2011年シーズン終了

Perfumeの「dream fighter」って曲の歌詞に「最高を求めて終わりのない旅をするのは きっと僕らが生きている証拠だから」ってラインがあって、最初はその気概と覚悟に驚きと同時に感心したわけなんだけど、よく考えると、これは逆に言えば「最高を求め続けないと死ぬ」っていう強迫観念でもある訳だよね。そんなとても息苦しい状況でしか、生きていけないって事だよね。しかも「終わりがない」のだ。強制的に続いていくんだ。終りは死以外に用意されてないのだ。

今、アルビレックス新潟が立っているのは、この状況だと思う。

08年もそうだけど、このクラブは誰かがサボったら死ぬんだよね。はっきり言っちゃうと、08年は強化部とクラブの財布が戦えなかった。それで死にかけたのを、現場が必死になって食い止めた血みどろのシーズンだった。

今年は、去年の勝利の味を忘れかけた所で、初勝利以降の快進撃による上位への道筋と、鹿島をはじめとする上位を葬る快感の再確認、そして「ACL出場」という目標の訴求力。これに吸い寄せられた時期こそが、このクラブが生きる価値となって加速していったと思う。

やっぱさ、上への訴求力に引っ張られて戦うしかないんだと思うんだよね。「ACLはまだ早い」って意見がある。そこには、このクラブが右肩上がりに成長していく、という大前提が横たわってる訳だよね。だけどはっきり言ってしまうと、それは夢想家の戯言に過ぎないと思うんだ。むしろ可能性が高いのは、恐ろしい事に、このクラブが弱体化する事。今のアルビレックス新潟をピークとして、以後落ち込んで行くって事だ。

僕らには、そんなに後ろ楯が潤沢にある訳じゃない。本気でぶっ倒れた時、奈落の底へ落ちるのを護るには十分とは言えない盾しかないんだ。

だったら、今を戦って常に最高を求めるしかない。気を抜く事を許されず、常に戦闘状態になることを強制されてる状態。スティーヴン・キングの初期作品に、常に歩くことを強制され、立ち止まったら射殺される、って話があるけど、ほぼその状態なんだよね。恐ろしい事に。

そのスリルと息苦しさを共有するのが、僕たちのやるべき事。それを、ずっと続ける覚悟をしなければならないというちょっとした「不安」と確固たる「決心」。それを今年何より思ったね。おっぱい。

でもさ、この「不安」は例えばゾンビ映画を観て「キャーこわーい(o≧∇≦)oでもたのしー!」って事に限りなく近いんだよなwww覚悟を決めちゃえば、こんなに楽しい事はないぜ!



選手・スタッフの皆さん、1年間お疲れ様です。最高を求めて死ぬまで走り続けなければならない旅路、ついていきますよ。来年もよろしく。


これ、去年俺がシーズン終了後に書いた文章。今年はどう説明したらいんだろう、って思ってて去年の読んでみたら、なんか色々腑に落ちたので再掲。


来年は死闘だね。間違いなく。僕たちは常にタフでいましょう。