【レビュー】09年第11節 山形戦@NDスタ

モンテディオ山形 0-1 アルビレックス新潟
スタッツ


いやーやっと勝ち点3獲れたぜ。ふ〜〜〜よかったよかった。この試合はここ最近の惜しいポイントロスをしっかりと踏まえた上で、しっかりとその反省を活かして、ゲームをコントロールして勝ち点3をガッチリ確保した。うん、やっぱできるんじゃん!!そうそうこれだよこれこれ!今日の、そして今後の勝ち点3の為に、これまで授業料を5ポイントくらい払ったと思えばまあいいかw


試合の立ち上がりから新潟ペース。マルシオと貴章の右サイドからガンガン山形の守備を押し込んでいく。特にこの試合の貴章は出色。最初からフルスロットルで右サイドをビュンビュン疾走していきなりオオシのヘッドを演出するなど、前節の磐田戦に続いてすげー積極的。
で、この試合で注目だったのは前節に続いてセンターハーフでスタメンのヨンチョル。前節は松下とのコンビでどちらかと言えば守備の松下、攻撃のヨンチョルって感じだったと思うんだけど、この試合はマルシオもヨンチョルも攻撃的な選手。淳さんマジで4、5点獲りに行くつもりなのかwwって思ったんだけど、マルシオもヨンチョルも的確に守備に降りてくるので、バランスが崩れることはほとんどなかった。特にヨンチョルの守備でバランスを取るって仕事の貢献度は特筆すべきところだったと思う。
かつ、ヨンチョルの場合だとボールを持って、相手を一枚外して一歩前に出る、ってプレーが出来るんだよね。松下の極めて優れたバランス感覚・スペースに走るセンス・プレースキックって武器と、ヨンチョルのドリブルセンス・得点感覚って武器。この選択肢がセンターハーフの位置でオプションとして確保できた感じだね。いいねいいね。こうやって層は厚くなっていくんだよな。

で、そういういい流れだとボールも中盤でよく動く。オオシを頂点にボールを回す中で、貴章やペドロが交互に飛び出し、それにヨンチョルとマルシオがガンガンフォローしてペースをずっと握り続ける。プレビューで書いたとおりの山形の守備のスキマを狙うプレーが出来ていた。
それとここ数試合ですごくいい感じに動いている「ペドロがドリブルを開始して組織を崩した時に、周りがそれで出来たスペースに動いていく」ってプレーも散見。てかやっぱりペドロやばすぎ。上手すぎ。いよいよ本格的に新潟はこのモンスターを兵器として操られるようになってきた感じだね。

結局、23分に一瞬の隙を突かれて2発連続で山形にシュートを許したものの、北野がそれを完璧なセーブで防ぎきる、ってシーンまで山形に1本もシュートを許さず、新潟は7本のシュートを放ってるんだよね。この試合に対するモチベーションの高さ、そしてこの数試合で確実に手にした攻撃面での自信が如実に表れた素晴らしい試合の立ち上がりだったと思う。

ただ、そんな中でも最後を許さない山形の守備はまさに堅牢。特にレオナルドと清水の存在感は抜群だった。しかしレオナルドって相変わらずいい選手だよなあ。強くて状況判断に優れた、素晴らしいセンターバックだと思う。正直、彼が90分間いたらこの試合は0-0で終結してた可能性もあっただろうね。


で、その23分の大ピンチの後も基本的には新潟ペース。その辺の時間帯から左サイドバックに入ったヒロシのオーバーラップも目立ち始め、両サイドをぐんぐん押しこむことに成功。で、FKからこぼれをうっちーが決定的なシュートを放つも清水グッドセーブ!ってシーンだとか、貴章が山形の連係ミスを拾って右サイドを爆走→クロスだとか、いいシーンを相変わらず作り続ける。
37分山形ベンチは、スタートはトップ、途中からサイドに移動していたキム・ビョンスクに替えて渡辺匠。渡辺がボランチ、秋葉がトップに入る。これ、結果的には永田さんとヒロシがキムをベンチに追いやったって事だよね。トップでは永田さんに完全に抑え込まれてキープできず、サイドではヒロシに潰され追い越された。新潟の守備陣が集中してハードワークした成果を、この山形のベンチワークはこれ以上なく明確に証明していたと言えるだろうね。


という訳で23分のピンチ、そして得点が獲れなかったこと以外はほぼ完璧と言える内容で前半終了。ここ数試合ではなかなか見られなかったゲームをコントロールするというタスクをしっかり見せていた。あとは、どうやって山形の堅守から得点を奪うか。そしてその後にもゲームをコントロールできるか。



