではほぼ新潟がボールを保持し、さらに相手を押し込めているので、ボランチの所を中心に、相手が反撃して来た時のファーストディフェンスの準備も比較的余裕を持って出来るので、何度もターンオーバーをモノにする、といういい時間帯。
その結果39分、バイタルのヨンチョルのポストからPA内に侵入したブルーノが4人に囲まれながらも反転して右ポストをかすめるシュートを放つという、彼にとって最大の見せ場を作りだす。ステキ!ここで獲れてたら、この試合多分終わりだったね。

しかしそのチャンスのあとは再び磐田が縦への長いボールと、サイドの起点作りを中心として、ペースを奪い返して行く。42分にはその長いボールを前田が落として山崎がミドルを放つという、シンプルだけど恐ろしく説得力のある攻撃でゴールを脅かす。
そうやって今度は磐田が新潟を押し込み始めた所で、前半終了。基本は新潟がペースを握ったと言える前半だったけど、所々でペースがグルグル変容してその後どっちに変わるか分からない、そんな忙しい展開だった。




後半、今度は磐田が一気にペースを掴む。運動量が落ちた事もあって全体が引いてしまい、相手の中盤にプレッシャーがかけられなくなった事で、前述の前半30〜40分あたりまでの新潟のいい展開を、今度は磐田に許してしまった。47分、中盤の底から山本から一気に山崎へ勝負の縦パスを通されてあわや、というシーンになりかけたのを切っ掛けに、磐田が主導権を握る。
そこからの約10分は磐田ペースが続いたのだけど、最後の要所だけは締めて、48分のパク・チュホのシュート以外はシュートを記録させない新潟。そこで何とか難局を切り抜けると、今度は磐田の足が止まった事もあり、ブルーノの頑張りから手に入れた57分のCKあたりからようやく流れを取り戻し始めた。
そしてここで新潟ベンチが動く。62分、セイヤに代えて菊地イン。おかえり菊地。
ただ、この交代によって大きな変化、特に攻撃面では変化を付加することは出来なかった。んで中断期間の試合だとうっちーが右サイドバックのオプションだと思ってたんだけど、そっちはないのかね。その交代を見てか、それともどこかで投入することは既定路線だったのか、磐田ベンチは66分、山田に代えてジウシーニョ。左サイドに入る。
そして結果的に、その交代が当たる事になる。直後の68分、右に張った駒野が上手くオフサイドラインを攻略してゴートクの裏に走った山本へパス。そこからのクロスを、菊地と千葉ちゃんの間を斜めに抜けてきたジウシーニョが、フリーで完璧に頭で合わせて同点。これはお見事としか言いようがない。

そして73分、新潟ベンチが動く。ケンゴが準備してるのが見えたので、最初は大宮との練習試合で、いい感じに相手を押し込む事に成功してたケンゴ、ブルーノの2トップに右ヨンチョル、左ミシェウジウシーニョにヨンチョルを当てるのかとも思ったのだけど、なんと一気にフミヤも投入して、ミシェウ→ケンゴ、慶行→フミヤで、ケンゴとブルーノの2トップ、左にヨンチョル、右にフミヤ、ボランチはミカと勲。
そこからは互いに間延びした展開になったのだけど、76分、ケンゴがボールを受けてヨンチョルに落とし、そこからDFラインの裏に抜けたブルーノへパス。ステップが合えば飛び出してきた川口を攻略出来たかもしれない、惜しいシーンを、後半初めてのゴールの匂いが若干するシーンをようやく作り出す。
80分にはCKからケンゴがニアで軽く触って流れたボールに、ファーで菊地が飛び込むもわずかに触れないという決定的なシーンを作る。
81分、磐田は山崎に代えて金園。ウシジマくんが好きで、ローン返済が苦手なあの人や!!
で、そのウシジマくん、88分にCKからクロスバーを叩く超決定的なヘッドを放ってヒヤリとさせると、その直後の90分には、対する川又堅碁が菊地のクロスに完全にフリーで抜け出して超超決定的なヘッドを放つという仁義なき戦いを挑むものの、これは川口能活の親分が完璧なセーブでシャットアウト。そして試合終了。



確認しよう。今年の指標は1試合当たり1.83。この試合の結果を受けて、現在+0.34しか余裕がない。つまり次は勝たないと赤字になる。勝つぜ!!!!