【レビュー】第24節 千葉戦＠スワン
アルビレックス新潟 0-1 ジェフユナイテッド千葉
地獄の6連戦。結果は3勝3敗、得点7、失点6。まあ、何と言うか、まずまずの結果だったと言えるだろうね。でも、4勝2敗でもおかしくなかったし、3勝2敗1分くらいは間違いなく手に届く範囲だった。つまり、早い話がこの千葉戦もっと出来たんじゃないの、っていう。
まずこの試合で大きなポイントだったのは新潟のスタメン。マルシオ・リシャルデスとシルビーニョが欠場。そこに千葉と松下が入る事となった。前半、その松下がスペースに飛び出す動きを見せてリズムを作っていく。マルシオの代わりに入ったことで、どんなプレーを見せるのか注目だったのだけど、スペースに積極的に飛び込むという形で持ち味を発揮していた。そういう意味では、前半の功労者は松下だったと言えると思う。まあ、完全フリーのヘッドを決めてれば、「功労者」から「勝利の立役者」に昇格できたんだろうけどね。
で、前半は全体としては新潟がキッチリスペースを埋めて守って、ボールを持たされているジェフの隙を突いて速攻を繰り出すという図式。特に守備において千代反田は完璧。センターで待ち構える巻に対して100％の勝率を誇り、ジェフのクロスを無効化し続ける。それと勲も的確なタイミングでプレッシャーをかけて、ジェフに起点を作らせない。今日の守備はこの二人が主人公だったといえるだろうね。
ただ、ここで何度もいい形で繰り出した速攻で作ったチャンスを、まるで清水戦を見ているかのようにむざむざ潰し続けてしまう。特にエジのループがバーを叩いて貴章がヘッドを放ったシーンは、絶対に、絶対に、ぜ っ た い に 決めなくてはいけないシーンだった。センターフォワードとしては最悪のミス。あれが決められなければ代表云々なんて以前の話。ほんの1週間前の清水戦で、何度も訪れるわけではない決定的な形を決められなかった後に待ってる悲劇を目の当たりにしてるはず。こればっかりは猛省を促したい。
そして無得点のまま迎えた後半。前半とは逆に、どちらかというとびっしりスペースを埋めて守るジェフと攻めあぐねる新潟という図式。特に淳さんが試合後のコメントで出しているように、サイドで起点を作ったり、連動性のある動きが出来なかった事が、新潟の攻撃を停滞させまくる。
松下は後半消えてしまったし、坂本は半端で散漫なポジショニングが目立ってワイドで開いた時に攻め手を失ってしまうシーンが多発。その結果サイドバックの攻め上がりも発揮される事なく、サイドが完全に死んでしまった。そんな中でも貴章が果敢なドリブル突破で局面を打開せんと奮闘したり、エジが引いてボールを受けてリズムを作ろうとしたり、松下に代えて深井を投入したりしたのだけど、どうしても単独行動になり、連動性が生まれてこないので結局単純な縦への突破に終始してしまい、サイドを上手く使うことが出来ない。しかも新潟の両サイドバックが時間を追うごとに完全にオーバーペースな色合いが強くなる。
そんな新潟の状況もあり、ジェフの最大の武器であるサイドアタックが次第に牙を剥き始める。ただ、ジェフの最後の精度が雑なのと、巻が全く千代に勝てなかった事で事なきを得続けるのだけど、アマルの青木＆新居投入という英断が試合を動かす事になった。青木の完璧なクロスと、新居の完璧なシュート。そんな1試合に1回あるかどうかってレベルのスーパーなプレー一発に、失点を許してしまう事になった。
その後はさらにジェフの守備陣がスペースを埋めるという仕事の意識を尖らせた上に、池田を投入して新潟の前線のプレイヤーにそれぞれマンマーク気味に付かせると言う万全の策を取って来た事でジ・エンド。そんなこんなで清水戦のデジャヴかと思うくらいに同じ展開で守りきられてしまった。
永田の言葉を借りれば「0-0の時の戦い方がまだまだ下手だと感じた」。この試合はこの一言に尽きるのだと思う。酷い内容ながらも勝ちきった神戸戦も甲府戦も、先制点が比較的早い時間に奪えた事でああいう試合が出来たのだろう。ただ、この試合はそうじゃなかった。73分まで0-0の状況が続いて、どうやって試合を動かしていくかって事を考えなくちゃいけない状況だった。そんな中で、まんまと相手に得点を謙譲してしまうという甘さ。清水戦でも完璧に露呈してしまった甘さ。ここが次の課題なんだろうね。
まあ、今までは「1-0で逃げ切る」なんて戦法がまるで引き出しになかったチームだし、そこを「とりあえず」クリアした事は喜ばしい事なんだろうね。ていうか発展途上だし、こんな上位争いなんて初めての経験だし、とにかく知見がないものがわんさかの今シーズンで、こういう課題が次々に出てくるのはいい事。とにかく今は上に離されない様に踏ん張って、一個ずつクリアしていくしかないね。
しかし、それにしても、この試合、負けたくなかったなああああ！！！！あーなんだろ！！今年で一番釈然としないかも。あーもう！！
まーともかく、今年で一番キツイ連戦は終わり。とりあえず選手の皆様はじっくり休んでくださいな。後は2週間の中断期間で、何が出来るかが問題だ。うっちーの怪我も気がかりだし、マルシオも大丈夫？シルのコンディションは？ていうか攻撃陣の停滞の原因は？･････などなどやることはいっぱい。とにかく、いろんな事を整理して、ホーム柏戦で必ずやなんらかの回答を。なんせ、この後は鹿島、浦和のアウェーという悪夢のような日程が待ってるし、そもそも残ったアウェーはその2試合に加えて川崎、マリノスという難敵揃い。残り10試合。上位に必死に喰らい付き続けよう。夢中で上位に喰らい突いてれば最終的にはかなりいい位置にいれるはずだしね。
とりあえず、ゆっくり休んでくれ！
