異国で迎える3.11

こっちに来てから3ヶ月が経ちました。日本を離れてから3ヶ月が経ちました。こっちに来る前にある程度は、きっと日本が恋しくなったり、日本の素晴らしさを再認識することになるだろうと予想してはいたのだけど、ここまで深くそう考えることになるとは思いませんでした。日本は素晴らしい国なのです。美しく、謙虚で、強靭な国なのです。あんなに他人を慮ることが美徳とされる国は中々ありません。あんなに多様に文化的な要素を受け入れ、拡散していける国は中々ありません。日本料理の美味さと、それを支えてきた日本人の舌に誇りを感じます。
2011年3月11日の未曾有の悲劇を経験した後、本当に多くの人の心に愛国心が芽生えたと思います。いや、芽生えたというよりも、大なり小なり抱えていた愛国心がくっきりと明確化し、それを恥ずかしがらず誇りに思うようになった人が増えた、という表現の方が正しいかもしれません。俺も大枠ではそうです。
今こっちで働いているのは自分のためです。自分の今後の人生にきっと大きな影響を及ぼしてくれるであろうという期待と、自分で打算する部分と意図せず突発的に起こる部分の両面で、色んな転機になるのではないかという期待と、そしてお金のためです。たんまり貯金額を増やすためです。世の中銭です。
でも自分がこっちで働くということは、自分が愛する日本という国のためでもあるという事を考えるようになりました。その意識はこの間日本に一回帰った時に、更に加速することになりました。こっちで稼ぐほんの少しの利益でも、中国から日本へ還元されて行くんです。これはこっちで働いてる人間にしか出来ないことなのです。仰々しいことを言うつもりはないけど、ほんの少しでも日本のためになっているという感覚は常にあります。
正直、こんなことを書くなんて自分でもびっくりしています。今のところ自分のことで手一杯なのに、国のことを考えるなんて、逆にモノが見えてないんじゃないかって気もします。焦点がブレているんじゃないかって気もします。正直そうなのかもしれません。そうじゃないのかもしれません。よくわかんないです。
だけどとにかくシンプルに考えれば、「日本という国が好きである」ということに変わりはないわけで、自分のため(ってか主に金のため!)だとしても、こっちで中国人から金を頂いてそれが日本に流れていくという構造は揺るぎない以上、もうやるしかないわけですね。ここで「頑張ります」って言うのもなんかこっ恥ずかしいし、自分らしくないので言いませんけど、とにかく自分は自分の日々を美しくすることに執着して、ほんの少しでも情熱を心の傍らに置いて、日々を過ごして行きたいたいなと思っております。
ですから日本の皆さんもお元気で。日本という国が、これからも美しく、強くありますように。