ぼくはきょうほんやで「小学一年生」をかいました。ちなみに僕はあさって26歳になります。

いまどきの『小学一年生』の付録
はい、絶賛25歳してる俺ですけども、明後日で26歳になる俺ですけども、ヤフートップになってたこのニュース見ていてもたってもいられなくなって買っちゃいました。小学一年生。
しかしいつからかなぁ、「自分の確固たる意思を持って買う」ならば何を買ってもちっとも恥ずかしくなくなったのは。「小学一年生」を買うのも、「ヤングギター」を買うのも、「もってけ!セーラーふく」を買うのも、女性店員がレジのビデオ屋麻美ゆまとか「バルーンボディ BONG BANG BOMB」とかいうフェチもののAVとか借りたりするのもちっとも恥ずかしくないよ。だってこれが俺の意思だから。「サッカーai」とか「ランナーズ」とかU2のベストアルバム買う方がずっと恥ずかしいよ。
まあいいや。で、買ってきて早速使ってみたんだけどさ

指入らねー!そしてこのコード短すぎて本来手首に来るべきマジックテープのバンドが全く届かねー!
何だよ!これ不良品じゃないかよ!って思ったんだけどさ、ええ、その通りだよ。俺が間違ってるよ。小学一年生の付録捕まえて25歳が怒っていい場面じゃねーよ。お門違いもいい所だぜ。でもちょっとだけ残念だったのは、俺これ指を曲げるだけで音が鳴るみたいな仕組みだと思い込んでたんだけど、指先にあるボタンをピアノを弾くが如く押して初めて音が出るんだな。そりゃそうだよな。付録だもんな。
しかし付録でこれだけコストのかかるものを入れるってのも凄いよな。しかも付録これだけじゃなくて、ピカチュウジャンボバスケットゲームとかいうペーパークラフトと、ラメだの金の箔押しだのこれでもかって程に金をかけたカード3枚に、両端が赤色と青色でラメ入りのプラスチックを使っためちゃくちゃ金のかかってそうな「きらりんレボリューション」のボールペンとか入ってんだよ。それにDVDまでついてこれで550円って中々すげーんじゃね?って思うでしょ?でもこの謎は小学一年生を読んでたら氷解したので、それはまた後で。(あ、ちなみにこのDVD、見てみたんだけどエラー出まくりで見れたもんじゃなかった。小学館さん、これ大丈夫なの?)

それにしても「小学一年生」って思いのほか難解だな。難解って言うか、読んでると死ぬほど疲れる。「新潮」とか「すばる」の方がずっと疲れずに読めるよ。というのも、とにかく情報量が多いんだ。一つの記事を数ページ使って特集するって言うよりは、とにかくインパクト勝負で画を派手に「子供を飽きさせない」って事に主眼を置いた作りなんだよな。そりゃそうだよな。読むの6歳とか7歳だもんな。一時期出版業界を目指してた俺としては、ちょっと目からウロコだった。
で、「小学一年生」を読んでてはっきりと分かった事。この雑誌、めちゃくちゃ金の匂いがする!主に任天堂セガバンダイテレビ東京の金の匂いがする!!だってこれ殆どが「子供を媒介に大人に金を出させるビジネス」とのタイアップなんだもの。いや、多分この図式は俺が「小学一年生〜六年生」を読んでた頃と同じなんだろうけど、大人になった今はっきりとわかった。この雑誌って記事とか特集が集まってるって言うよりも、ほぼ広告だ。つまり子供が親に「これ買ってー!!」ってねだるためのカタログだな。まるでダメになった頃の「TITLE」みたいだ(昔の「TITLE」面白かったのになー)。
だってポケモンだの、きらりんレボリューションだの、ムシキングだのって記事に並んでいきなり、ホンダのステップワゴン「スパーダ」の特集記事とかあるんだもの!しかも「おうちの人といっしょによもう!」とか書いてあんのwww金の匂いがするぅぅぅぅ!!!
これでわかったでしょ?付録が豪華な理由。天下の任天堂やホンダやバンダイの庇護があればあんな付録余裕だよ。ここで皆に問いたい。大人になるって、いい事なのかい?



