【レビュー】第30節 磐田戦@スワン

アルビレックス新潟 1-1 ジュビロ磐田
あのさ、シュトゥットガルト夏だぜ!って昨日の夕方に言ってみたんだけどちっとも面白くなかった。何が面白いんだ、シュトゥットガルト夏だぜ。
さてこの試合、評価の難しい試合だけど、ウチの守備が混乱してる時間帯にジュビロに勝負を決められちゃうっていう展開でもおかしくなかったし、後半の少なくとも3回はあった決定機を一発決めて2-1でうっちゃる試合展開でもおかしくないし、1-1で終了するのも総合的に見れば妥当だったといえると思う。あくまで客観的に観てね。
でも、上位に食い込むことを目標としてるチームがホームで戦ってるわけだから、この3つの可能性の中なら2-1でうっちゃるという結論で落ち着かなくちゃいけなかった。だって、この試合で勝ち点3を手に入れてれば、5位にステップアップできたんだよ。残り4試合しかないんだ。そんなに何度もチャンスは巡ってくるわけじゃない。どんなに素晴らしい過程を経たとしても、振り返るシーズンの結果は残り4試合を終えた後の結果だ。だから、こういう試合で勝ち点3を貪欲に狙えなくちゃダメだと思う。
この試合の前半に顕著だったのは新潟の守備陣の危うさ。特に新潟守備陣の要の中の要である千代反田が絶不調。前半の千代は間違いなく今シーズンで最低の出来だった。ジュビロは3-5-2のシステムで、前線はカレン、前田の2枚にトップ下が西という構成だったのだけど、この前線3人が常に新潟のバイタルエリアに張り付いて新潟の守備陣にプレッシャーを掛け捲るという戦い方をとってきた。その3人に対して、ボランチとCBがしっかり挟み込んで自由を与えない形を取れればよかったのだけど、最初こそCBがプレッシャーを掛けに行った所で勲がするっとボール奪取したりして上手く進めていたものの、15分を過ぎたあたりから次第にその構成に混乱が生まれ始める。これは淳さんも反省点として上げていたけど、その結果ラインを上げるというタスクが物凄く半端になって、前田やカレンが一番美味しいエリアでボールを受けられるというシーンが増えてくる。
そして20分。北野のゴールキックジュビロの守備陣が跳ね返した所で、中途半端なライン設定をしてた新潟のDFラインがその浮き玉の処理を誤ってしまう。自らの半端なライン設定のせいで、不利な体勢でその浮き玉を処理しなければならず、美味しいバウンドボールを前田に謙譲して失点。あれは前田の技術の高さも素晴らしいけど、判断を謝った千代反田はじめとする守備陣のミスも大きかった。
そしてその失点からエジのゴールが生まれるまでの15分間がこの試合で一番の窮地。チャンスを嗅ぎ付けたジュビロの攻撃陣が前線3人だけじゃなく、成岡や上田、そしてその成岡の右サイドをフォローするようにCBの加賀がゴリゴリと前に出てくる(しかし加賀って本当にいい選手だよね。個人的に大好きな選手。俺がもし新潟の強化部で一枚DFを補強したい、って話になったら間違いなく加賀を狙いに行くだろうな)。その結果、ゴール前に張り付けになるシーンが増えて、元々ロングボールの処理が上手いほっかもにもウソみたいなキャッチングミスが生まれ、ぐちゃぐちゃに混乱した守備陣のギリギリのプレーと(特に30分過ぎに4枚のDFが、ニアに走りこむ前田一人を完全にフリーにしたシーンはありえなかった。なんだよあれは!)、磐田の単純なシュートミスが羅列する事になった。
ただ、これは後でも言及するけど、そのジュビロの厚い右サイドの攻撃をしっかりと封じ込めたヒロシのプレーは出色だった。彼がジュビロの右サイドに蓋をして縦への展開を許さなかったのが、前半を1失点で切り抜けた大きな要因になったと思う。
で、そういう嫌な流れを断ち切るのはやっぱりゴール。スローインを受けた貴章が実に彼らしい身体の入れ方でセンターにグランダーのクロスを送ると、エジが1発目のトラップでDFをいなしてニアサイドにボールを運ぶ。もうこの時点で思わず「おおお!!この形はっ!うおおおおい!」と叫んでしまったのだけど、前半戦@ヤマハスタジアムの貴章の同点と殆ど同じ形。違うのはエジ→貴章じゃなくて貴章→エジだという点。で、となれば貴章より遥に決定力の高いエジがゴールを決めるのはもはや当然でwwエジも恐らくあの日の形が瞬時に頭に浮かんだんだと思う。何はともあれこのゴールで、新潟の窮地は幕を閉じる事になった。
そして後半。前半の惨状とは打って変わってDFラインと中盤の位置取りが修正されてクリアになると、一気に磐田の攻撃はトップにボールが収まらなくなった。その結果、新潟が高い位置でボールを奪うことが出来るようになる。すると新潟はエジにボールが収まるようになり攻撃が活性化した。
そんな展開の中でジュビロは前半に比べて前3人だけでなく、サイドへのワイドな展開(特に右サイド)への展開が増えてきたのだけど、ここでヒロシが完璧な守備を見せてその展開を封じる事に成功。これは成岡→太田へのスイッチ後にも健在で、このヒロシの左サイドの守備と、いつもより積極的な前への意識が、その前の坂本の攻撃力を後押しする事になった。後半の早い時間帯では坂本がウイングかシャドーストライカーかってくらいに積極的に前線に絡み、特にエジとの連携で何度となくチャンスを作り、ペースを新潟に引き寄せる原動力となったのだけど、ヒロシのプレーの質がそれを誘発させていたのは忘れてはいけないだろうね。
で、時間が経つにつれて互いにラインが間延びしてオープンなカウンターの打ち合いの様相を呈してくる。磐田も「おい!!千葉ちゃん!!」みたいな形でカレンが抜け出したりっていう形を作ったけど、間違いなく新潟の方が決定的なシーンは多かった。特に勲が川口と1対1になったシーン、そしてそのこぼれを繋いでマルシオが押し込むだけのヘッドを放ったシーンはどちらかは絶対に決めなくちゃいけない形だった。後半は特に切り替えのスピードの速さという単純なフィジカル・メンタル面で、新潟が勝利を収めた訳だから、その勝利を勝ち点3に昇華させなくちゃいけなかったと思う。それが、本当に残念。
ま、甲府が、俺たちの甲府マリノスと引き分けてくれたのでまだ6位にいるけど(ていうか甲府落ちないでくれ!!来年も勝ち点6欲しいの!)、今日の川崎の結果如何ではその変動もあるかもしれない。5位争いは混沌を極めてきた。去年と同様、ちょっと落ちたら10位くらいも見えてくるという中位のゴチャゴチャが生まれ始めてる。だからこっからが最後の勝負どころ。去年みたいにあれよあれよというまに14位みたいな無様なフィニッシュだけは許されない。あと4試合。最後に笑うために、こっからは全試合で勝ち点3獲れ!!!相手を見れば勝ち点3獲らなくちゃいけない相手ばっかりだ。なんつーかもー俺は最後残り4試合は厳しいモードで行くよ。もう一つも勝ち点落とすな!そのくらいの気概を持って戦ってくれ。最後に、笑うために。