【レビュー】09年第25節 ジェフ戦@フクアリ

ジェフユナイテッドちば 0-1 アルビレックス新潟
スタッツ
鈴木淳監督 試合後コメント
いやー、やっと久々にこれを書く余裕ができたwwwすいませんホントwwwやっと戻ってきたぜちくしょい!!つっても試合から大豚っちゃったけどね・・・・って、大豚っちゃってwwwwだいぶ、経っちゃったね、だな。何だこのテンション!!まあいいさ。
ま、次からはもっと早く書けるようにします。あ、だけど大分戦は連休明けしか書けないと思いますので、予めご了承ください。


そして俺の陰鬱なアタマがやっとすっ飛んだのと同時に、アルビレックス新潟も8戦勝ちなしの呪縛からやっと逸脱!!ひゃ〜長かったねえ。うん、ここからここから。ここからどう戦うかが重要だよね。


まずこの試合で注目は新潟のシステム。これまでずっと続けてきた4-3-3から久々に4-4-2に変更。4バックはいつもので、ボランチに勲と千葉ちゃん、サイドハーフは右にマルシオ、左に松下、トップが貴章とオオシ。ジェフはネットと谷澤の2トップに、サイドハーフは右に米倉、左に深井。あとはまあいつもの。


試合の立ち上がりから淳さんが試合後コメントで語っているように「お互いにこう奪って攻めてミスして、また相手がミスしてという、そういう展開で非常にこう落ち着きのないゲーム」になる。ジェフはまあぶっちゃけ、いつもの通りだけどw、新潟はやっぱり4-4-2の変更の影響はあったと思う。特にボランチの二人のポジション取りがひどく曖昧で、ディシジョンスピードも遅かった影響はデカかった。まあ淳さんは「単に下手だからでしょ」って言ってるけどw


久々の4-4-2だった新潟だけど、去年の4-4-2の最大の問題点はトップと中盤の間をつなぐ選手の不在。その結果トップと中盤が乖離して分厚い攻撃を仕掛けられなかった。なのでこの試合ではそこに注視して観てたんだけど、そこは松下やマルシオが絞ってセンターでボールを触ったり、オオシが降りてきてボールを受けたりするシーンが結構あったので、それほど気になる事はなかった。その辺は4-3-3の名残って所だろうね。やっぱり淳さんのチームって、これまでの流れを無視する奇策は絶対にしないんだよな。ブレない、ってのはこういう事なんだと思う。まあ、その影響もあって07〜08年のようなうっちーとマルシオの右のユニットの絡みを観る事があんまりなかったんだけど。
ただ、そういった工夫は見られたんだけど、やっぱりミスが多くて前半はビルドアップからチャンスを作ることは殆どできなかった。そんな中でも相手のセットプレー崩れや、相手の高い位置でのミスを突いたカウンターではいい形を作る。5分の千葉ちゃんのミドルのトライとかね。ていうか、ジェフはセットプレー崩れの守備が酷過ぎると思う。

で、互いにミスが多かった前半にあって目立ってたのが櫛野のキックミス。あの人そんなに下手だっけ?って思ったんだけどよく考えたら06年のナビスコフクアリで岡山センパイにビックリするようなプレゼントパスしたの櫛野だったんだよねwそうか、やっぱ下手だったのだ。
で、これだけミスが山積する前半にあって、こういうキックミスが致命傷につながる事もあるんじゃ?と思ってたんだけど、多分貴章もそれを感じていたんだろう。19分、櫛野へのバックパスに猛然とプレスを掛ける。するとキックは案の定タッチラインを割り、新潟のスローインに。そしてそのスローインからオオシがボールをキープした所でファウルされてFKを得る。
キッカーは松下。彼が選択したのは最も得意とする、ゴールに向かっていく速い弾道のボール。それを貴章が頭一つ抜け出して触ると、落下地点目掛けて動き出していた櫛野の肩口を抜けてゴール!!!イエス!!!久々の先制点をもぎ取る事に成功する。貴章はゴールだけでなく、その前のプレスでも地味にいい仕事。素晴らしい。


