【プレビュー】第11節 清水戦@日本平

今年の日程において、2度目の5連戦の締めくくりとなる試合であり、最後に待ち構える難敵との対戦でございます。1回目の5連戦では4勝1分という素晴らしい成績だったのに比べ、2度目の連戦はここまで1勝2分1敗、得点3・失点7という微妙な数字。2度目の5連戦を勝ち越しで終えることが出来るか。そして溜まりに溜まった疲労の中でどんなプレーを見せることが出来るか。
今回の相手の清水は3年前の長谷川健太監督就任から、一貫して堅実で各人の距離感を大切にする4バックを基調に、中盤のプレッシングとトレーニングされたポジショニングで守備と攻撃を構築し、サイドバックと中盤の連携でサイドアタック主体に攻めるサッカー、という確固たるスタイルを持ったチーム。今年もそれは変わらない。そしてこれはチームとしての伝統なのか、全体的になんと言うか、所謂インテリジェンスを感じさせるチームだと思う。それが強みであり、同時にそれが故に混沌とした状況に弱さを見せる事もあるのだけど。
今の清水の攻撃を牽引する最大のキーパーソンは、藤本でも兵藤でもフェルナンジーニョでも、チョ・ジェジンでさえもなく、間違いなく岡崎だと思う。個人的に次のオシムのサプライズ枠じゃないかと密かに思ってるんだけど(それと勲もな!)、自陣のバイタルエリアまで守備に奔走する運動量を見せると同時に、攻撃に移れば巧みなポジショニングセンスとスピードでDFラインの裏を狙い、テクニカルなドリブルで勝負を仕掛けまくる。仕事としてはフェルナンジーニョと同様なんだろうけど意外と消える時間が多い彼と比べて、岡崎はその運動量を武器にどこにでも顔を出してくる。新潟としてはまずは彼の動きをしっかりケアする事が重要になるだろうね。
今年の清水はこれまでのフラット〜ボックスの4-4-2から、ダイアモンド型の4-4-2にシフトチェンジしたのだけど、最近のサッカーはもっと詳しく言うと4-3-1-2の形になっていると思う。いつもの4バックに、中盤は伊東輝悦がセンターで左右の藤本と兵藤がワイドに張るというよりは、伊東寄りに絞って相手にスペースを作らせない形を作る。そしてその前の3人=岡崎、フェルナンジーニョチョ・ジェジンがポジションを自在に変えながら攻め込んでくる。基本的にはチョジェジンがトップに張ってその後ろにフェルナンジーニョと岡崎が並ぶという形なんだけど、チョジェジンはかなり後ろまで下がってボールを受ける事が多いので、その基本的な並びはあってないようなものだと思う。
新潟はその前の3枚に対しては、チョジェジンにセンターバックのどちらかがきっちりとマークに付く事は基本として、残りのフェル・岡崎に対しては残りのセンターバックサイドバックボランチで受け渡しをしっかり行って丁寧に守っていくことが重要になるだろうね。先述の岡崎に負けないだけの運動量を見せつけるのと同時に、清水で最も決定的な仕事の出来るフェルナンジーニョを90分間沈黙させたい所。彼の沈黙は89分では不十分。この前のガンバ戦の様に一瞬の輝きでゲームを動かす事の出来る選手だからね。
そして清水の攻撃のもう一つのキーマンは間違いなく市川大祐。今年の市川は本当にイイ。相変わらずの運動量とダイアモンド型への変更によって生まれたスペースを生かしての攻め上がり。そして緩急使い分けたアーリークロス。センターでチョジェジンという傑出したターゲットマンがいる以上、このクロスに対しては何が何でも対策を講じなくてはならない。その為には新潟の左サイド=坂本と恐らく慎吾であろうサイドハーフの連携が重要。スペースをキッチリ埋めるのもいいだろうし、もしくはこちらから先手を打って攻め込んでしまうのもいいだろう。先日のナビスコ大宮戦でもそうだったけど、実は清水の右サイドは最大の武器でもあり最大の弱点でもあると思う。大宮の拙攻に助けられて失点は免れたものの、不安定な右サイドを何度も突かれていた。ただし、今年の清水の攻撃はやっぱり右サイド寄りなのは間違いない。だから明日は新潟の左=清水の右の攻防が勝負を大きく分けるのだと思う。市川のクロスが目立つか、それとも慎吾の馬力が目立つか。
先日のナビスコ甲府戦は今シーズンで一番疲労の影響が色濃く出た試合だったと思う。いつかは出てくるであろう疲労という問題がついにここに来て頭を出してきたのかもしれない。例えばここまで出場停止以外ではフル出場の千代反田が、ここ2試合決してベストパフォーマンスとは言えないプレーが続いている事からもそれが伺えると思う。ただしそれはどのチームも同じ事。そして前節の甲府戦の勝利で手に入れた上位進出への権利を、ここでみすみす逃すわけにはいかない。だって今回勝ち点3手に入れたら上位陣の状況によってはかなり素敵なことになるかもしれないじゃないか!!!だからここで蓄積した疲労とも戦いながら、もうひと踏ん張りしてくれ。もっともっと上に行くためにはこの疲労との戦いも避けて通れないからね。明日はアルビレックス新潟はタフな集団である事を宣言する試合だ。さあ、勝ってもっと上目指すぞおらーーーーーーー!!!!!!!!!