【レビュー】08年第27節 磐田戦@ヤマハ

ジュビロ磐田 1-0 アルビレックス新潟
スタッツ

キックオフ前、カーペンターズの「top of the world」のチャントを歌う磐田サポを見て「カーペンターズだったらイェスタデイ・ワンスモアの方がいいんじゃない?ほら、あのすばらしい日々をもう一度、みたいなww」とか言う某AW編集長。わー黒い。あー黒い。あーすごい。あ、これ加藤鷹のモノマネで読んでみてね。あー凄い、あーすごい、あー黒い。ねぇほら黒いよ。ほら、ねぇ?ほら、ちゃんと言って。言わないとやめちゃうよ?ねぇ、いいのやめちゃって?あー黒い。
とまあ馬鹿なこと言ってないでさっさとレビューだおらー!ほら、レビュっちゃうよ?いいの?良かったら言わないとやめちゃうよ?やめていいの?ほらレビュるのやめちゃうよ?あーすごい。


この試合の立ち上がりからえらいガッツンガッツン来る磐田の選手たち。というか端的に言っちゃうと「とってもDirrrrrtyなプレー」という事だろう。特にこの試合で注目点だった「磐田の守備の欠陥であるサイドのスペース」を突く際のキープレイヤーであり、最近の新潟の攻撃の中心である松下とマルシオサイドハーフは完全に狙われていて、立て続けに危険なプレーを受ける。
ただ、そこはさすが柏原丈二の面目躍如。ここでカードを出す事もなくゲームを進めるという判断をした事がこの荒れた試合の分水嶺だったといえるだろう。で、その判断の基準を見て磐田の選手たちも危険なプレーのハードルが上がったのであろう。12分にロドリゴが松下に、13分に茶野がマルシオに、それぞれおぞましいタックルをかましてこれがこのあと乱発されるイエローの引き金となる。てか、あれ赤でもおかしくないよな。必死なのは分かるけど頼むよ。選手を壊すのだけはやめてくれよ。しかし茶野ってあんなに汚い選手だったっけ?もっとうまーく相手を潰せる選手じゃなかったっけ?衰えなのか?パス出した後で全く関係ないシーンでマルシオをこずいてたシーンとかあったけどさ。全く。とりあえずマルシオが重傷を負わなくて良かった。タックルがとっても下手な犬塚にアフターで削られたのは焦ったけど。
まあこれについては普段相手の汚いプレーに対して何も言わない淳さんが「非常に荒れたゲームだった。」「マルシオ・リシャルデスはだいぶ狙われていて、かなりひどい状態だったが、非常にファイトをして、最後までプレーしてくれた。彼のプレーに対しては非常に感謝している」というコメントを出しているというのが、もう全てなので俺はもう何にも言いません。(てかマルシオは「裂傷」を負ってたらしいな。ひょえー。)なんせそこが敗北の原因の一つではあるけど、主因ではないからだ。


この試合が進むごとに明らかになってきたのは、磐田の守備がこれまでの勝ちなしの時期に比べてかなりスペースをきつく埋める意識が強かったという事。特に恐らくチームとしてかなり重点的に準備したであろうセンターに入ったときのマークと、サイドをウイングバックボランチがキッチリとスペースを埋めるという意識はかなり高いレベルで統一されていたように思う。
ただ、それをどう崩すかって事を工夫しなければ点は取れないのだけど、前半は特にとにかくボール回しが遅い。そして狭い。相手はウイングバックも下がって5バック気味のラインと2枚のボランチでブロックを作って、攻撃は前線へのロングボールを送り込むという形を取ってきたので、新潟はバックライン〜ボランチがボールを触ってポゼッションするシーンが結構あったのだけど、如何せん前線の動き出しもないし、ボランチからのサイド、特にサイドバックへの素早い展開が中々見られない。前半の終わりくらいにやっと何本か有効なサイドアタックを見せていたけど、あれはやっぱり中盤でボランチが起点になってパンパンとボールを繋いだ時と、片方で起点を作って相手の守備がそっちの方にスライドした所で効果的に出るサイドチェンジが見られた時なんだよね。
んでそれってやっぱりボランチが中心とならなくちゃいけないところだったはず。勲は試合後に「もっとサイドに展開できればよかった」と言っているけど、まさにその通りでその意識をもっと研ぎ澄ませていればこの試合はもっと別の展開になったはずだと思う。