で、やっぱりこの雑誌って親が読むことも多いから、親向けの別冊がついてるんだよ。教育方針がどうあるべきとか、入学前に子供に何をさせるべきかのチェックリスト特集とかね。で、その中に「松井秀喜選手のメジャーリーグ日記」ってのがあるんだけど、その書き出しが「小学一年生を読んでくれている読者のみなさん、こんにちわ!ニューヨークヤンキース松井秀喜です。これから1年間、僕が思ったこと、感じた事を日記にして毎月みんなに届けていくから、よろしくね!」とかなんだよwどっち向けだ!!まあ、一応「保護者の方とお子さんが一緒に読めるような内容にしてます」とか注釈があるんだけど、このどっち向けか稀にわからなくなっちゃうカオスな感じ、とてもいいと思います。
もうこうなったらこの枠で色んな人の日記やっちゃえばいいんじゃね?「三田格デトロイト・テクノ日記」とかさ。「小学一年生を読んでくれている読者のみなさん、こんにちわ!三田格です!よろしくね!今日はデリック・メイホアン・アトキンスのそれぞれの別名義についての考察からだよ!」とかさ。あと「菊地成孔モダンジャズ×フリージャズ」とかさ。「小学一年生を読んでくれている読者のみなさん、こんにちわ!菊地成孔です!よろしくね!えーいきなり話は飛んで、最近ワタシが部屋でティナント・スプリングウォーター片手にプッシュアップをしている時の事なんですが(←こういう飛躍はアンファン・テリブルのみなさんが親の脛をガリガリ齧る為のカタログと化している、このコンフューズドな雑誌にはピッタリじゃないでしょうか(笑)」とかさ。
あとは「氏賀Y太のグロテスク&エロティシズム日記」とかさ。「小学一年生を読んでくれている読者のみなさん、こんにちわ!氏賀Y太です!よろしくね!グボボボッ!グエッ!ゲェッ!」とかさ。あと「ヨハン・クライフの追憶のトータルフットボール」とかさ。「小学一年生を読んでくれている読者のみなさん、こんにちわ!ヨハン・クライフです!よろしくね!過剰なシステム至上主義の中でテクニック軽視が進むモダンフットボールにおいて、ジネディーヌ・ジダンの引退という出来事は一つの転換期だと私は思う」とかさ。
とまあ、妄想はこれくらいにして、こうやって自分と全く関係のない雑誌を読んで突っ込みまくるってやっぱり楽しい。みなさんも死ぬほど暇な時、日々の生活に張りを感じない時なんかは、自分が絶対に読まないであろう雑誌を読んでみるのお勧めですよ。脳が新しい動きを始めてくれる事もあったり、なかったりしますよ。
俺のお勧めは改造車の雑誌ね。KANIとかDOGTOWNのジャージを何のてらいもなく着こなせちゃう類の人々が読む雑誌だね。だってああいう雑誌の投稿欄凄いよ。「祝!○○兄貴出所!」とか書いてあんだよ。「祝!出所!」だぜ?そりゃめでてーわ。


そういや今日は小学一年生を読んだけど、小学五年生とかになると性教育の特集とかもチラッと入って来るんだよな。ぶっちゃけてしまうと、俺が、その、なんだ、ガーシュウィンを、ラプソディー・イン・ブルーでお馴染みのガーシュインを、ガー・シュインを覚えたのって、小学五年生だったか小学六年生だったんだ。その雑誌の性教育コーナーにちらっと、ものすごーくオブラートに包んで表現されてたラプソディ・イン・ブルーの方法の文章を、めちゃくちゃ妄想して、膨らませて、試行錯誤した結果、やっと分かった訳だな。さっきは「ただのカタログ」なんてこき下ろしたけど、ってこの流れで「こき下ろした」って何かヤダな、ってそれはいいんだけど、えー、なんだ、そう、批判したけど、こうやって物凄く役に立った人間もいるわけだから、やっぱり小学館はいい仕事してるんだよ。
しかし隠語として「ラプソディ・イン・ブルー」って新しくね?やべー俺新しい隠語作っちゃった!



ここでもう一度皆に問いたい。
大人になるって、いい事なのかい?