後半はいきなり大ピンチから始まる。何でもないバックラインのパス回しを受けた千代に秋葉がプレスをかけると、ウソみたいに千代がボールロスト。必死に食らいつく千代を背負いながら秋葉はほぼ1対1になるのだけど、それを北野が左足一本残して超ファインセーブ。あっぶねええ!千代しっかり!!
てか、この試合の北野はそこまでプレー機会多くなかったけど、その全てがめちゃくちゃ集中してて素晴らしいプレーだったと思う。とりあえず千代は北野にメシ奢るべきだね。もしくはカブトムシ育成用の腐葉土とか送るべきだね。

52分、山形にトラブル。負傷したレオナルドに替えて石井。ここまで絶大な存在感を誇っていたレオナルドが下がる。

立ち上がりこそバタバタしたものの、後半も基本的にペースは新潟。山形がサイドアタックからミヤが絡んできたプレーでも冷静に対応し、攻撃では前半同様に前線の選手がよく動いて相手の守備のスキマに侵食していく。そして後半もペドロが何度となくドルブルで長い距離をゴリゴリ進んで相手の組織を破壊していく。

そして60分、試合が動く。中盤で勲のパスを受けたペドロが前を向くと、勲にまずファーストディフェンスに渡辺が出ていたので、バイタルは佐藤健太郎一人。つまりそこを交わせれば圧倒的なチャンス!!って所で、それをやってのけちゃうのがさすがペドロ。佐藤を切り返して交わすと、恐らくこの試合で一番山形の守備が緩くなっていたバイタルに侵入してシュート!で、それはフォローに行った石井の体に当たるものの、石井が飛び出した結果スペースが出来た所に入り込んでいた貴章の前にこぼれて、貴章がそれをプッシュしてゴール!!
この試合のプレビューで、ペドロが組織を壊したところで、その結果生まれる相手の脆弱な部分に選手が飛び込めるか、ってのがポイントって書いたけど、これはまさにその形。んーやっぱこのチームの攻撃力はハンパじゃないよ。これまでの最大の武器である速攻に加えて、遅攻でも連携と個の能力を合致させて点が獲れるチームになってる。よしよし。


あとはそのリードをどう勝利に結びつけるか。ここ数試合で失敗してるそのタスクに挑むことになる。
63分、石川のFKから秋葉が叩き込んで同点、かと思ったらオフサイドの判定。秋葉じゃなくてその手前の選手(石井かな?)が新潟の選手をブロックに行ったような形だったのがプレーに関与したと判定されたんだと思う。すげー微妙だけど。

その後はちょっと山形のポゼッションが上がって、新潟が引いて守る時間も若干増える。しかし何度かあったセットプレーのピンチも守備陣と北野が冷静に対応するし、ポゼッションされていても前線からのプレッシングを怠らずにボールを奪うことに成功する。
で、こうやって奪ってからのプレーがこれまでとは雲泥の差。最近の新潟はゲームをコントロールするっていう意識があまりに希薄だったと思う。2点リードしてるのにテンパって縦に急いでボールロストしてリズムを自ら崩したりね。ただ、この試合では奪ってからは、相手をいなすポゼッションをしながらボールを動かし、ワイドに展開してチャンスも同時に作っていく。69分のマルシオのクロスに貴章がギリギリで合わなかったシーンや、その直後にペドロのドリブルから、フォローしたマルシオがクロス→貴章ヘッド!!!の決定的なシーンなどいい形を作り続けて、「行き急ぐこともしないけれど相手に流れも与えない」状況、つまり「ゲームをコントロールする」ってタスクをしっかりと遂行する。
いやーこれだよこれ。これが必要だったんだ。こういう流れを作れたからこそ、残り15分でも足が止まらずプレスに行けたんだしね。80分過ぎにパスミスがちょっと増えて相手にボールを奪われるシーンが増えても冷静に対応できたのは、そうやってゲームをコントロールする流れを作れたので、守備陣形が常にしっかりセット出来てからだしね。この時間帯の勲のポジショニング、そして千代の的確なファーストディフェンスは見事だったと思う。
それに加えて、ちょっとボールが動かずキープできなくなってきたのを見て、82分にオオシ→フミヤでペドロがセンター、フミヤが左ウイングの形でゲームコントロールの流れを加速させる。淳さんも勝負師の血が騒いだかw
特に残り5分からのゲームのクローズのさせ方はほぼ完璧だった。ボールをしっかりポゼッションして時計を進めつつ、珍しく足がつったっらしい殊勲の貴章→松下、ヨンチョル→松尾でゲームをこれ以上なく手堅く〆て試合終了。ほぼ完勝と言っていいファインゲームだった。うん、いやーな流れを止める意味でも、連戦を締めくくるって意味でも、素晴らしい試合だったと思う。


つーことでやっと連戦も終わり!選手の皆さん、お疲れ様でした!!今はゆっくり休んで来週の神戸撃破へ挑みましょう。目指すは、もっともっともっと上だぜ!!