先制後も基本的な流れは同じ。24分に松下のキックミスから深井がDFの間をすり抜けてチャンスを迎えるも、右足のキックはゴール上へ、ってピンチを迎えるものの、すぐさま新潟はぐいぐいっと上がってきたジウトンから松下へと決定的なクロスが通るもオフサイド、ってシーンを作って応戦。
で、前半は特に顕著だったんだけど、松下が中に入ったことと、米倉とトップで起用された谷澤が頻繁に降りてくるジェフの右サイドの守備のルーズさも手伝って(ぶっちゃけ前半は酷かったね)、ジウトンが気持ちよくオーバーラップ出来て、そこをうまく経由するといい形が作り出せるようになった。これは今後4-4-2を基本として戦うならば、もっともっとブラッシュアップすべきこの試合のポジティヴな要素の一つだよね。やっぱジウトンはクロスの選択に関していいセンスしてると思うよ。06年からずっとそうだけど、鈴木淳サッカーにおいてクロスを上げる仕事はサイドバックが中心となるんだから、もっと彼をうまく使えるようになりたいね。4-4-2なら尚更だ。
あーあと37分のカウンターから、オオシがボール持って右に流れて、貴章がその前のスペースを狙って走った結果、それがデコイとなって逆サイドジウトンがフリーになって、そこにパスが通ってトラップさえうまく行けば1点もの、ってシーンがあったけど、あれも大きなヒントだよね。


で、その後はジェフはネットに任せるパワープレー気味の攻撃を仕掛けてきたんだけど、そこは千代と永田さんの2枚はまさに盤石で決定機を作らせない。やっぱり今年25失点しかしてない、特にアウェイでたったの6失点(!!!!)という数字は、この二人の存在が大きいよね。本当に素晴らしいと思う。ていうか、(これは後で言及するけど)後半一回だけ組織のミスを突かれて決定的な形を作られたの以外は、組織のミスで相手に決定機を作らせたのってなかったよね。前半ロスタイムの米倉の決定的なヤツは、千代のキックミスという個人のミスだし。素晴らしい。
攻撃は水モノだけど、守備だけは継続して積み重ねていくことでしかクオリティを上げられないって事を考えると、07から始まった守備に関するユニットと組織の積み重ねがここにきて大輪の花を咲かせてるんだなあ、ってのは本当に思う。あとは08年のふがいない攻撃陣が鍛えてくれたのも大きいよなwwありがとう!アレッサンドロ!ダヴィ!アウグストww



後半はジェフペースでスタート。ジェフが前掛かりになってきて、サイドで起点を作って攻撃を仕掛け始めると、そこで新潟のファウル→ジェフのFK、CKって形が多くなり、新潟が前線へとボールが運べずに窮屈になサッカーを強いられることになった。てか、北野は最近ハイボールの処理、特にパンチングが下手になってないか?もっとパンチを遠くに飛ばせないと、守備陣が呼吸できなくなっちゃうんだ。頑張れ、北野。