で、磐田の攻撃は前述の通りウイングバックの攻撃参加を捨ててまで守備ブロックを作って、そこから前の前田とジウシーニョと松浦にぼーんと蹴って走らせるという形が主だったのだけど、どうもその対応が微妙。特に前線の選手の一発目の動き出しに、特にボランチのフィルターがかからず、ぽこーんとスペースが出来るのでジウシーニョが自由に走るという形が目に付くようになる。何となく、ほんのりと川崎戦@等々力を思い出すような展開でちょっと嫌な感じがしていた矢先、縦パスからサイドに一人抜け出したジウシーニョと千代の1対1という形になり、上手くジウシーニョに倒れられてしまいPK献上。んがあああ千代ぉぉぉ。
そしてこれを前田が決めて1-0。結局スコアはこのままで前半終了。ハーフタイムの浜北西校(だっけ?)のJK吹奏楽部の演奏する「風になりたい」がこういう荒れたゲームでは本当に一服の清涼剤であった。あー全然関係ないけど試合後に隣のバスが彼女達のバスで、ここでも荒んだ心を幾分か慰めてもらいましたよ。ありがとう葉巻タニシ、じゃねーや浜北西高校(だっけ?)



後半。新潟は前半に比べるとサイドをワイドに使えるようになって、特に松下がうまーくサイドを突ける様になってきて、少しずつだけどリズムが生まれてくる。
ただ、相変わらず磐田の縦への展開の時にジウシーニョにスペースを与えるシーンがあって、かつ柏原丈二のジャッジを見てると、ジウシーニョにばちーんと縦に走られてDFラインがそのスピードに晒されちゃった時のファウルトラブルが怖いなー、永田さんや松尾リーチだし、千代は前半カード貰ってるし・・・と思っていたらまさにその通りになってジウシーニョに上手く倒れられて千代に2枚目で退場。だぁぁぁ千代ぉぉぉぉ本日2回目。
で、その後北野のキックが珍しく素晴らしいコースで前線につながり、松下が川口と交錯しながらヘッドするも惜しくも左に外れるという決定的なシーンを作ってからは1人少ないことを感じさせないプレーを見せる。
退場を受けてアトムに替えて慶治を入れてシステム上は4-5-1なのだけど、ウッチーがかなり中にまで入って中盤をフォローするような、ちょっぴり変則的な3バックのような形でサイドアタックを狙う。特に松尾と松下の左サイドは相手を押し込む事に成功して、結局この試合で一番惜しかった貴章や途中交代で入った河原のヘッドは松尾のクロスからだった事からも、そこが後半の新潟の攻撃の生命線だったといえると思う。
ただ、最後の最後がズレてゴールには至らず。そのまんま試合終了となった。試合終了の笛を聞いた後、一人ピッチ仰向けになって地面を叩いた松下の姿が実に印象的だった。


まあ、こういう試合もあるって事だよね。こういうストレスしか溜まらないゲームはやっぱりあるよ。それは色んな要素が複合されて生まれたもので、そしてその中には自分達のミスや工夫のなさがそのストレスを生んだって事を忘れてはならないだろう。次に、こういうゲームのモヤモヤを霧散させることが出来るか否かって事が一番大事。下を向く事はないよ。今は今進んでいる方向性の強度を上げる事だけを考えていく時期だ。
残り7試合。まだ俺たちが成し遂げられる事はいくらでもあるのだ。