【レビュー】第12節 鹿島戦@スワン

アルビレックス新潟 1-1 鹿島アントラーズ
恋の病と、ある原稿の〆切ですっかり更新が遅れました、歌丸です。今回はちょっと短く纏めてみます
はっきり言って状況的には今シーズンで最も苦しい試合だったと思う。エジもシルもいない。コンディションが下がったまま上がってこない。貴章も亜土夢も河原も代表帰りで疲労困憊。そんな中で連敗を避けた。これは評価していいだろうね。後で言及するけど、こういう微妙な状況で獲得できた勝ち点1を今後にどうつなげるかって事が重要だろう。
まず、この試合も入り方が良くなく、鹿島の狡猾な試合運びの波に飲まれかけた。一発目のCKでフリーになりかけた岩政に、その直後のCKも同じく当ててくるという鹿島の嫌らしさに、まんまと先制を許してしまった。先週の反省が全く活かされない失点。そしてこの後の10分くらいは、明らかに浮き足立った新潟のDFラインにある程度曖昧でも構わず、縦にバシバシボールを運ばれる。ここが鹿島の試合巧者な所だろうね。試合を決められそうな匂いが漂ったら確実にモノにする。そういうところは選手が変わっても脈々と続くクラブの歴史なんだろう。
はっきり言ってその時間帯があと10分ほど続いたら我慢しきれずに失点を喫する可能性も大いにあったと思う。しかし、そんな中で、深井正樹の本当に本当に素晴らしいゴールが決まる。そうだ、こういう決定的な選手がいるってのが今年の新潟の違う所なんだよな。そんなことを再確認させてくれるような、状況的にも最高のゴールだった。
結局、このゴールが前半の分水嶺となって、ここからは完全に新潟が落ち着きを取り戻した。この混沌が整然に変わると一気に輝いたのが勲。やっぱりDFラインとの良好な関係性の中で輝く選手なんだろうね。やる事がはっきりとすれば完璧な仕事をこなす男だ。素晴らしかった。
しかし後半に入って鹿島が中盤の構成を弄って、中後が1ボランチとしてバイタルでの守備専任のような形に変えてくると、新潟のカウンターが全く発動しなくなってしまった。その状況を打開すべく2トップも動き出しを試行錯誤するものの、次第に運動量が落ちてしまいボールが収まらなくなる。そうすると攻撃に移っても最後尾〜中盤からのパスの出所を失ってしまい、相手に簡単にボールが移ってしまう、の繰り返し。千葉と千代反田の両CBの奮闘と勲の気の利いたフォローで何とか凌ぎきったものの、非常にしんどい戦いだった。
しかしこういう試合で勝ち点1を拾ったのは本当に大きい。今週はナビスコの決勝トーナメントを賭けた戦いが待っている。その試合もエジと内田と恐らくシルが離脱することになる。絶対に勝たなくてはならない試合を前にして、今日のようなしぶとさを見せたことは、必ず何らかの影響を及ぼすはずだ。いや、及ぼしてもらわなくては困る。まだ見ぬ決勝トナーメントへ。絶対に、絶対に行こう!!