そんなジェフペースを観て、55分過ぎに淳さんが動く。そしてこれが、この試合で最大の注目点であり、そして恐らく残り9試合を戦い抜くための大きなヒントになるんだと思う。
淳さんの選んだ手は、トップの貴章を右に移し、マルシオをセンターでトップ下のような役割を与えたというもの。システム表記すれば4-2-3-1って所だろうか。勲と千葉ちゃんのボランチに、2列目が左から松下、マルシオ、貴章、でトップにオオシ。
これ、結局のところ今年の基本フォルムであった4-3-3の亜流と言うか、派生のシステムだと思うんだよね。今年の4-3-3において、マルシオの役割は06〜08年の4-4-2の2トップの一角がやってきた仕事の踏襲だった。その仕事の中でも顕著なのは、相手のボランチに常にプレスを掛けるって仕事。そう、「2トップの内の1枚は必ず相手のボランチを見る」って約束事。これって鈴木淳サッカーの基本だよね。
この仕事で求められる、「献身的なプレッシング」そして「奪ってから一気に攻撃に切り替える」というプレーって、新潟の中ではマルシオが誰よりもうまくやってのけるんだよね。その特徴を生かしつつ、同時にマルシオ元来の最大の特徴である「キープ力とパスセンス」をセンターで使う事で、「シルビーニョ不在」という08年の最大の病理を吹き飛ばし、オオシ、ペドロ、貴章という、特異なアタッカーの各々の特長と、勲のアンカーとしての才能を、すべて昇華させた奇跡のようなバランスのシステムだったんだよね、今年の4-3-3って。
だから、その奇跡のバランスの中からペドロが抜けた中でも、そのバランスの特長を継続させたのがこの試合のラスト35分の形だったんだと思うんだ。要は、ペドロの替わりにボランチを一枚増やした4-3-3みたいなもんだろう。ペドロのサイドバックへの圧力を放棄する代わりに、センターを分厚くして相手に圧力をかけるって感じかな。もっと言うと、それに06〜08年のサイドバックサイドハーフの2段構えの攻撃・守備ってエッセンスを加えた、ってのもあるだろう。
それと考えてみると、松下、マルシオ、貴章の3人って攻撃だけじゃなく、何よりも守備がうまい選手。そんな3人を、相手にとって「ボールロストしたら一気に大ピンチに陥る」場所に配置して、網を張って待ち構えるってのは、新潟最大の特長である「高い位置で奪ってから一気に速攻」って要素も考えると、物凄く理に適ってると思うんだよね。
そう、だからさっきも書いたけど「淳さんのチームって、これまでの流れを無視する奇策は絶対にしない」んだよね。絶対にブレないんだよ。どんなに苦境でチームに変化を加えなくてはならなくても、絶対に過去の遺産を無駄にする、そう、「一枚ずつ積み重ねてきた紙」を吹き飛ばすような事はしないんだよね。やっぱすげーよ。本当にすげーと思う。やっぱり鈴木淳アルビレックス新潟で、ACL戦いたいよ。本当に心からそう思うわ。



で、この変更でまだまだ不完全ながらも、ここ数試合ずっと続いていた閉塞感を吹き飛ばす道筋を示す形を見せ始めた。
まずは60分。千葉ちゃんの縦への漢パスをセンターで受けたマルシオが、左の松下へと流す。そこで松下がボールを受けてドリブルしながらルックアップすると、マルシオとオオシが一気に相手のDFの間へと走りこみ、その大外で貴章がフリーで走る。結局それは松下がシュートを選択してチャンスが潰えるんだけど、もしあそこで貴章へのパスを選択してたら1点ものだった。これでもわかるけど、この4-2-3-1って状況とタイミングさえ合えば、4-3-3の時のようなワイドな攻撃を選択できるんだよね。マルシオは極めて攻撃センスに秀でた選手だけど、こういうタイミングでワイドからアタッカー的に入ってくるタイプじゃない。だからそこに貴章を配置する事で、今年の4-3-3のフォルムを活かすことが出来る。いいじゃんいいじゃん!


