「ザ・ファイター」「共喰山」「パーフェクト・ブルー」「ブラック・スワン」

  • 75 ザ・ファイター

俺様採点:3
クリスチャン・ベイルがペロッと親指についたクリームをなめるシーンだけで、ケーキが4ホール食えます。

  • 76 共喰山

俺様採点:4
面白かった!!これはホラー好きなら絶対に観るべきだと思います。基本をしっかり押さえてた良作。とてもいいと思います。それと途中でバケモノになった女が、カンガルーを襲ってバクバク喰うシーンによってオーストラリア人としてのアイデンティティをさらっと示しちゃうあたり、素敵ですね。この後ちょっとネタバレしますよ。
大体こういう映画ってイライラさせる馬鹿が出てきて、しかもそいつがなかなか死なない、ってパターンがあるけど、この作品でもやっぱいるんだよね、馬鹿な男。そいつチャドって言うんだけどさ。この映画はそいつの女が獣のようなバケモノになっちゃう話なんだけど、最後までこの馬鹿がなかなか死なずに、しかもそのバケモノはまだ自分の彼女だって主張するもんだから、ずっと面倒くさい事になるわけだ。で、最後は諦めてその女を捨てて逃げる覚悟をするんだけど、その獣バケモノ彼女が他の獣バケモノ男と、交尾、そう、文字通り共食いを始めるのを見て、「ぢぐじょー!それはおでの彼女だーい!うわーん!」って作戦を無視することから、一気にラストシーンになだれ込んでいくんだよね。ナイス馬鹿!!ナイスチャド!!バケモノ同士がセックス始めちゃうアイデアと、それにまんまと乗っかる馬鹿の構図。いいなあ。
という事で、「共喰山」って邦題も含め、とてもいい映画だと思います。ブラックスワンもいいけど、こっちもぜひご覧下さい。

俺様採点:4
ブラック・スワン」の元ネタらしいと聞いて鑑賞。すげえ面白かった。大体犯人の目星は付くし、予想通りの展開だったけど、それでも見事。アニメ的でない実写的な演出も、アニメでしかあり得ない演出も、いちいち意匠が感じられる見事な作り。凄い。
それにしても「アイドルが脱がされる」って本当にドキドキするよね。某やまぐちさんとか、やっぱたまらんもんな。エロかったなあ。

俺様採点:5
文句なし。大傑作。
観てる途中で、「π」と「レクイエム・フォー・ドリーム」の監督だと思いだし、そして最後は、ああこれ「レスラー」だ、と思い出すというダーレン・アロノフスキーの集大成と言える作品だと思う。前述の「パーフェクト・ブルー」の「もう一人の自分と対面しながら、夢と現実を行き来する」というアイデアを拝借しつつ、彼らしいリズムでカットを話を積み上げて一気に最後まで疾走し、大音量で鳴らされるバレエ音楽のダイナミズムを加える。見事。完成度が恐ろしく高い。


そしてこれは、「自らの解放」という事が大きなテーマになっているけど、一方で「自らの道を全てを賭して全うする」というテーマが存在していると思う。そう、まさに「レスラー」のそれと同じ事。そして、実はそっちが最も重要な所なんだと思う。
オトナ一歩手前の女の子としての「フツー」とは何なのかも知らず、性の喜びもも知らず、母親の自己投影の影響もあって、ほぼ強迫観念的に、知っているのはただバレエだけだという彼女がやるべき事、やるしかなかった事は、やっぱりバレエしかなかったのだ。逃げる道もなかった訳じゃないし、実際にそこから一端は逃げようとした訳だけど、それでも最後はその逃げた自分に折り合いをつけ、バレエという自分の道、そして何より母親という大きな道に対して、自分の表現で答えを出して、散って行った。その高潔さと、愛おしさ。そしてそれを肉体の躍動と表情だけで表現しきってしまったナタリー・ポートマン。凄いね。大傑作と呼ぶに、まさに死角のない傑作。凄い。