それともう一つの効用は千葉ちゃんへの影響だったと思う。さっきも書いたとおり、この4-2-3-1はペドロを抜いてボランチを一枚増やした4-3-3のようなもの。だから、その一枚増えたボランチが攻撃面で効果を発揮しない限り、絶対に威力を持つことはないんだよね。
それが、時間を追うごとに見え始めた。63分、オオシが櫛野と1対1になるもループ気味のシュートを弾かれるという大チャンスを逸した後の65分、相手ボールなりかけたのをジウトンがフォローして、そこから千葉ちゃん→松下→千葉ちゃん→オオシとワンラッチで繋ぎ、オオシがキープして時間を作って松下に落としてワンタッチでクロス→千葉ちゃん飛び込むも惜しくも合わず、って大チャンス。
69分にはこの試合でそれまでほとんどなかった、中盤の深い位置からの千葉ちゃんのオオシへの漢縦パスが通る。
70分にはマルシオがセンターで受けた所で、ぽっかリ空いたバイタルに入ってきた千葉ちゃんがパスを受けてミドルのトライ。
75分にはジェフのコーナー崩れから、マルシオが凄まじいキープでロケット乳狂い糞ヒゲ色黒キモクソ野郎のマークをすり抜けて、完全にフリーになってGKとの1対1も可能なタイミングで飛び出していた千葉ちゃんにパスが通るも、パスが弱くてチャンスに惜しくもならず、ってシーン。
・・・・とまあこの辺からナンバー3の攻撃面での活躍が目立つようになる。ハッキリ言って前半までは特に大きな仕事ができなかった千葉ちゃんがここまで前へと絡んでいけたのって、やっぱり4-2-3-1のシステムで、マルシオが一つ下がった位置でキープ出来てるからだと思うんだよね。で、ここで思い出すのは「あれ?それってつまりナビスコの中断明けあたりの4-3-3での松下の仕事じゃね?」って言う事。この試合、録画で観直すと千葉ちゃんがマルシオの位置まで上がって、4-3-3の逆三角形みたいな形になってるシーンが頻出するんだよね。ほら、やっぱこれ4-3-3の派生だぜ。
だから多分、今後の最大のキーマンは千葉和彦になるだろう。彼がどれだけクオリティの高いプレーを出来るかが、この語の展開を大きく左右すると思う。だからやっぱ、欲しいのは得点だね。ミドルでも飛び出しでも、セットプレーでも何でもいい。1点が欲しいね。それが彼を大きく変えると思うんだけどね。



ハッキリ言って、この4-2-3-1のシステムは淳さんが評価するように、まだまだ完成形とは程遠い。まだまだミスが多すぎたし、そもそもこれを今までどれだけ練習でブラッシュアップしてきたかもわからない。だけど、間違いなくこれは残り9試合のラストスパートの大きな武器になるはずだ。ACL出場以上を目指すために、不可欠な武器になると思う。淳さんも言ってるよね。「いろいろやってみた中で、今後の試合にいろいろなオプションが増えたことで、4−4−2に変えてよかったのかなというふうに思っています」ってね。期待してますよ。




試合に話を戻すと、江尻さんが先に動いて61分、ネット・バイアーノミシェウ。ハッキリ言ってこの交代は全くの意味不明ww谷澤のワントップって何それwww
で、淳さんは当初千葉ちゃん→ゴートクを検討してたらしいのだけど、どうやら巻の投入を見て松下→ゴートクに変更した模様。巻の高さを考えて千葉ちゃんを残したんだろう。これ、俺前も書いたけど、淳さんって相手が高さと言う脅威をちらつかせてくるのを、凄く警戒するタイプの監督だよね。絶対間違いないと思う。
と言う訳で66分、米倉→巻、松下→ゴ−トク。やっとジェフにちゃんとトップが入る。空白の5分間!
で、80分に淳さんは千葉ちゃん→エヴェルトン。エヴェが左、ゴートクがボランチ。で、この直後の82分に深井が永田さんとジウトンの間を抜けてボールを受けてシュート、っていう決定機を作るという、初めて組織を崩されたピンチを作られる。これ、交代直後でゴートクと勲の位置が曖昧で中盤が緩く、かつ千代がその分前に出ちゃってラインがギャップだらけだったのを突かれたんだよね。今後の戦いの中で、いろいろ交替でシステム変更を敢行したりってのがあると思うんだよね。だから、再びこういう事がないようにしないと。
でまあ、後はオオシ→マーカスでクローズさせて、相手は新居を投入するも特に大きなチャンスもなく試合終了。



うん、やっぱ問題は次だよね。次勝たないとやっぱ意味がない。ここで勝ってラストスパートを掛ける。もうこれしかないよね。おっしゃーーーー勝とうぜ!!!!!!!!